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産後1ヶ月検診で周りの子を見て気づいた、完全母乳にこだわりすぎていた故の体重減

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●一ヶ月検診、その日

2013年2月。娘の一ヶ月検診の会場で、わたしは周りを見回し固まっていました。

ひと月ぶりに会う産院同期のママの赤ちゃんたちに比べ、娘がどうみても小さい。

体重を計るために肌着を脱がせると、他の子との体格差は一目瞭然でした。

みんなひと月前に比べ、まるまると一回り以上も大きくなっている…。

計ってもらった数字を見て、今度こそ頭を殴られたようなショックを受けました。

体重2660グラム。

産まれたときの体重は、3216グラム。

生後一旦減るものの、最初の1ヶ月でプラスマイナス1kg増くらいが標準だといいますが…娘は、体重が減ったままでした。

 

●「母乳で育てなければ」という思い込み

どうしてこんなことになったのか。

それは、わたしがいわゆる「母乳育児」につまづいたからです。

そもそも、出産前の産院でのアンケートでも「母乳育児を希望」に躊躇なくマルをつけていました。

母乳で育てることのメリット(初乳の栄養や母体の回復も早まること、経済的なことetc.)は予備知識として知っているつもりでしたし、実母や義母はじめ、近しい先輩母たちから母乳で育てた話ばかり聞いていたのもあって「わざわざミルクを使わなくても、母乳で充分」程度に考えていました。

産後の入院中は、病院の指導のもと、娘が泣くたびに授乳+わずかなミルクを与えていました。

二日もしないうちに乳首がガサガサにひび割れてしまい、痛くてたまらないので助産師さんに相談すると、「赤ちゃんの唾液でかぶれている」とのことで、ラノリン(羊脂)の軟膏を授乳のたびに塗りました。

娘が一生懸命吸おうとしているのは分かるのですが、母乳が出ている感覚はなく、でもミルクを増やすようにという指導もないまま退院を迎えます。

そのとき頭にあったのは、産前にどこかで読んだ「胸が張ったり母乳が溢れるようになるのはしばらくしてから、それまではとにかく吸わせるしかない」という話でした。

そこで、1ヶ月検診まではとにかく「泣いたら吸わせる」で様子をみようと思いました。

地域の保健師さんが巡回に来てくれるから、問題ないかを相談しよう、とも。

夫も賛成し、あまり無理していそうなら止めるから、と言ってくれました。

 

●不安だらけ、でも「がんばって」しまった

「ほんとうに足りているのかな?」という不安は絶えずありました。

母や先輩ママたちがくれたアドバイスは「おむつは濡れてる?」「よく眠る?」「ママはご飯食べてる?」など。

そこは問題ないように思えました。

スマホの検索窓に「母乳 足りているか」と打ち込むと、出てくる文章は

『とにかく頻回授乳。ミルクを足すと満腹しすぎて飲まなくなり、母乳が出なくなる』

『体重の増加はゆるやかで大丈夫。増えないからと安易にミルクを足さないで』

『赤ちゃんの体重を頻繁に計ってストレスを溜めてはダメ。必ず出るようになるから、とにかく吸わせて』

というもの。

出なくなる、と言われると、怖くてミルクを足せなくなりました。

 

その頃付けていた記録を見ると、毎日10〜15回、1回あたり20分以上授乳しています。

まさに頻回、一日中授乳している状態で、疲れて判断力も落ちていたのかもしれません。

保健師さんは待てど暮らせど来ず、客観的な評価をきく場もないままの日々。

でも、娘もわたしもこんなにがんばっているし、それなりに飲めているのかな?

毎日抱っこしていると分からないし、ほかの子と比べる機会もないけど、どのくらい大きくなったかな…。

そう思って向かった、1ヶ月検診。

ここで冒頭の話となります。

この子はひと月ずっと「おなかすいた」と泣いていたのか、と頭が真っ白になりました。

現状すぐに健康上の問題はないことを確認し、栄養指導を受けて帰宅。

すぐにミルクを作りました。

帰宅した夫に報告しながら、涙が出ました。

 

●その後も難航する授乳

そこでばっさりミルク派に転向してもよかったのですが、やはり刷り込まれた「できるかぎり母乳」で頭がいっぱいだったため、その後もミルクに頼りながら、しつこくおっぱいマッサージ(痛い)にも通い、ハーブティなども試しました。

が、母乳量は改善しませんでした。いわゆる「出にくい体質」だったようです。

 

それからもミルク主体(母乳はほぼデザート扱い)なのに哺乳瓶を拒否してみたり、順調とはいいがたい授乳生活となりました。

離乳食が始まるや否やしっかり食べるようになり、1歳を迎える頃には成長曲線ど真ん中に追い上げるほど大きくなってくれたため、馬鹿なことをした話として披露できるわけなのですが…

 

●まとめ…これから母乳育児を考えている方へ

・誰もが十分な量の母乳を与えられるとは限りません

出ない体質、赤ちゃんがうまく吸えず飲めない、ママが病気で服薬する、など、母乳育児を希望する人も、そうならない場合も視野にいれておいたほうが良いと思います。

親や周囲が母乳で困ったことがないと、自分もできると思うかもしれませんが、そうとも限りません。

・「最初の1ヶ月」は要注意!

退院後1ヶ月までは、母子ともになかなか外出しにくいもの。ママ友と情報交換したり医師や保育士の助言を受ける機会も少なく、ついついスマホやPCで検索漬けになりがち。「母乳で育てたい」という強い考えのもと検索していると、赤ちゃんとママの実態に合っていない努力目標を設定しかねません。不安な場合は医療機関などに相談してみるのもいいと思います。

 

そして何より……

 

・目的を間違えないで
親の役目は、必要な栄養を与えることであって、なんとしても母乳で育てることではないと思います。

 

これから出産・育児される方の参考になれば嬉しいです。

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著者:さんしょ
年齢:36歳
子どもの年齢:2歳半

もと(一応)理系。印刷会社、広告代理店で約10年働き、出産を機に退職。現在は育児をしながら在宅でデザインと印刷ディレクションをしています。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。