前回までのざっくりとしたあらすじ…
キラキラ産婦人科医:「麻酔はどうしても痛みに耐えられなくなった時に打つもの」
「予約をしなくても麻酔は打ってもらえる(麻酔科医は常駐している?)」
「心配すんな」
初産なワタクシ:「ま、まじでそんなに適当でええんか?しかし医師の言葉やし…」
…ベルギーに来たててあることと初産だったのと、そして生来の「言葉の額面通りを信じ込む」という性格のおかげで悲劇が起こった。
そう、私は産科医の言葉の通り、痛みの限界マックスまでガマンをし、それから麻酔の先生を呼んでしまったのである。
初めから痛みとともに出産するという覚悟をもって陣痛を耐えるのと、覚悟ナシで挑むのとではかなりメンタル的に違っていて、私は海で突然溺れた人のように「無痛のハズが」「無痛のハズが」とつぶやきながら痛みを逃がしきれずにバタバタした。
ワラにもすがるような気持ちで夫にしがみついたが、夫も無痛分娩だと思ってなんの準備も知識もないまま尾骨を押すことになって軽くうろたえていた。
…よせては返す陣痛のさざなみに、返す返すもバタバタするしかなかった初産。
どうしてこうなった。
どうしてこうなったと自問自答を繰り返した。
果ては痛みを止めるためなら死んでもいいみたいな心境になったころ、麻酔科の先生がやってきて「これから書類を用意するから」と言った時には「お前にも同じ痛みを味あわせてやろうか」と殺気だったりもした。
そうそう、無痛分娩の麻酔は脊椎にぶっとい注射を打つ、運が悪ければ後遺症が残る可能性がある注射のために同意書が必要なのである。
そしてそれは結構な枚数にサインをしなければならず、すでに痛みに溺れて2時間経過した状態でそれを行うのは…お察しください。
…何も知らないって本当に怖いですね。
というわけで「無痛のハズが有痛だった分娩」のお話でした。
>>>次回のエピソード:あれ?麻酔で力が入らない・・・!イキめずパニックになりかけた、無痛分娩出産記
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:さとえみ
年齢:35歳
子どもの年齢:3歳5歳7歳
大阪生まれの大阪育ちで似顔絵師をやっていましたが、今はフランダース地方で白目むきながら三姉妹の母をやっております。日々の生活に追われながらも絵を描くことだけは忘れたくないと時間短縮のためにたどり着いたのはiPad miniでブログ絵を描くこと。考え方のまるで違うシロクマ似の旦那様と元気いっぱいの三姉妹に囲まれて、「パトラッシュ…もう疲れたよ…」と言いながらもブログを更新しております。
ブログ:フランダースの三姉妹
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