妊娠が判明した翌週には吐きづわりが始まっていました。
その日は朝起きると少し気持ち悪かったのですが、まだ動く余裕があったので洗濯をしていました。狭く暑いサンルームで洗濯物を干していると、次第に吐きたくなり立っていられないほどになりました。
7月のとても暑い日だったので軽く脱水状態にもなってしまい、うずくまりながら何とか電話し、母に助けを求めました。
その日からご飯が全く食べられずあっという間に寝たきりになってしまいました。
引っ越したばかりでアパートの部屋の匂いや寝室の蛍光灯の明るさに馴染めず、眩しいだけで気持ち悪くなるので電気をつけずに薄暗い寝室でじっと時間が過ぎるのを待つのは本当に辛かったです。
好きな仕事を休み、ほとんどの家事を旦那が文句も言わずやってくれ寝たきりを許されるだけありがたかったのですが、ご飯すら炊くことができず情けないし吐き気がいつまで続くのかわからないしで泣いていました。
天井を見つめながら旦那の帰りを待つだけの日々は1ヶ月続きました。
日によってはアイスキャンディや果物が食べられましたが、まともにご飯を食べていなかったので一気に痩せて腕や脇腹は見たことがないラインになっていました。結婚指輪がゆるゆるになった少し骨っぽい指を見つめながら
「ゆっくり死んでいくのかな…つわりで死ぬことってあるのかな」
と本気で思っていました。成人してから1番痩せて背中も痩せたので床に寝っ転がると骨が当たって痛かったです。
吐く物もないのに吐き続け、何を飲んでもすぐに全部吐いて水分が摂取できなくなった時は病院で点滴をしてもらうと少し楽になりました。アイスキャンディや果物でなんとか水分を取るピークは1ヶ月ほど続き、2ヶ月かけてゆっくりと回復し次第に食べられる物が増えていきました。
突然カレー味のカップラーメンやパサパサの唐揚げが食べたくなったりと食欲がゆっくりゆっくり戻っていきました。吐いているときに「さっき食べた唐揚げの内300円分は吐いてしまった。勿体無い・・・」と思えるぐらいになりました。それでもゲリラのように吐き気に襲われるので外出はもちろん家にいるときもビニール袋を持ち歩いてました。私が歩くとカサカサ音がしていました。
家にいるときぐらいトイレで吐けば良いんですが、トイレ自体が気持ち悪くてあまり入りたくなかったのでビニール袋に吐いていました。汚いものを見ても吐きたくなるのでテレビCMなどで排水溝のヌルヌルが出ると辛かったです。テレビCMも見たいものを選べるようになれば良いのにと文句を言っていましたが今思い出すとテレビ消せよと思います。
臭い匂いはもちろんですが夏だったのでムワっとしたのもダメで外出中に雨が降るとムワッとした匂いで吐いていました。
普段は納豆好きなのですがつわり中は隣の部屋からのかすかな匂いもダメだったので、平然と納豆を買ってきた旦那に「ふざけないで!」とキレてしまいました。今思うと家事も仕事も頑張ってくれているのに理不尽で申し訳なかったです。
つわり中は1日に何度も吐くので虫歯が心配でしたが歯磨きは吐き気との戦いで一苦労でした。口をずっと開けていると吐きたくなるので手を高速で動かし吐き気抑制のために顎を引いて歯を磨いていました。何とか歯を磨いていましたが産後は生まれて初めて虫歯になり悔しかったです。
吐きまくり生活も1ヶ月ほど経つと吐きレベルが上がり吐くことに慣れていました。最初のころは吐きたくなったらすぐ吐いていましたが慣れてくると「今は吐かずにいったんチャージした方がスムーズに吐ける」など調整できるようになりました。
食べるときも吐くことを想定して喉に引っかからないような吐きやすいものを選ぶなどして吐くことへの負担を少し軽減できるようになっていました。なにごとも慣れが大事だなと学びました。
つわりと出産を思い出して比べると安産だったおかげか私にはつわりの方が辛かったです。痛みは断然出産の陣痛の方が辛いのですが終わりが見えていたし、先生や助産師さんが側にいたので気持ちが少し楽でした。
つわりは人によっては妊娠後期まで続くと聞いていたので終わりが見えないことが本当に辛かったです。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
妊娠時期別記事
著者:つかさちずる
年齢:アラサー
子どもの年齢:2歳
娘の隙をついてお絵描きをする普通の主婦です。オチのない四コマをTwitterに載せたり、はてなブログ むすメモ! を細々とやってたりします!好きなお寿司はエンガワです!
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