私は無類のチョコレート好きで、普段は毎日チョコレートを食べています。
日に何度も食べることもよくあり、仕事のデスクの引き出し、キッチンの戸棚、バッグのポーチの中…とあらゆるところにチョコを常備。
コンビニに売っているチョコからデパ地下の高級チョコまで何でも大好きで、買い物に行ってはおいしそうなチョコを購入し、少しずつつまむのが日々の密かな楽しみでした。
そんな私にとって、バレンタインシーズンはまさにパラダイス。
どこに行ってもおいしそうなチョコだらけで、悩みに悩んで自分用と夫用を買うわけですが(夫用とはいえもちろん自分も一緒に食べること前提)、結局他のチョコにも目移りしてしまい、毎年何個もバレンタインチョコを購入…。
デパ地下にいるだけでもいい香りだし、毎年毎年バレンタインをエンジョイしていたわけです。
ところが、です。
第1子の妊娠が12月にわかった私は、その年の2月はがっつりつわり期でした。
食べないと気持ち悪いけど、食べたら半分ぐらい吐く、といったある程度しっかり症状のあるつわりだったので、毎日ぐったりでバレンタインどころではありませんでした。
すっかり忘れていたわけですが、ある日、渋谷駅で地下を歩いていると、漂ってくる香りにオエ…と吐き気が。
なんと、バレンタインのチョコレート売り場に並ぶチョコレートの匂いに反応していたのです。
普段はあんなに大好きな、あんなにいい香りのチョコレートがこんなにも気持ちが悪いなんて…。
妊娠すると味覚が変わるなんて言いますが、私はこの時に身を持って初体験。
チョコの香りが少しでもすると「うっ」と口を手でおおってしまうほどでした。
香りだけでこんな感じなわけですから、口に入れるなんて考えるだけでおぞましい!と思いました。
そんなこんなで、この年のバレンタインシーズンは地獄のようで、デパ地下にはあまり近づかないようにしていました。
私の人生の中で後にも先にも、もうこんなことはないと思います…。
ちなみに、チョコ嫌いはつわり期だけのものでした。
つわりが終わって安定期に入ったら、本当にある日突然、コンビニにあったなじみのチョコがおいしそうに見えて、久々に買って食べてみたら「おいしい〜〜〜」となり、あっという間に元通りのチョコ好き人間に戻りました。
返す返すも、もうあんなに苦しいバレンタインには二度と戻りたくないなぁ。
と思うとともに、妊娠しただけで大好きな食べ物が一瞬にして大嫌いになってしまうわけで、本当に不思議なものだなと改めて思います。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:野々山幸
年齢:36歳
子どもの年齢:3歳3カ月(娘)&1歳1カ月(息子)
ライター。芸能インタビューから美容・健康、恋愛、結婚、育児に至るまで、『女性が興味のあること』をテーマに書き続けて早15年。この4月から子どもたちが保育園に入園。2人育児と仕事の両立にてんてこまいな日々。写真は、子どもたちが生まれた時の体重&身長サイズの“おしんこけし”です★
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