初めての育児を振り返ると、すべてに全力投入でした。
「息子を守れるのは母である私だけ。息子を一番理解しているのは私。息子が安心するのは私に抱かれている時だけ…私と息子の間には誰も入り込めない!」。
そんな気持ちで、ずっとずっと息子と向き合っていました。
「息子のお世話は当然、私が一番上手に対応できる!」と自信を持っていましたが、ある時からその自信は見事に崩壊。
自分にイライラし夫に八つ当たりし、しまいには…大事な息子にまでイライラするようになってしまったのです。
きっかけは、”寝かしつけ”が上手くできなくなってきた事でした。
生後2ヶ月頃になると起きている時間が増え、眠そうにしているのに、なかなか夜の睡眠に入ってくれない。
今までは母乳を与えれば、すぐに眠ってくれていたのにそうはいかなくなってしまいました。
「息子ととことん向き合おう」としていたので、自分の時間は息子が眠ってからの夜の時間帯だけ。
日中やりきれなかった炊事、洗濯、掃除を早く終わらせたい!自分も少しでも睡眠をとりたい!そう思えば思うほど、息子は寝てくれませんでした。
ところが、そんな息子は夫に抱かれると、「さっきまでの私の苦労は何だったの!?」と言いたくなるほど、すんなり寝てくれるのです。
「パパの抱っこだと安心してすぐ寝ちゃう」と言う、夫の言葉が、ずっと私の頭の中をめぐります。
「何で?私の方が息子は安心するに決まっている!」
「朝から晩まで、毎日ずっと一緒にいるのは私だよ?お世話だって私がしているじゃない!!」
夫が寝かしつけてくれると助かるのに、その時の私は素直な気持ちで夫に感謝できませんでした。
寝かしつけが上手くできない自分にイライラし、夫がすやすや眠る息子を抱いているのが悔しくて…息子が私を拒否しているかのようで悲しくなり…。
本当にそんな些細な事がきっかけで感情が爆発し、布団の中で泣くことが度々ありました。
今思えば、「早く寝てほしい」という私の焦る気持ちが息子に伝わったのかもしれない…、母乳の匂いがすると赤ちゃんは寝ない時があるとかないとか…、夫の大きい腕の中の方が安心する…いや、本当に夫の方が抱っこが上手なのかもしれない…。
寝かしつけなんて夫に任せてさっさと自分のやりたい事を終わらせてしまえばいいだけだったのに、自分の余裕の無さと情けなさに笑えます。
「寝ないなら時間なんて気にせず起こしておけばいいよ!」「掃除や洗濯なんて毎日やらなくても問題ない!」…夫や実母、保健師さんにも言われていたのに、その時の私には全く響かず、やっとそう思えるようになったのは息子が6ヶ月になった頃。
私は一体どこに労力を使っていたのだろう…。
その後も上手くいかない事なんて山ほどありました。
その度に自信をなくし泣きました。
初めての育児のくせに変な自信とプライドを持っている事が間違いだったのだと思います。
ただ、泣く事は私のストレス発散になっていました。
泣くとイライラも少しおさまり気持ちもスッキリとしました。
頑張り過ぎの力を抜く良いきっかけになるのかもしれません。
現在、3人目の子供が1才4ヶ月になりました。
この子の寝かしつけは生後すぐから夫の役割です。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:武村 美奈子
年齢:35歳
子どもの年齢:9歳、4歳、1歳
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。