断乳を決めたのは、娘が1歳半の時。
娘は生まれてから夜通し寝たことはほとんどなく、2〜3時間おきに目を覚ましてはギャン泣きしていたので、そのたびにおっぱいで寝かせていました。
そのせいか、1歳2カ月で前歯4本に虫歯が発生。
おっぱいをくわえたまま寝落ちするんだもん、歯磨きしても無駄ですよねえ……。
この頃の授乳回数は1日におよそ4〜5回。
虫歯の進行が気になるし、夜頻繁に起きなくなることを期待して、断乳することにしました。
前日
1カ月ぐらい前から言い聞かせていましたが、前日にもしっかり言い聞かせ。
母「(名前)はもうお姉ちゃんだよね。ご飯も自分で食べられるし、もう赤ちゃんじゃないね?」
娘「うん!」
母「じゃあ明日でおっぱいとバイバイね」
娘「イヤ!」
母「おっぱいは赤ちゃんが飲むものだよ。もう赤ちゃんじゃないでしょ? だからバイバイね」
娘「……うん」
当日(1日目)
朝食後に最後の授乳。
あとはとにかく退屈させず、気をそらしつつ、娘を「お姉ちゃんだねー」と褒めまくる作戦で過ごしました。
それと、その他の欲求(おやつ、抱っこなど)は基本すべて叶えるように努めました。 日中は多少愚図ることはあっても、「もうバイバイしたよね」「お姉ちゃんだもんね」と説得し、それ以上言わなければ「さすがお姉ちゃん!」「すごいなあ、お姉ちゃんだなあ」としつこいぐらい「お姉ちゃん」を連呼。
「お姉ちゃん」の意味を教えたことはないのに、1歳児なりに理解した上で「おっぱいがほしい」という欲求を自分で抑えていることに娘の成長を感じました。
そして20時過ぎにはコロンと就寝。
しかし夜中に何度か夜泣きし、おっぱいをせがみました。
夜は「お姉ちゃん」作戦がまるで効果なし。
結局1時間半ぐらい泣き、最後はおんぶでウロウロしたら何とか寝てくれました。
つらいのは娘だけではありません。
私は、乳首をおさえていないとビュービュー噴き出すほどかなり乳の出がよい方だったので、夜には胸がパンパンに張ってしまって痛いのなんの。
絞りたい気持ちを抑えつつ、ありったけの保冷剤を胸元に詰め込みますが張りは和らぐことなく、ほとんど眠れず……。
2日目
娘は時々、「おっぱい」というものの、あまりしつこくは言ってきません。
私は胸がガチガチに張って痛いので、出産した病院に電話で相談したところ、
「少しなら絞ってもいいけど、基本は3日までは放置、4日目に絞ります。それまでとにかく徹底的に冷やすこと! 入浴せず、食事は甘いもの脂っこいもの、汁物はダメ!」
との言葉に絶句。
3日間もこのまま!?
一方、そんな痛みを理解していない娘は、当然ながら抱っこを要求。
つらい思いをしているのは娘も同じなので、クッションを緩衝剤として挟み込み、娘が直接胸に触れることがないように気をつけて抱っこ。
それでも激痛です(涙)。
市販の頭痛鎮痛剤を飲んだら、少しマシになりました。
午後は、何度か利用していた保育園に登園(一時保育)。
私は断乳の影響で発熱したので横になりました。
とにかく胸が痛い、猛烈に痛い。
座るのも寝るのも歩くのもつらい。
「卒乳(断乳)は第二の出産」と聞いたことがあるけど、それも納得です。
陣痛並み、いや、陣痛よりもつらいです。
娘は帰宅後のおっぱい要求はあったものの、あっさりあきらめて夕食、就寝。
すでにおっぱいのことを忘れつつあるんだなあと思うと、うれしくもある反面、寂しく感じました。
うんざりしながら授乳してたけど、やっぱり授乳は母子にとって幸せな時間だったなあと……。
最後の授乳をもっとじっくりやるんだった、という後悔もあり。
娘の成長を目の当たりにして、母の方がしんみり。
3日目
最後の授乳から61時間が経過しましたが、あまりの痛みに悶絶。
体がしんどくて相手をしてあげられる余裕がないので、娘は朝から保育園へ(一時保育)。
横になりたいけどそれはそれで痛いし、もう何をしていても本当に苦しい、という状況。
家事なんてとても手がつけられません。
ご飯だけ炊いて、あとは夫にお任せ。
断乳するなら、夫が家にいられる連休を狙った方がいいです、絶対。
娘はまだ時々、膝の上に乗っておっぱいを要求してくるけど、「ないない」と言えばすんなりあきらめます。
もう少しの辛抱……ただひたすら時間が経つのを待つ毎日。
4日目
娘を保育園に送った後、出産した病院で念願のおっぱいマッサージをようやく受けられました。
この3日間、長かったー!
でも剣山で胸をギュウギュウ刺されているような猛烈な痛みに七転八倒。
アラフォーなのに痛すぎて涙が出ました。
痛みに耐えて体をこわばらせていたので、終わった後はぐったり。
でも胸の張りはかなり和らいだので、その点ではかなり楽になりました。
マッサージで母乳をピューピューと絞り出している間、「ああ、娘に授乳することは本当にもうないんだなあ」と、しみじみと寂しく思いました。
実のところ、確固たる決意で断乳を決行したわけではなく、娘が我慢できないようなら断乳を中止しようと思っていました。
つまり、娘を侮ってたわけですね。
でも娘は思ってた以上に成長していて、断乳をちゃんと受け入れて辛抱してくれました。
娘はもうすでに赤ちゃんじゃないとだと思い知り、帰り道にシクシク。
ホルモンの影響かも?
5日目
胸はまだ張りますが、生産量が減りつつあるようで、最初の4日間ほどパンパンではありません。
でもやはり抱っこはつらい。
娘は、昨日までは思い出したかのように「おっぱい」と言うことはあったけど、そういえばこの日は一度も言いませんでした。
おっぱいをほぼ忘れつつあるみたいです。
ああ、本当に終わりだ……。
胸の痛みももう少しの辛抱です。
その後も胸の張りは続き、約3週間ぐらいでようやく痛みがないぐらいまで落ち着きました。
娘はおよそ2週間で完全におっぱいをほしがらなくなりました。
マッサージを受けたのは計2回(断乳4日目と11日目)。
2回目も痛くて悶絶しました。
断乳によって変わったことことといえば、娘の体重が減ったこと(約1kg)と、昼寝の時間が短くなって生活リズムが変わったこと、前はいつもご機嫌だったけど愚図ることが多くなったことなど。
夜に頻繁に起きるのは相変わらず。
これはおっぱいは関係なかったみたい。
また、おっぱいを忘れさせるために日中たくさん遊んであげる必要があったので、私も毎日クタクタになりました。
断乳後は体力を使う機会が確実に増えます。
そして愕然としたのが、私の胸がビックリするぐらい垂れ&えぐれること。
Dカップだったのに、胸元のカップ上部がスッカスカ!
まさしく用済みといった感じの風情で、先にちょこんとぶら下がった干しぶどうが寂しいのなんの。
その後、胸の膨らみは1〜2年で多少戻りましたが、産後4年経つ今も垂れっぷりは健在です。
ちなみに生理は断乳してきっかり1カ月後に復活しました。
著者:ミラクル
年齢:40歳
子どもの年齢:3歳
母兼妻兼フリーライター。フリーランス10年目となる2011年秋に37歳で出産し、夫と子どもと猫の3人+2匹の生活に(最近さらに1匹追加)。妊娠中にスマホに記録していた日記のデータがすべてトンでしまったので、体験記はほぼ記憶頼り。日記はバックアップをとりましょう(涙)。家では膝の上に必ず猫か子どもがいるため、トイレすら気軽に行けないのが地味につらい毎日です。
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