昔から子どもが好きだったわけではなかったという魔裟斗さん。これまで全く知らなかった育児について、ゼロから吸収していきました。その心構えは格闘技と通じるものがあるそう。育児への姿勢や、子どもたちとの思い出づくり、パパからそそぐ愛情についてエピソードをうかがいました。
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――結婚される前から子どもは好きだったんですか?
僕の親が言うには、子どもの頃から小さい子は好きだったらしくて。そう言われてみれば好きだったな、と思うんですけど、大人になってからは子どもは実は苦手でした(笑)。よく泣くし、こぼすし(笑)。今は全く気にならなくなりましたね。子どもを持ってみて初めてわかることって多いじゃないですか。もうガラッと変わっちゃいましたね。
――意識が変わったんですね。
1人で遊びに行かなくなったし、昔より買い物もしなくなりましたね。自分のことより子どもに時間もお金も使ってあげたいなと思うようになりました。そういえば自分の親もそうだったな、と思い出しますね。
――育児についての知識は、本などで調べたりするんですか?
最初は何もわからなかったですけど、やっぱり興味があることなので調べましたね。格闘技と一緒ですよ。「どうすれば強くなるのか」とか、自分が興味を持ってることは調べるじゃないですか。育児も「どうすれば育てられるのか」ってことですから。本を自分で買ったり、知り合いからいただいたりして、よく読んでいました。ネットで調べることもあります。
――ネットの情報だと、不安な書き込みなども目に入りますよね。
ネットで調べて疑問に思ったことは、お医者様などに聞くようにしてます。自分で決めつけずに、「ネットでこんなの書いてあったけど、どうなの?」とよく話を聞いてます。妻が妊娠中の時には、健診のときは病院まで車で送って、中まで一緒についていくので、病院の先生とも顔見知りになって、色々なことを質問していました。不安に思ったことはプロに聞くのが一番ですよ。その方が遠回りにならないんで。
――パパ友から情報収集することはありますか?
僕のマネージャーに子どもがいるので、よく子どもの話はします。あと、パパ友……という感じじゃないんですけど、子どもがいる人との付き合いが多くなったなと思いますね。遊び方も変わってきて、昔はよくお酒を飲んでいた先輩も、今は子どもを連れて一緒にプールに行くようになってますから。健全になりましたよね(笑)。家族ぐるみの交流も増えましたし、やっぱり同じような環境の人と付き合いやすくなりますよね。
――ご家族で遠くまでお出かけされることはあるんですか?
今年の夏は静岡の川奈に旅行へ行きました。だいたい僕がどこか行きたいって言って、場所は妻に決めてもらってます。
――お子さんにとっても、家族旅行は良い思い出になりますよね。
子どもにはいろんな思い出を作ってあげたいですよね。旅行などの特別なイベントだけじゃなくて、パパと公園でよく遊んだなとか、プール行ったなとか、今はまだ覚えてないかもしれないけど、記憶に残っていたらいいなと。あとで写真で見て「そんなことしてもらってたんだ」と思い出したりとかも。これだけ愛情をあげたんぞ、というのを残したいですね。
――写真やビデオも意識して残されてるんですね。
そうですね。それがたぶん、この子たちが親になったときに、自分の子どもにすることになるのかなと。僕も父親にすごく遊んでもらった記憶があって、全く同じことを自分の子どもにもやってるんですよ。子どもに必要なのは愛情だと思っているので。愛情さえあれば、多少道が外れたとしても元に戻れることができるんです。それは僕自身経験したことなんで、愛情があれば、間違った方向には絶対行かないという自信がありますね。
――なかなか忙しくて時間が取れず、悩んでいるお父さんもいるでしょうね。
それをママがどう伝えるかが大事ですよね。うちは「パパはあなたのために働いてきてくれるんだから、今は疲れて寝てるのよ」って言ってくれるんですよ。ママから伝えてくれると、子どもも「パパってそうなんだ」って思うじゃないですか。そこでママがパパの文句や愚痴ばかり言っていると、子どもも同じように思っちゃう。ママがパパのことを好きなら、たとえパパが時間を取れなくても、子どもはパパのことを好きになると思いますね。
<<第4回へ続く>>
魔裟斗さん
千葉県出身。1979年生まれ。日本人初のK-1 WORLDMAX王者。2009年に現役を引退。引退後は、スポーツ解説者、タレントとして、TV、雑誌などで幅広く活躍。妻の矢沢心さんと夫婦でパーソナリティーをつとめるラジオ番組『笑顔のミナモト』(ニッポン放送、毎週木曜21:00〜21:20)を放送中。
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。
撮影/山仲竜也(Q+A) スタイリング/三島和也(Tatanca) ヘアメイク/山内勝博(レットイット) 構成/相馬由子 取材・文/井上マサキ