娘が生まれてから3ヶ月たった頃。
連日、娘の夜泣きが激しく、はじめての育児に手探り状態の新米ママだった私は、すっかり疲労困憊。まいっていました。
おっぱいをあげても、体をよじるようにして乳首から口を離し、それは悲しそうに、わぁわぁと激しく泣き叫ぶのです。
そこで、夜泣きの原因が、母乳にあるのではないかと、自分の胸に疑いをいだくようになりました。
今思えば、新生児の赤ちゃんなんて、昼夜問わず泣くのは当たり前なのですが、その時は、泣く原因を究明すれば、この夜泣き地獄から脱出できると思い込んでいたのです。
同じ頃、母乳育児相談室に通う友人から、こんな話を聞きました。
「食事は、油物や甘い物、辛い物はダメ。カレーや麻婆豆腐なんてもってのほか!」
実際、彼女は卒乳するまで、甘口カレーすら食べず、焼肉や揚げ物もご無沙汰。1年半もの間、1日3食和食で徹底した猛者。
それに比べて、私はと言えば退院祝いは欧風カレー、四川料理と韓国料理とタイ料理が大好きで、3日に一度は辛い物を食べていました。
「夜泣きの原因は、辛い物だ!」
まず母乳の味が不味いのではないかと、味見をしました。
普通にほんのり甘く、塩気も感じましたが、辛さは感じません。
「赤ちゃんの舌は敏感だから、私は気づかない辛みを感じとっているに違いない」
その日から、食事内容を記録して、夜泣きとの関係を調べ始めました。その記録の一部がこちら。
麻婆豆腐 × 背中スイッチが入って、激しい夜泣き。
欧風カレー △ 夜中に二度起きて愚図ったが、すぐに落ち着いた。
インドカレー × 明け方まで激しい夜泣き。
刺身にわさび ○ オムツ替えと授乳の時に少し泣いてすぐ寝た。
トムヤムクン △ 少し夜泣きをした。
最初から諦めて、辛い食べ物を一切厳禁にすればいいのですが、育児疲れで、食事くらい自由に楽しみたい気持ちが強く、「どの辛さなら食べても大丈夫なのか!?」と研究は続きました。
夜泣きの激しかった豆板醤や赤唐辛子は、食卓からなくなり、夜泣きと関係のなさそうだったニンニクや生姜、わさび、少量のスパイスは、食べ続けていました。
それから数ヶ月後、病院で赤ちゃんの健康状態を見てもらう健診でのこと。
経験豊かな助産師さんに、育児相談ができるコーナーがあり、例の辛い物日記を見せながら、
「まだ夜泣きが続くのは、私が辛い物を食べ続けて、母乳が不味いのでしょうか?」
と相談をしました。
すると自身も3人の子持ちだというベテラン助産師さんが、笑いながら言うのです。
「母乳と辛い物?関係ないわよ。確かに薬やカフェインは、ママの体に吸収されたあと、血中に入るから、血液を原料とする母乳に移行してしまうけれど、成分は薄まるの。食事に入っている程度の辛み成分なんて、母乳に移行しても微々たる物よ」
そして、韓国の妊婦さんや、乳児を育てるママ達は、便秘を防ぐために、乳酸菌の豊富なキムチを食べるという話を教えてくれました。
結局、本当にママが辛い物を食べても母乳の味は変わらないのか、辛い物が原因で赤ちゃんの夜泣きが続いたのか、わからないままです。
ネットで調べても、母乳時期にママが辛い物を食べるのは厳禁という意見もあれば、辛い物を食べても大丈夫という声もあり玉石混淆。
私は、助産師さんに相談したあと、辛い物を食べてない日でも夜泣きすることが続き、辛い物日記はやめてしまいました。
著者:つくこ
年齢:35歳
子どもの年齢:3歳と1歳
プリキュアが大好きな3歳女児と、電車にハマる1歳男児のママ。我が家の家訓は「家族で美味しいものを食べれば、いつだって幸せ!」子供を叱りすぎた時は、一緒にオヤツを作って仲直り。
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