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[大渕愛子さんインタビュー第2回] マイナス思考の悪循環。気を張りすぎ、不安いっぱいだった妊娠初期

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昨年3月26日に第一子を出産した弁護士の大渕愛子さん。今回は、妊娠判明時のエピソードから、つわりがなくて不安を感じていた妊婦時代のお話まで、当時の思い出を振り返っていただきました。

 

妊娠しづらい体質だと言われ悶々とする日々。そんな時、まさかの自然妊娠で夫婦共に大喜び!

当時、結婚したばかりで、「いつかは子どもが欲しいけど年齢的なタイムリミットもあるし、どうしよう…」という思いがいつも頭の片隅に悶々と浮かんでいました。

そもそも、30代のはじめ頃、婦人科検診で「体質的に妊娠しづらいかもしれません」と言われたことがあったんです。なんだか男性ホルモンが普通の女性より多いとか?(笑)。やっぱり弁護士という職業柄、闘うお仕事なので、男性ホルモンが増えちゃうものなのかな?なんて妙に納得しちゃったんですけどね。

それ以来、「私は子どもを産みたいなら不妊治療しなくちゃいけないんだ」ってずっと思い込んでいました。夫にも結婚する時に、「子供はできないかもしれないけどいい?」と話してあったんです。でも、そういう思いはありつつも、日々の仕事に熱中するあまり、真剣に行動を起こしてはいなかったんですね。

そんなある時、1ヶ月半以上も生理が遅れていることに気づいて、夫に相談してみたんです。そしたら、「え?もしかして?」ってその場ですぐに、夫自ら妊娠検査薬を買いに走ってくれました。その時はまさか本当に妊娠しているとは思っていなかったので、陽性反応が出た時には夫婦揃ってすごく驚いたし本当に嬉しかったです。

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両親はとっくに孫を諦めていたので、せっかく妊娠の報告をしたのに、「なにを今更…」みたいな感じで、ちょっと嫌そうでしたね(笑)。私の多忙さを知ってる母は、自分が面倒をみなくちゃいけないと思ったらしく、「子育ては大変なのに」とか「私もう体力ないし」とか散々言われて、「なんで歓迎してくれないの?」って寂しかったのを覚えてます。

でも、妊娠直後はそんな調子だった母も、赤ちゃんが生まれてからはまるで変わりました。もうメロメロの溺愛状態で、すごくかわいがってくれてます。

 

「私、本当に妊娠してるの?」つわりが全くなく、変化のない体に不安を募らせた妊婦時代

私の場合、つわりが全くなかったんです。それらしきものを一度も感じたことがないので、つわりってどういうものなのか今でもわかってないくらい。おかげで妊娠中の体調はずっと良かったんですが、精神的な不安がものすごく大きかったです。 

つわりがあると大変だとは思うけど、ないとないで、妊娠前と何一つ変化を感じられないので「私は本当に妊娠してるの?」って不安になってしまうんですよ。そのうえ、初期の頃はお腹もあまり大きくならなかったので、「本当に大丈夫?本当にそこにいるの?」って毎日お腹をさすっていました。

夫はいつも「心配しすぎ。大丈夫だよ。」って言ってくれるんですけど、「なにを根拠にそう言えるんだろ」って逆に不安が増しちゃったりして。もうマイナス思考の悪循環にはまっちゃってましたね。

その時期は妊婦検診も月に1度だけ。次に検診に行ける日を心待ちにして、指折り数えていました。でも、無事に検診を終えた後、あと1ヶ月もの間、お腹でちゃんと生きてるのか確認できないなんて耐えられなくて、妊娠5カ月目にとうとう自分でお腹の赤ちゃんの心音が聴ける心音計を買ったんです。それでしょっちゅう赤ちゃんの心音を聞いて安心してましたね。心音計を買ってからは精神的にも安定していたと思います。

 

妊娠していることを周囲に言えず、1時間半立ちっぱなしで講演会!落ち込んで反省した帰り道

初期の頃は妊娠していることを周囲に言えず、1時間半くらい立ちっぱなしで講演会をやったこともありました。私自身、喋ってるうちに話に没頭して自分が妊娠していることを意識しなくなっていき、ハッと気づけば、机の角にお腹を押し当てて喋ってて、「やばい!赤ちゃんが苦しかったかも!」と大慌て。 

その帰り道はすごく落ち込んで、素直に「座らせてください」って言えばよかったと反省しました。妊娠を発表する前なので、仕事に支障をきたしたくないし、「なんにもないように振舞わなきゃ」って気を張りすぎていたんだと思います。今振り返れば、必要以上に自分だけで抱え込んじゃってましたね。

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そして安定期に入ったタイミングで、お仕事関係の方々にも妊娠を発表させていただきました。発表できてスッキリした反面、弁護の依頼者にはご心配をおかけてしまって心苦しかったです。出産期間中の引き継ぎをしっかりやることでご理解いただきましたが、それ以降は新規の仕事はかなりセーブして、既存の案件だけを丁寧にやっていくようにシフトしていきました。

 

夫と一緒に近所をお散歩。家族の将来を語り合った妊婦時代の幸せな時間

そんな何かと不安ばかりの妊娠中でしたが、楽しかった思い出もあります。妊娠中は、よく夫と近所を散歩していて、いつの間にかそれが日課になっていました。妊娠後期になっても赤ちゃんが高い位置にいて下がってこないから、「積極的に散歩をしてください」とお医者さんに言われてたんです。

二人でゆっくり歩きながら子どもの名前のことを話したりして、本当に幸せな時間でしたね。今となってはなかなかそういう時間が作れないから、思い返すとあの頃はすごく仲がよかったな〜って(笑)。あ、今でも仲はいいんですよ。でもやっぱりどうしても子ども中心になって、2人きりではまるで出かけなくなっちゃいましたね。

<第3回へ続く>

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大渕愛子さん
1977年8月12日生まれ。A型。東京都出身
2001年弁護士登録。東京弁護士会所属。アムール法律事務所の代表弁護士。大手法律事務所での9年間の実務経験を経て、2010年1月に独立。事務所内に「ウーマンズサロン」というカウンセリングルームを設け、男女問題を中心に、女性からの相談を幅広く受けている。

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。

 

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