初めての妊娠。つわりや体調不良に悩まされながらもなんとか仕事を続けてきました。7ヶ月に入りお腹もふっくらしてきて、胎動もよく感じるようになった頃。産休まで残り2ヶ月を切って、お休み中に職場に迷惑をかけないよう残業をこなす日々でした。
ある日、残業でいつもより帰宅が遅くなり、電車の時間が迫っていたため、慌てて職場を飛び出しました。
駅への道は、車が行き交う交通量の多い道路を渡ります。ただでさえ車の多い道路、残業を終えた時間はちょうどラッシュアワーの時間にあたり、車が連なって渋滞になりかけていました。
私は、お腹が大きいことも忘れて、小走りで駅へ向かっていました。
その車の行き交う道路を渡るために走り始めた時、何かにつまずいたのか足がもつれ、なんと道路の真ん中で転倒!
転んだ瞬間、頭が真っ白に・・・。
「プップー!」という車のクラクションで、はたと我に返り歩道まで渡り切りましたが、転倒した際に手と膝を打ったため、手の平は血が滲み、破れたタイツの両膝から血が出ていました。
私は安定期とは言え、思い切り転倒したことで「お腹の赤ちゃんに何かあったら・・・」と気が動転して、しばらく歩道で立ちつくしていました。転んだだけでも流産することもあると聞いていたので、気が気ではありません。
なんとか気持ちを落ち着けようと、お腹をさすりながら母親に電話をしました。
「実は今道路を渡る時に転んでしまって・・・」と震える声で説明しながら、内心不安で仕方がありませんでした。
母から「お腹やお尻を打ってなければ大丈夫だと思うよ。でも心配だったらお医者さんに今からでも行く?」と言われ、転んだ状況を思い出し、少しずつ落ち着きを取り戻しました。「そうだ、帰りの電車の中で胎動を確かめてみよう」と思い、一旦電話を切りました。
その後、念のために主人にも電話を入れました。「大丈夫?」と心配してもらえると思っていましたが、主人からは「妊娠しているって自覚があるの?!自分だけの身体じゃないのに、どうして走ったりするんだ!」と叱られ、「どうしてそんなに責められなきゃいけないの」と、泣いてしまいました。
帰りの電車は自己嫌悪で半べそになりながら、なんとか譲ってもらえた席に座り、ドキドキしながらお腹に手をあてて胎動を待ちました。
すると「どん!どん!」と赤ちゃんは元気いっぱいにお腹をキックしてくれました。張りつめていた緊張がふっとほどけたのを今でも覚えています。それでもその日は不安で仕方なく、ずっと胎動を確かめていました。
その数日後、妊婦検診でもお医者さんに診てもらいましたが、特に問題ないことがわかり、やっと胸を撫で下ろしました。
妊娠中にも関わらず、走ったり残業したり、命を預かっているという自覚が足りなかった自分を深く反省しました。お腹の赤ちゃんが私に「無理しないで」と教えてくれたような気がします。それからは仕事もセーブし身体を労りながら、残りの妊娠期間を過ごしました。
今でもあの時大事に至っていたら・・・と思うとゾッとする思い出です。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
妊娠時期別記事
著者:mint
年齢:30代
子どもの年齢:3歳 0歳
外国人のパパと二人の女の子の子育てに奮闘している、現在育児休暇中のママです。バリバリ仕事をしていた20代も懐かしいけど、パワフルな子供二人に毎日ヘトヘトになりながらの毎日は楽しく幸せです。
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