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「この子は不健康なんだ!」 6ヶ月娘の体重が増えず、不安から”行き過ぎた行動”にでた私 by はなこ

生後6か月健診に娘を連れて行ったときの体重測定で、娘の体重があまり増えていないということが判明した。

前回の測定時である生後4か月頃までは順調に増加していたはずなのだけれど、その時点からほとんど増えておらず、乳児の平均体重を示す成長曲線と比べても、下のラインぎりぎりあたりまで落ちてしまっていた。

わたしにとってこれは衝撃だった。「体重が増えていない、成長曲線からはずれる」イコール、「普通じゃない、健康じゃない」という考えでいたから。

そして同時に不安で頭がいっぱいになってしまった。「この子は不健康なんだ!」と。

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体重が増えていないといっても、全く増えていないわけでもなく、成長曲線からはずれてしまったわけでもなかったため、医師から特別な指導はなく健診は終了した。

その後行われた地域の離乳食講習会で、わたしは娘の体重のことについて保健師の方に相談することにした。体重に関してはひとりひとり個人差があるから、と、明確な答えはもらえなかったけれど、「母乳不足が心配なら頻回授乳をしたほうがいい」や、「離乳食が順調なら、バターなどの高カロリーな食材を入れたらどうか」などの助言をもらい、参考にした。

 

不安な気持ちがつのるばかりのわたしがまず疑ったのは、「母乳不足」の可能性である。母乳のみで育てていたからだ。

「きっとわたしの母乳が足りていないに違いない。」

この考えが頭から離れなくなったわたしは、母乳不足を解消すべく、さまざまなことを試してみることにした。頻回授乳はもちろんのこと、こまめにマッサージをしたり、水分補給のために常にペットボトルを持ち歩いたり、母乳の分泌を促すというハーブティーを飲んだり。夜間も娘が起きるたびに必ず授乳すると心に決めた。その頃ちょうど夜泣きが始まっていた時期でもあり、30分ごとに起きるということもザラだったが、わたしはそのたびに娘に何度も何度も授乳し続けた。

いいかげん体力も限界に近づいた頃、「母乳不足には頻回授乳がいちばん」という情報を見聞きするたびに、「じゃあわたしは一体いつ寝ればいいんだよおおおおお!!!!!!」と、もはや発狂寸前の状態で怒っていた。いや、もうとっくに発狂していたのかもしれない。

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母乳へのこだわりがなかったわたしは、娘に粉ミルクを飲ませることにも挑戦した。…が、母乳に慣れきった娘はミルクを激しく拒否した。

それでもわたしはなんとか娘にミルクを飲ませようと、試行錯誤する。粉ミルクのメーカーを変え、アレルギー用のミルクやフォローアップミルクも試してみたが、どれも全滅。ならば哺乳瓶を変えてみようと、これもまたさまざまなメーカーのものを試してみたけれど、娘が気に入るものはひとつもなかった。

なんで?なんで?なんで?なんで?なんで飲まないの??????

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答えの出ない問いが頭の中をかけめぐる。

もうどうすることもできないと追い込まれてしまったわたしは、ミルクをゼラチンで固めて離乳食といっしょに食べさせるという手段にでた。もはや執念としかいいようがない。結果としてはやはり全く食べなかったけれど。

 

わたしはひとえに「安心」したかったのだ。この、不安で不安でしょうがない自分の気持ちを、ただただどうにかしたかったのだ。

 

このようにミルクは断固拒否、母乳も増えたんだか増えてないんだかよくわからない暗中模索状態の中、娘の体重がまた徐々に増え始めた。そして生後9か月になる頃には、また成長曲線の真ん中あたりにまで戻ってきたのだ。

再び体重が増え始めた要因についての明確な心当たりはなかったけれど、真っ暗になっていたわたしの心の中に光が差したのは事実である。

底知れない不安の波から少しだけ解放され、ここでふと、わたしは立ちどまって考える。

この数ヶ月間、娘はほんとうに「不健康」だったのだろうか?

 

わたしが不安な気持ちでさまざまな行動を起こしている間も、娘はいつも通り、よく動き、よく食べ(好き嫌いはあったけど)、そしてよく笑っていた。顔色や体調、排泄に関してもとくに問題はなかった。

わたしは「体重」という数値ばかりに固執し、何やら大事なものを軽視してしまっていたように思う。

目の前にいる娘自身のことを、わたしはしっかりとこの目で見ることができていたんだろうか?

「娘の体重が増えていない」という出来事から生まれた不安や罪悪感が、わたしに色眼鏡をかけさせ、それによって「この子は不健康である」と勝手に頭の中で決めつけてしまったのではないだろうか?

はいはいで動き回るようになると、動きが活発な子の場合は一時的に体重がのび悩むこともあるらしいと、保健師の方からも聞いた。娘の場合もそうだったのではないか?

体重という目に見える数値は、赤ちゃんの健康状態を把握するうえでとても重要なもの。けれども、それだけで全てが決まるわけではない。目の前にいるその子自身の状態をしっかりと見て、多角的に判断することが大事なのだ。

冷静になって考えてみると、夜中30分おきに授乳したり、娘に無理やり(ゼラチンで固めてまで!)ミルクを飲ませようとしたりしたことは、少々「行き過ぎた行動」だったように思う。泣きながらミルクをイヤイヤする娘に哺乳瓶を近づけるわたしは、きっととても恐い顔をしていただろう。

「医師から特別な指導はなかった」「成長曲線から大きくはずれたわけではない」「離乳食は順調だった」などの状況を加味すれば、そこまで思いつめるようなことではなかったのかもしれないと、今になって思うのだ。

「ここにないもの」を追いかけすぎて、「ここにあるもの」をまったく無視してしまっていたのだと、少し反省する。

 

わたしはこの件で、自分がいかに容易く不安に飲みこまれ、目の前のものが見えなくなってしまうかを知った。今後また娘に何かあったとしたら、わたしはやはりパニックになるだろうし、冷静に考えたりできる自信だってない。

けれども、少なくとも、「わたしが自分の不安を拭い去ること」と「娘の不調を取りのぞくこと」は、カタチは似ているけれど全然イコールではないということはわかった。今回のことは、わたしの「自分の不安を拭い去りたい」という気持ちが先行しすぎて、「娘の不調を取りのぞく」という本来の目的が置き去りになった結果うまれた行動だと思うから。

そのことを忘れずに、これからもわたしは娘に寄り添い、彼女のことをまっすぐに見つめたいと思う。

>>>次回のエピソード:40℃近い発熱でぺろんぺろんになった姿にパニック!私と娘の長い長い1日。

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著者:はなこ
年齢:28歳
子どもの年齢:3歳

2012年生まれの娘を持つ1児の母。娘との日常を描いた はなこのブログ。や はなこの約4コマブログ  を運営し、日々くだらないことばかり書いている。重度の親バカ。 また、自身の育児体験を活かし ママと赤ちゃんの産後MEMO にて産後のママのための情報も発信中。

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