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赤ちゃんを抱え「助けて」と泣き叫んだ…里帰り後、新居での生活で孤独に襲われる

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出産後、実家で約二ヶ月間過ごしました。

里帰りが長引いた訳は、丁度主人の異動で引越しをしなくてはならず、新居に行くタイミングで私と赤ちゃんも移動しようということになったのです。

実家は日中は誰もおらず、一人で赤ちゃんのお世話をしていました。

主人は仕事が忙しく、育児を手伝うことは期待できない。

そのため、引越しても状況は変わらないから、何とかやっていけるだろうと思っていました。

 

しかし、実家を出る当日、とてつもない不安に襲われました。

両親という、心から信頼でき助けを求めることができ、弱音を吐くことができる存在、また赤ちゃんを可愛いとあやしてくれ認めてくれる存在が、すぐそこには無くなってしまうことに気づき、心細くなってしまったのです。

結婚前は一人暮らしもしていたのに、こんなに実家から離れることが寂しくて悲しいと感じるなんて、思ってもいませんでした。

 

主人が新居まで車を走らせてくれる中、私はずっとボロボロと涙を流しました。

私、この先、赤ちゃんと二人きり。やっていけるのかな…。

その日は泣き続けたため、とても疲弊してしまい、新居に到着し 後早めに就寝しました。

 

やがて朝になり、主人を送り出します。新居での一日が始まりました。

窓から見える空を眺め、授乳をしていると、途端に涙が溢れます。

“どうしたの?私…いつもの朝と何も変わらないじゃない。いつもみんなを送り出したら、赤ちゃんと二人きりだったじゃない。何も変わらないよ。洗濯をして、買い物をして、ごはんを作って、赤ちゃんをお風呂に入れて、赤ちゃんと遊んで、授乳して、寝かしつけて…いつも通りにやればいいんだよ…”

思えば思うほど、涙が溢れます。

“あぁ、両親は近くにはいないんだ。誰も助けてくれない。この街のこと、何も知らない。どこにスーパーがあるのかも、どこに駅があるのかも、どこに何があるのか知らない。知っている人は誰もいない。知っている風景は何一つない。知らないに溢れている。私、赤ちゃんと二人きりだ…”

 

マンションの一室に閉じ込められているような気持ちになり、この世界には二人しかいないのではないかと思うほど孤独感に襲われました。

言葉では表すことができないほどに。胸がキューっと苦しくなりました。

赤ちゃんを抱きかかえ、声をあげて、いい大人が泣き叫びました。誰が助けて…。

“日中に電話に出てくれる人なんていないよね”

…必死に携帯の電話帳を探ります。

 

“この人なら…!”

助産師の友人が、仕事を正社員からアルバイトに変更したと先日話していたのを思い出し、電話をかける。

“お願い、電話に出て!お願い…!”

心の中で叫びます。

 

「もしもし~?どうした?」

…つながったのです。

そして友人に泣きつきました。

 

友人は助産師であることもあり、産後の精神状態や子育ての大変さはもちろん、引越しの大変さ、孤独感、全てわかってくれました。

友人には用事があるのに、今から家に行こうか?とも言ってくれました。

さすがに申し訳ないので断りましたが、長い時間友人に電話で話しているうちに、不安が和らぎ落ち着くことができました。

“私は一人じゃない、助けてくれる友達がいる、主人もいる、遠いけれど両親もいる、赤ちゃんもいる。私、大丈夫だ…”

 

出産を機に、改めて自分が周りの人に支えてもらって生きていることを実感しました。

家族や友人だけではありません。

街に出ると、電車の席を譲って下さる方や、声をかけて下さる方が沢山います。

その気持ち、一つ一つがとても思いやりに満ちています。

だから私は、周りの人に感謝を伝えることを忘れないようにしています。

思いやりを感じたら、親切にして頂いたら、感謝の言葉を伝えるようにしています。

 

人は優しい。出産、子育てを経験しなければ、もしかしたらわからなかったことかもしれません。

私が周りに支えられているように、私も誰かを支えてることができるように、毎日を頑張って生きていきたいと思います。

著者:あなさん

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