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572gで誕生した我が子。26週、いつもの定期検診のはずが緊急帝王切開に

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26週4日。いつもどおり9時~17時の仕事を終えて、たまたま仕事が休みだった主人に車で迎えにきてもらい、帰り道に定期検診のため産婦人科に寄りました。

 

最初にお腹わまりの大きさをメジャーで測るのですが、1回測ったあと先生が、え?という感じでもう1度測りなおしました。その後少し考え込む仕草をされて、胎動や体調などいつもと変わりないかと聞かれました。

特に私に変化はなく、胎動も感じでいたので、初めてのことだしこんなものかと思っていることを伝えました。

 

先生によると、前回の検診から大きさが変わっておらず、週数にしてはかなり小さめとのこと。

詳しくは話してくれませんでしたが、この産婦人科は個人院だったためこれ以上詳しい検査ができないので、大きな病院で診てもらってください、ということで新生児病棟のある病院に急いで連絡を取ってくれました。

 

その場所から一番近い大きな病院が受け入れてくれたので、今すぐ行ってまず必ず入院になる、最悪は今日出産になるかもしれない…と言われながら、主人の運転でその病院へ行きました。

道中はわけがわからないまま混乱していましたが、このストレスが赤ちゃんに伝わってはいけないと思い、大丈夫大丈夫と無理やり言い聞かせながら自分を落ち着かせました。

 

大きな病院に到着すると、たくさんの先生と看護師さんが待ち受けていたことに驚きながらも、案内されるままエコーや心音の確認など数十分くらいしてもらいました。

そして先生が、「赤ちゃんが苦しいサインを出しているので、ちょっと早いけどお外に出してあげましょうか」と、今すぐ帝王切開になることを伝えられました。

入院の覚悟はしていましたが出産とは思っていなかったので、さすがにパニックになりました。

 

その後は服を着替えさせられたりいろんな書類にサインしたり、主人が家族に電話してくれたり、混乱していたのであまり記憶がありませんが、手術室に入った途端、現実が襲ってきた感じで急に恐怖でいっぱいになりました。

でもそんなことは言ってられないまま手術が進み、開始から10分もしない内に赤ちゃんがお腹から取り上げられた感触がありました。

 

蚊の鳴くような小さな小さな声が2、3度聞こえた瞬間、手術室で私と看護師さんたちの喜びの声があがりました。

でも急いでNICUに連れて行かなければならないため、顔も見れないまま赤ちゃんが先に出ていき、30分以内には私の手術も終わったようです。

 

主人と一緒に病室に戻り、そのあと私は安静にしないといけないので赤ちゃんに会えるのは明日と言われ、主人だけ説明のためにNICUへ行きました。

夜も遅かったので主人は帰り私は寝たのかどうかもよくわからないまま次の日になり、傷口の状態や体調が良かったので車椅子でNICUへ連れて行ってもらいました。

 

いくつかの保育器が並んでいる中、一番奥の方で息子がうつ伏せで手足を縮めて寝ていました。

小さくガリガリの体中に管が通っていたりシールが貼られていたりで、触れるのは背中の真ん中あたり、指1本で撫でれる程度でした。

体重は572gでした。ピンとこない数字で、最初はそれに関してはどう捉えたらいいのかわかりませんでしたが、小さな体にいろいろなものが付けられている姿がとにかく痛々しくて、自分のせいでこんなに小さく生まれてしまった、代われるものなら代わりたいと涙が止まりませんでした。

 

先生方は私が落ち着くまで待ってから状況の説明をしてくれました。

まずは生まれてから72時間が山だ、と。

その間に脳出血が起こる確率が極めて高く、起こってしまうと障害が残ってしまう、または亡くなる可能性もある…と。

その数日間は気が気でなかったのですが、私はその日から搾乳をしないといけません。

看護師さんに教えてもらいながら、今の私にできることは栄養のある母乳を届けてあげることだけだと、必死に3時間に1回搾乳をして届ける日々が始まりました。

 

4日目に脳出血を起こしてしまったのですが幸い出血が広がらず、大事には至りませんでした。

その山を越えてからはたくさんの検査をして、このまま悪くなると手術が必要かも、という状況になったり回復したりを繰り返し、なんとか1度の手術もなく4ヶ月の入院生活を経て、約2,400gで退院しました。

 

今回の原因の説明をしてくれましたが、早産のほとんどの場合は原因不明だということです。

胎盤の検査の結果も異常なく、強いて言えば、へその緒がかなり捻れており中を通っている血管の1本が詰まっていたそうです。

それで赤ちゃんに栄養が届かず成長が止まってしまったかも知れないとのことでした。あと1日遅かったら危なかった、とも言われました。

 

退院後1年間は月1回の通院があり、その他耳鼻科と眼科の検査も少し続き、障害が残る可能性も高いため、3歳までは精神科でのテストも受けました。

そんな彼も最近4歳になり、保育園の同い年の子たちと大きさも変わりなく、とても順調に元気に育ってくれています。

 

まだまだこの先どんなことが起こるかわかりませんが、それはどのお母さんも同じだと思います。

生まれてすぐ、ある意味試練を与えてくれた息子に、お母さんを強くしてくれてありがとうという気持ちと、あんなに泣き続けた苦しかった4年前があるから今頑張れるのだと、こんなに息子を愛せるのだと感謝の気持ちでいっぱいです。

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著者:マツコ

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