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”イクメンホルモン”!?オキシトシンのすごい効果!NHK「ママたちが非常事態!?2」を見て by kikka303

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3月27日放送のNHKスペシャル「ママたちが非常事態!?2」を見た。

1月31日に放送した第一弾では、育児のつらさを科学でひも解き、「ママが悪いわけではない。科学的な理由があってつらいのだ」というところで番組が終わっていたため、視聴者からは「原因はわかったけど、なにか対策はないのか」との反響が大きかったようだ。

また、男性ゲストから、育児参加をほとんどしていない旨の発言があったため、ネットでは炎上も……。

そこに、満を持して登場の第二弾である。

 

人見知りやイヤイヤ期はどうして起きるのか。その原因と対策 

番組の前半は、人見知りやイヤイヤ期など、子どもの『困った!』はどうして起きるのか、その対応策はないのか……を、脳科学の視点で切り込んだ。

「ロジックはわかった、だが我々がほしいのは実践の知恵だ!」という、母親たちの心の叫びに、NHKが呼応した形になった今回の放送。

人間の赤ちゃんは他の動物に比べて脳が未熟なまま生まれてくるので、脳が育てば解決する。自ら我慢ができるように繰り返し促していく……という気の長い話が紹介されたが、

「でも余裕が必要。忙しいとつい怒ってしまう」。

激しくうなずきたくなるような発言をしてくれたのは、出演者の恵俊彰さん。

番組は、ここでもしっかりと、すぐできそうな対応策を教えてくれた。

「時間があるときに少しずつでもやればいいんです」
「ダメ!の代わりになにか買ってあげるのでも、短期的にはいいんです」

育児関係の番組や本を読めば「そりゃ時間も金も余裕があるからできることですわ!」とひねくれたことも言いたくなる回答のオンパレードのなか、今回の番組は、すぐ実践できそうなヒントも多く、「今つらい!」という方にも救いになったのでは。

 

“イクメン”は作れる! 『子育てホルモン』オキシトシンのすごい効果

さて、後半は今回のメインとも言える『男性の育児』について。

3人のパパとなり、イクメンキャラが定着してきたユージさんは、哺乳瓶を洗う、子どもをお風呂に入れる、おむつ替え、夜泣きの対応などをこなす、自他ともに認める“イクメン”。対して、4人のお子さんがいる恵さんは「抱っこ以外は何もしていない」という、“イクメン”からは遠い存在……。

VTRには子どもの世話をよく見ており、“イクメンです”と語るお父さんが登場。

しかし、奥さんから見るとまだ気づかないところがあり、いらいらしてしまうのだとか。

食事の様子をモニタでチェックすると、たしかに、子どもの様子を常に気にかけているお母さんと、黙々と自分のご飯を食べ続けるお父さん……。

女性の脳は子どもの泣き声に敏感にできているといい、これはお母さんだから持っている脳機能。この、子どもの泣き声への反応の速さの違いがイライラの原因である……と紹介された。

 

ここでお恥ずかしながら、我が家の事例である。

実は、私は寝たら全く起きない。

子どもが産まれたら多少は変わるかと思ったものの、これがびっくりするほど、子どもの夜泣きに気づかない。

現在は5歳と1歳の子どもが二人いるが、どちらの子も、ほとんど夜中は夫が対応し、夫の『ワンオペ育児』によって育ったと言っても過言ではない。 

では、夜泣き対応する我が家の夫と、夜泣きに気づかないお父さんとは、脳の作りが違うのか?

番組では、その回答になるような、男性が育児脳になる方法が紹介されていた。

男子学生に赤ちゃんを抱っこさせる実験では、週1回2時間のケアを3ヶ月続けることにより、脳の、子どもに愛情を感じる部分などに変化が見られた

男性も育児参加で父親としてのスイッチが入り、父性がはぐくまれる。

子どもに近い距離で生活をしていると、女性に近い脳の反応が出てくるという。

 

また、「15分間我が子と触れ合うと、愛情ホルモンと言われるオキシトシンが男性からも検出され、同時に赤ちゃんのオキシトシンも増加する」という、イスラエルの実験結果が大変興味深い。

父子のオキシトシンが増えることで、愛情や絆が深まるというのだ。

 

オキシトシンを用いた実験はドイツでも行われた。

そちらは、既婚男性30人を集め、オキシトシンの入ったスプレーを吸った男性の方が、独身女性が近づいてきた時にストップをかけるのが早まるという結果が出ている。

つまりこのオキシトシン、子どもや妻への愛情は深まり、浮気防止にもなるというのだ!

オキシトシンは、抱っこなど、肌のふれあいで最も効果的に出るという。だが、人間の場合は、見つめ合うだけでも出すことができるそうだ。

「育児は抱っこしかしていない」という恵さんであったが、結果として“抱っこでみんながハッピーになっていた!”というオチに。

 

 

第一弾を見ていなかった人にもわかりやすく、ダイジェストを交えて進めていった今回。

前回、見終わったあとに残ったザワザワ感は壮大な前振りだったのか!と、個人的にはすっきりしたのであった。

狩猟民族の名残で、女は育児、男は狩りというふうに人間はできているのだ!と長年言われてきた。

脳科学でも、その部分は否定をしないまでも、子どもと接し方が密であればあるほど、男性だって『育児脳』に変化できるということが証明されたのは(そしてNHKでそれが放送されるということは)、すべての「いま育児で行き詰まっているお母さん」たちには朗報だと思われる。

また、実験に参加することで、「自分の子どもも欲しくなりますね」と語った男子学生。この気持ちの変化のインパクトは大きい。

赤ちゃんを抱っこする機会がもっと頻繁にあるならば、子どもを持ちたいと思う若年層は増えるのではないかと思った。

<<人類誕生から700万年経ち、「共同養育」が難しくなっている現代社会では、新しい育児のスタイルを模索する時期に来ている。>>

番組内で触れられていたこの件、現代の少子化や待機児童問題を考える上でも、実は重要なポイントになっていくのではないだろうか。

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著者:kikka303
年齢:39歳
子どもの年齢:5歳・1歳

1976年東京生まれ、都立北園高校出身。東京モード学園に進学するもインディーズブランドブームにのって学校を中退、以降フリーランスのデザイナーとして活動。その傍ら、複数のテレビ局にてデジタルコンテンツを担当。2010年に結婚&出産。現在は都内某所にてWEBディレクター職についている。超イクメン夫、チャラい長男、食いしん坊な次男との4人暮らし。

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