産後に病院でのカウンセリングで、出産についてどう思いますか？と聞かれ、感動と壮絶な戦いと答えました。でも感動の方が９割ほど占めていました。
私は出産前、安産しか想像していませんでした。普通に陣痛がきて、数時間後には我が子と対面できると。
予定日の2日前に、毎日の日課であった散歩に主人と出かけました。
途中で、太ももあたりが濡れているのに気づき、破水したと思いました。
その時はついにきた！と焦りもなく落ち着いていて、病院に電話してから向かいました。
検査した結果、やはり破水だったのでそのまま入院。
その日は、いつ陣痛が来るのだろう、やっとこの時がきた！と興奮して中々眠れませんでした。
朝方生理痛みたいな痛みで目が覚め、念のため間隔をはかると10分ほどの陣痛が始まりました。
元々生理痛がひどかった私はまだ、『こんなものか』と余裕でしたが、次第に痛みは強くなっていき、昼頃にはご飯も口にできない程痛くなってきました。
『順調に陣痛もきているから、このまま夜には産まれるかな』と、助産師さんに言われ、家族も私もよし！頑張ろう！と思っていました。
でも順調に陣痛はきていても子宮口は2センチほどしか開いておらず、又、赤ちゃんがママのお腹の方を向いていて出にくくなっていると言われました。
陣痛はきつくなってきているのに、そこからまったく進むことなく、時間だけが過ぎていき、夜になっても子宮口は3センチ程しか開きませんでした。
陣痛が始まって15時間程時間たち、睡眠もあまりとれていない、何も食べていない私はだんだん疲労してきて発熱し、点滴。
さらに、破水していたので感染予防の点滴。また脱水もしていたので点滴。両腕に沢山の管を付け、まだかまだかと時間だけが過ぎていきました。
隣の陣痛室にいた妊婦さんは出産を終えていき、どんどん入れ替わる。又、検診される度に、まだ子宮口は開いてないね。と言われ、1本ずつ心が折れていきました。
陣痛がくるたびに叫ぶようにもなり、痛みで頭をベッドに擦り付けるので、髪の毛も鳥の巣みたいにからまってぐちゃぐちゃになるほど悶えていました。
また順調だった陣痛も次第に弱くなっていき、3分間隔までいったのに、また10分程に戻ってしまいました。
こんな事あるのかと思いましたが、決して弱音だけは吐きませんでした。それを口にしたらもうダメだと思ったので。
本当に長い夜を過ごしました。
次の日の朝の検診でも子宮口は変わらずだったので、促進剤を打つことになりました。
先に破水していたので、2日以内には産まないといけないみたいで、タイムリミットの午後2時まで様子をみようということになりました。
促進剤を打ってから陣痛はどんどんきつくなっていくのですが、中々進まず、また時間だけが過ぎていき、私も家族も疲労がピークでした。
トドメとなったのは、赤ちゃんがママのお腹の方を向いていて、背中の方に向かせてあげないといけないという事で、先生の手なのか機械なのかわかりませんが、中に突っ込まれ赤ちゃんの向きを変えられた事です。あれは本当に痛かった。
それでもまだまだ出てくる様子もなく、タイムリミットの午後2時になり、緊急帝王切開になりました。
産まれてくる瞬間、麻酔で感覚はないのにお腹が軽くなるのを感じ『あ、出た』と言ったら先生が『身体半分出てますよ』と教えてくれてm『おめでとうとございます』と言われた瞬間、私も立ち会いしていた主人も泣いてしまいました。
帝王切開ですぐ抱っこできないのは寂しかったですが、よく頑張った我が子の顔を見て安堵し、家族も私もやっと終わった！と気が抜け、私はそのまま眠ってしまいました。
しかし、まだ終わらない。
少し時間がたち眼が覚めるとまだ手術室でした。
チクチクお腹を縫われている感覚で目が覚め『今って縫合中ですか？』と聞くと『え？縫われてるのわかる？麻酔きれてる？でもまだ膝曲がらないでしょ？』と言われましたが、見事に曲がる私の左膝。『麻酔切れてきてるね』と呑気な先生。
そこからはハイスピードで痛みが戻ってきたように痛み出し、あまりの痛さに身体が震え、『痛い痛い』としか言えない状態で私の初めてのお産が終わりました。
陣痛が始まって36時間、前期破水、微弱陣痛、発熱、脱水、帝王切開、さっさと切れる麻酔、と盛り沢山で、安産としか思ってなかった自分がこんなお産になるとは想像してなかったです！
最後に看護師さんが、みんな安産安産って結構簡単に言うけど、安産ってものすごい事なんですよ。と話してくれました。本当にそう思います。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者：ｍｍ６２０
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。
