私は仕事が好きで、やりたい事を自由にやっているタイプで、周りから「子供が欲しそう」なタイプではないと思われていました。
実際そうだと思うのだけど、実はかなり出産願望は強かったのです。
それはさかのぼる事、高校生の時。初めて妊婦さんのお腹を撫でさせてもらった事がありました。
触ってみたら暖かくて、中に
「いきものが入ってる」
って感じがすごかったのです。
わあ! 赤ちゃんがお腹の中にいる!
と、感じられたことにその時ものすごく衝撃を受けました。
衝撃的すぎて、その夜自分が妊娠した夢を見てしまったのです。
夢の中の自分は、お腹の中に赤ちゃんがいて、なんだかものすごい多幸感に包まれていました。
その時「将来は子供を産んでみたい!」と強く思ってしまったんですよね。
その時の刷り込みのまま「いつか出産を!」と願い続けたものの、離婚したり、再婚したりしててなんだかんだで妊娠できたのは37歳で、つわりが落ち着いた頃には38歳になっていました。
あれ? 全然あの時夢で見たような多幸感が無いぞ?
妊娠して、胎動が感じられるようになっても
「うふふ、赤ちゃんがお腹にいるわ」
みたいな気持ちにならない!
それどころか、体は痛いし、子育て本当にできるか、母子ともに健康でいられるかわかんないし不安でいっぱい!
あれ? 思ってたのと全然違う!
妊娠したらみんなホルモンの影響であの多幸感に包まれると思ってたのに!
ってなりました。
母性はいつめざめるの? と、ずっと思うことに…。
自分の妊婦イメージが
「赤ちゃんの靴下を編みながら、幸せいっぱいで微笑んでる」
という超ステレオタイプなものだったのですが(夢で見たのもそんな感じだった)、
実際にはカラダの痛みとか、終わらないつわりとか、全然仕事が終わらなくて「産休を取る」こともないので編み物なんかできないし(趣味で手芸はしたかったので、材料だけ買ったりした…)この先の仕事も育児も不安感ばかりがありました。
思ってたのと、全然違う!!!!!
となりました。
結論としては「赤ちゃん」がどういうものか、身をもって知るまでは赤ちゃんの可愛さはわからないので、わからないものを愛おしいって思えなくてもしょうがない。思いました。
産んだ今なら子どもの愛おしさがわかるから、もう一回妊娠したら違うかも。と思ってます。
身近に赤ちゃんがいたりして「私もかわいい赤ちゃんが欲しい!」
って妊娠したら最初からそんな気持ちにもなるのかな?
とも思うのですが、私は姉の出産に立ち会ったり、お見舞いに行ったりしても
「新生児とか、ぐにゃぐにゃしてて、どうしたらいいかわかんなくて怖い!」
って抱っこもできないようなタイプだったのです…。
自分が実際にやってみたら、ホルモンの力だけではやたらむやみにハッピーになったり、急に母性的な感情に目覚めたりは…しなかった。
赤ちゃんの可愛さは経験的に会得しないとわからない。
女だからって妊娠したら自動的に分かるってことはないんだなーと思いました。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
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>>>次回のエピソード::「夜中のミルクなら俺に任せろ。すでに経験している」育児ベテラン臭を漂わせるパートナー by水谷さるころ
著者:水谷さるころ
年齢:40歳
子どもの年齢:2歳
1976年生まれ。イラストレーター・マンガ家。女子美術短期大学卒。「30日間世界一周!(全3巻)」「35日間世界一周!!(全5巻)」「世界ボンクラ2人旅! タイ・ベトナム(全2巻)」発売中。×イチ同士の再婚で現在は事実婚。2014年に出産し男児の母。ブログ「マイル日記」を平日毎日更新中。空手弐段。
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