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[虻川美穂子さん×森貴美子さん対談 第2回]育児本の通りにはいかない!? 超絶辛かった初めの3カ月間

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2015年2月に男の子を出産した虻川美穂子さんと、現在3歳になる女の子のママである森貴美子さん。月齢は違えど、小さな子どもを育てながら仕事もがんばるママ同士、妊娠や出産、育児について、思う存分語ってもらいました!

 

育児本の通りにはいかない!? 超絶辛かった初めの3カ月間

虻川さん:私は生後3カ月くらいまでが本当に超絶辛かったです。これまでの人生で赤ちゃんを抱っこしたこともないし、予備知識も全然なかったから。『産後は寝られないらしいよ』って聞いてたけど、どっかで『いや、私はちゃんと寝れるし!』って余裕ぶってたんですよ。でも実際にやってみると、本当に寝れないし、情緒不安定になるし、体は痛いし、得体の知れない物体(笑)がいつも近くにいてわけわかんないし。なんかもう全てが自分の範囲を超えてました。それに加えて、優等生な育児本を見てたせいか、本と違うことばっかりで、『なんでうちの子は全然寝ないんだろう』ってすごく追いつめられてました。

 

森さん:確かに、育児って人によって全然違うのに、本にはお決まりの“正解”だけが載っていることが多いですよね。

 

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虻川さん:そうなんですよ!本の中でお母さん軽やかに笑ってるし!どうしよう、私、全然笑えてない!見た目も汚いし!みたいなね(笑)。『目を合わせておっぱいをあげましょう』とか『授乳中にテレビはつけちゃいけない』とか書いてあったから、静かすぎる空間で覗き込むようにクワッと目を合わせたりしてました。真面目に実行してたけど、あれ、なんなんですかね(笑)。もっと肩の力を抜いて適当にやればよかったと、今では思ってます。

 

森さん:いや〜思い出しますね。産後すぐの途方もなく大変な感じ。産後1カ月くらいの時に金環日食があって、世の中はお祭り騒ぎだったんですけど、ちらっと見る気さえおこらなかったです。『こっちはそれどころじゃねーし!』みたいなね(笑)。私も3カ月までは本当に辛くて、周りの人からの『3カ月ごとに楽になっていくよ』っていう言葉を頼りに、指折り数えて生きてました。泣き声で深夜に起きても自分ひとりで孤独だったな。夫ってなんでギャン泣きしてるのに気付かず寝てられるんでしょうね…?

 

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虻川さん:わかるわかる!うちの旦那も朝方に『昨日は泣かなかったね〜』みたいなことを言ってくるんですけど『いや、泣いてるし!』(笑)。旦那としては、『少しは寝れてよかったね』っていう気遣いから優しい言葉をかけようとしてるんでしょうけど、それすら憎らしく思えました。体中の神経丸出しみたいな毎日で、ちょっとでも泣いたらハッ!って飛び起きて、帝王切開の傷が痛んで悶えたり。も〜どうかしてましたよね。困った時には友達にメールすることもあったんですけど、かといって人には全然会いたくもなかったですねぇ。

 

森さん:あ、それ、私もそうでした。友達は赤ちゃんが見たいって言ってうちまで来てくれるんですけど、当日になると気が重くて…。すっごく神経質になっちゃうんですよね。

 

虻川さん:私は4カ月くらいまでほとんど人に会わずに閉じこもってました。神経丸出しのまま息子と2人きりで向き合う日々。母乳外来に行ったら『お母さん疲れてるね。おっぱいも疲れてるから少し休んで』って言われたんですけど、休み方すらわからなかったです。まだ寒い時期だったから、息抜きするにもこんな小さい子を外に出したくないって思っちゃって。『せめてベランダに出て下さい』って言われて実際に出てみたけど、なーんの気分転換にもならなかったです(笑)。

 

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森さん:うちは裏が駐車場で、夜中の2時くらいに決まってバイクで帰ってくる人がいるんです。その人が帰ってくる音を聞くと、なんだかすごく嬉しかったんですよ。孤独で大変なこの時間に、私以外にも起きてる人がいるんだって思うと、それだけで救われるような気持ちになりました。あとは、いろんな人の育児ブログを読みながら『あ、おんなじ気持ちだ』って共感してその時期を乗りこえてました。

 

虻川さん:私自身も書くようになりました。大変な事って、客観的にみると笑えることもあって、私としてはこのあたふたも今だけという気持ちを込めて、記録のつもりで書いています。4カ月の頃、遊びに来た友達に『そんなにあたふたしたお母さん初めて見た』って言われて、『やっぱそうなんだ!』って改めて気付きました。でもそのおかげで『私は私でしょうがないから、このスタイルでやるしかないか』ってようやく思えるようになったんです。やっぱり人と会うことで気分が変わることもあるんですね。

 

森さん:大変なことも人と共有するだけで本当に楽になれますよね。私はちょうど同じ時期に昔からの親友が出産したので、育児について相談したり気分転換することもできました。

 

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虻川さん:近しい人とそういうやりとりができるのはいいですね。

 

森さん:1つの答えしか載っていない本よりも、生の声が一番自分の身にしみたというか。3カ月の時に区が開催してる赤ちゃん教室に参加して、同じ時期に出産したお母さん達と情報交換しました。同じ区内で家も近いので、一緒に児童館に行ったりしてますよ。

 

虻川さん:そっかー。児童館とかはまだ行ったことないんですけど、これから考えてみます。今現在育児進行中の人と気持ちを分かち合えるのは貴重ですよね。

 

虻川美穂子さん
埼玉県出身。1974年生まれ。お笑いコンビ「北陽」のメンバー。2010年にイタリアンレストランのオーナーシェフ・桝谷周一郎氏と結婚。2015年2月に第1子となる長男を出産。「ヒルナンデス!」(日本テレビ、月〜金11:55〜13:55)の木曜レギュラーとして出演中。

北陽 虻川美穂子オフィシャルブログ「はれ時々あぶ

森貴美子さん
神奈川県出身。1980年生まれ。17歳で雑誌『non-no』のモデルとしてデビュー。現在は『LEE』『nina’s』などの雑誌やCMなどで活躍中。2010年にカメラマンの掛川陽介氏と結婚。2012年に第1子となる長女を出産。

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2015年9月に出版した『森きみの毎日の家事が楽しくなるシンプル暮らし』(PARCO出版)は、掃除、片付けから、時短料理のテクまでシンプルな暮らしのアイデアが満載。

森貴美子オフィシャルブログ「モリキミニッキ

 

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

撮影/下林彩子 
スタイリング/野田奈菜子(アップワード)[虻川さん]、平林和男[森さん] 
ヘアメイク/石井織恵[虻川さん]、牧田健史[森さん] 
構成/相馬由子 取材・文/宇都宮薫

衣装協力[森さん]
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