長女をお腹に迎えたのは、3年前の秋。妊娠がわかったときは、結婚式の当日以上に嬉しかったのを覚えています。
嬉しいだけでは済まなかった、というのが解ったのは、それから数週間後でしたが…。
母子手帳がもらえるようになった頃、とてつもない食欲に襲われました。
普段はそんなに食べる方ではなく、むしろ太りやすい体質なので、夕食ではご飯を抜き、それが苦にならないタイプなのですが、このときばかりは違いました。ご飯が食べたくて食べたくてしょうがないんです。それも、まっしろのほかほかご飯が!
食べても食べてもお腹が減る、お腹が減ると気持ち悪くなるからまた食べる…魔のループに突入してしまったのです。
と同時に、『ああ、これが食べづわりというやつか!』と妙に納得したのを覚えています。
それでも、食欲の正体がわかったからと言って、食べる量が減るわけではありません。
当時、事務の仕事をしていた私は、自分のデスクにストックと称してあらゆるお菓子を置くようになり、パソコン仕事をしながら合間におかきをぽりぽり。
ちょっとお茶(この時にはすでに自分用の黒豆麦茶も同時にストックしていた)を作りに給湯室へ行っては、沸かす間に小さなおにぎりをもぐもぐ。
「二人分だし!」と体の良い言い訳を自分にしつつ、それこそ「際限なく」食べていたことも、今となっては懐かしい思い出です。
その言い訳が言い訳にならなかったと思い知ったのが、4か月目の妊婦健診のときでした。
体重計に乗るや否や、「これはふとりすぎやね」と一言。
体重計の針は見事に前回の体重を超え、+2kgの増。
この時期に、このペースでの体重増加は明らかに太り過ぎ。食欲に任せて過ごした1か月を即座に指摘され、
「ちゃんと考えて食べてます?この調子で行ったら、赤ちゃん出てくるとき大変なのよ?あなたも赤ちゃんも」
静かに、でも背筋が凍るような厳しい指摘に、深く深く反省しました。
そう、食べるのは自分の勝手。太って難産になって苦しい思いをするのも自分の勝手。でも迷惑がかかるのは、他でもない赤ちゃんなんですよね。
産道に脂肪がついて、赤ちゃんが降りてくるのを妨げてしまう。難産になって辛いのは、自分だけじゃない。むしろ赤ちゃんのほうがもっと辛い思いをするんです。
あれだけお腹に来てくれたことを喜んでおいて、途端にほったらかしじゃ、目も当てられません。
赤ちゃんが無事に出てきてくれるように、その準備をするのが妊娠期間なのだから、私は食欲に任せて食べるのではなく、食べるものも量も、赤ちゃんのためにきちんと考えて食べないといけなかったのです。
体重測定でもこってり絞られたのですが、何よりも尿検査で出た「尿蛋白」の++。
お医者様にも「再検査してまた同じやったら、入院やからね。」と…。
1週間後に再検査することになり、それまでの食生活についてもしっかりと事情聴取され、指導を受けました。入院だけは勘弁!仕事に穴をあけることも、入院して余計な費用をかけることも、どちらも自分には避けたいことでした。
でも、お腹は減るし、減ると気持ち悪くなるし…。
何かいい方法はないものかと相談しようにも、妊娠を経験している友人たちはいずれも「吐きづわり」の経験者で、対策を相談できる友人はいませんでした。
唯一、妊娠を打ち明けていた同僚は、同時期に妊娠していて、お互いが「食べづわり」だったにもかかわらず、こちらは適正増加でお咎めなし。給湯室では二人してしっかりお茶菓子をもぐもぐしていたというのに。我が体質が恨めしい!!
実家の母に相談したところ、母も弟を妊娠しているときに「妊婦糖尿病」と診断され、こちらは一時入院した経緯があることを話してくれました。
退院後も食生活はかなり制限され、ただひたすら「ところてん」と「海藻サラダ(ドレッシングの代わりにすし酢)」を食べていたとのことでした(このエピソードは、聞きながら思い出したくらいでした。何せ二十ン年前のことですのでね)。
「ところてん」も「海藻サラダ」もどちらも好きですが、なんだか栄養に乏しそうなイメージがあって、どうせ食べるならちゃんと栄養価が高いものがいいな、となんとなく食指が動きませんでした。
そこで有名なレシピサイトやインターネットで色々検索して、たどり着いたのが「野菜たっぷりスープ」でした。
作り方はいろいろありますし、レシピというほどのものでもないのですが、私が作りやすかった量でご紹介してみます。
~材料~
玉ねぎ 1玉
ニンジン 1本
大根 10センチくらい
キャベツ 1/4玉
しめじ 1パック
水 500~600cc
まずは野菜を数種類。少なくとも3~4種類は入れたほうが味わいが深くなります。また、根菜、葉物、きのこなどを取合わせて入れると、食感に変化があって、食べていても楽しいです。これらをさいの目切りなどで、大体の大きさをそろえて切ります。これらを全て大きめの鍋に入れて、煮ます。それだけです。
私は堅いニンジンが苦手なので、結構しっかり目に煮ていましたが、煮上がり加減はお好みでよいと思います。これを、毎食、食べるときに好みの味つけを食べていました。
朝は顆粒コンソメやケチャップを入れて洋風にして食べることが多かったですし、仕事場での昼食では和風の顆粒だしで味付けしたものをスープジャーに入れて、小さめに作った玄米おにぎりと一緒に。
夕食では、我が家は毎日お味噌汁を出すので(夫の希望により)、野菜スープはなし。代わりに、お味噌汁を野菜たっぷりに作って、自分のものだけお椀に入れてからお湯で薄めて食べていました。
家にいる間にお腹がすけば、マグカップに入れて温めたものをゆっくりと少しづつ食べることで満腹感を得られましたし、つわりが終わってからも、産前に入院するまでこの野菜スープを食べる習慣は続けていました。
もちろん、これ以外にも職場での間食を、お菓子からドライフルーツに変えたり、なるべく運動するために階段を使ったり、ちいさな努力はコツコツ続けていましたが、やはり、食生活を大きく変えるのにはこの野菜スープが一番役に立ちました。
おかげで、再検査の結果は異状なし。なんとか入院は回避し、その後の体重増加も許容範囲内で済みました。
最終的な増加分は、出産直前で+11kg。最初の大量増加がなければ、優等生だったのにね、と看護師さんと笑いあったものでした。
そんな風にして、無事に生まれた長女は、3,200g超えの大きめちゃん。
産後8か月で授かった次女では吐きづわりを経験し、長女の時とはまた違った意味で苦労しましたが、最初の妊娠で得た教訓を生かし、つわり後の食欲増も野菜スープで乗り切りました。
こちらは+9kgで出産を迎え、2,900gの普通サイズに生んだはずでしたが、3ヶ月検診ではこれまた大きめちゃん認定をいただいています。
産後の体型戻しや、ちょっと食べすぎたなっていう時にもおすすめの野菜スープは、これからも私の良き相棒となってくれそうです。
最後に、長女はもうすぐで2歳になりますが、よく煮た野菜が嫌いです。お腹にいる間に、たくさん食べたから、もういらないのかもしれません。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
妊娠時期別記事
著者:mar13
年齢:31歳
子どもの年齢:1歳11か月の長女と5か月の次女の年子姉妹
夫の転職を機に、自身の故郷へUターン。その後半年で長女を妊娠&出産。8カ月で卒乳し、「やったー!ようやく酒が飲める!!」とバンザイしたのもつかの間、あっという間に次女妊娠。昨年末に出産して、怒涛の年子育児ももうすぐ6か月に突入です。目下の悩みは次女の離乳食嫌い。どうやったら食べてくれるのか、悪戦苦闘中!
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