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幼児用ハーネスを使っていた私に、あるおばあちゃんがかけてくれた意外な言葉 by イシゲスズコ

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はじめましてスズコです。

九州の片田舎で、小6、小5、小3、5歳と4人の子どもを育てています。

 

ハーネスとの出会いは12年前

私が、育児用ハーネスを初めて見たのは12年前に長男が産まれて少しした頃。ミツバチや天使のはねがデザインされた可愛いリュックにリードがセットできるタイプのものや、シンプルなものなど数種類あったのを憶えています。

よちよち歩きを始めたばかりの長男を連れての買い物で、目も手も離せないことが多かった私は1つ購入。その後友人がプレゼントしてくれたものや母が作ってくれたものも含め、3つのハーネスを持っていました。

 

犬の散歩みたい?

ハーネスを使い始めて、ふと、「これって犬の散歩みたいに見えるのかなぁ」と思いました。リードをピンと張らせてしまうとひっかかって危ないのでなるべく手を繋いだり、紐がたるむ程度の距離を保つようにしたりと配慮はしていましたが、まだ初産のあとで精神的にも色々不安定だった私にとって「誰かになにか言われたらどうしよう…」という気持ちがどこかにありました。

 

「まー、そんなものあるのね」

そんな不安もありつつも、次男を妊娠したこともあり、大きなおなかで長男を追いかけるのは至難の業と安全のためにハーネスを使っていました。

とくにスーパーのレジで両手を離さねばならないときに、ハーネスはとても重宝しました。

カートに乗りたがらないときや座席が低いタイプのカートから脱走してしまうこともあったので、リードがなければ手を繋いで片手で支払いをするか、両足でホールドして動かないようにしておかなくてはなりませんでした。

あるとき、長男にハーネスを装着してリードを腕にかけて支払いをしていると「まー、いまはそんなものあるのね」と背後から声が。何か言われる!と反射的に思ったのですが、振り返ると見知らぬおばあちゃんがニコニコしながら立っていました。

 

おばあちゃんがかけてくれた、意外な言葉

「可愛い迷子紐があるのねぇ、今は色々便利なものがあっていいわねえ、昔はただの紐でくくってたりしたものよ…」とちょろちょろする息子に目を細めながら話してくれました。

別れ際におばあちゃんが「おなかが大きいのにひとりで連れて来てお買い物するの、大変ね。えらいわね。がんばってね」と息子の頭をなでてくれて。

「何か言われるかもしれない」とおどおどしていた自分が少し恥ずかしくなって、そしてじんわりうれしかったのを憶えています。毎日のお買い物なんて当たり前すぎて誰もほめてくれなかった。

ハーネスを使って、やっとなんとかこなしていた私の買い物は確かに振り返ればとても大変な作業で、でもそれを考える余裕も無く必死で毎日を過ごしていて。

そんな中でハーネスを通して声をかけてくれたおばあちゃんの優しい一言に、毎日のがんばりが少し報われたような気持ちになりました。

 

おわりに

わが家のハーネスはもうお役目を終えて、今はリードを外して末っ子のリュックになっていたり、友人におさがりしていたり。

私はもう卒業してしまったけれど、ネットやテレビでたびたび話題になっているのを眺めながら、使用している人たちに対する冷たい視線や心ない言葉にわがことのように胸が痛むこともあります。

危険を避け安全に留意しながら上手に使えば子供の命を守り、保護者の負担も減らすことのできる便利な道具、育児用ハーネス。私に声をかけてくれたように肯定的にとらえてくれる先輩もきっとたくさんいるから、必要を感じたら迷わず使ってみて欲しいなと思います。

私もあんなふうに育児中のお父さんお母さんにあったかく声をかけられるような年のとり方をしていきたいなぁと思った、そんな出会いでした。

>>>次回のエピソード:ガミガミ言わなくても子どもたちが動く!時間を守る! タイマーの不思議な作用

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著者:イシゲスズコ
年齢:38歳
子どもの年齢:小6・小5・小3・5歳

九州の片田舎在住、ぼちぼち働く4児の母ブロガー。生活のなかで出会ういろんなことをあれこれ考え込んだブログ「スズコ、考える。」を運営。Twitterの男児育児あるあるをまとめた共著「#アホ男子母死亡かるた」(アスペクト)がある。

ブログ:「スズコ、考える。」

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