初めての育児。
それは想像よりもずっと大変でした。
抱っこしていないと泣いてしまう赤ちゃん。夜中も休みのない2時間おきの授乳。全く思い通りに進められない家事や自分の事。そして引っ越したばかりでまわりに頼れる人もおらず、言葉の通じない息子と1日中二人きり・・・ なんだかもう孤独感で押し潰されそうでした。
それでも最初は、母親になったのだから・・・!とどうにか気合で乗り切っていましたが、半年を過ぎたころ、心身ともに限界がきてしまいました。
(辛い・・・少しでいいから1人の時間が欲しい)
夫にこの辛い気持ちを打ち明けました。
しかし
確かに夫の言っていることは分かります。 仕事をしていない私にとって今やるべきことは育児。毎日可愛いわが子と一緒にいられるのも幸せなこと。 理解はできます。
でも、でも辛いんです。
このくらい皆耐えている事なの・・・?
私が弱くてワガママなだけなのかな・・・
(育児が辛い)と言う気持ちと、(このくらいのことも耐えられないなんて自分は母親失格だ)と言う気持ち、それから(友達やネットの中の旦那さんは皆もっと協力的なのに、うちはどうしてわかってくれないんだろう)と言う夫に対する不満もこみ上げてきて、でもどうすることもできず、悶々とする日々が続きました。
そんな時、結婚式の二次会に呼ばれました。
息子が9ヶ月の時でした。 授乳の間隔もだいぶ開いてきたこともあり、息子が生まれてから初めて一人で外出することになりました。
久しぶりの一人での外出。
久しぶりの友人との楽しいひととき。
たった数時間でしたが、驚くほどリフレッシュできていくのが自分で分かりました。
あれほど育児が辛いと思っていたはずなのに、帰りの電車では息子のことばかり考えていました。 そして急いで帰宅すると・・・
そこには薄暗い部屋で息子を抱っこしたまま立ち尽くす夫の姿がありました。
どうだったか話を聞くと、夕方からはずっと泣きっぱなし。置けば泣くからずっと立って抱っこで、お風呂にも入れられなかったそうです。そして泣きつかれてそのまま寝てしまった。でも起きるのが怖いから降ろせずにずっとこうしている、とのこと。
そんなのこっちからしてみれば当たり前の事です。それでも上手くやっているんです。これくらいでお風呂にも入れられないなんて言い訳にもならない。言いたいことが山ほど浮かんできました。
「大変だった。いつもありがとう。」
その言葉を聞いたら、本当は言おうと思っていたこと(私の苦労がわかった?あなたはたった数時間だけど私はこれが24時間毎日なんだよ!仕事より楽とか言わないでよね!・・・etc)が、すべてスーッと引いていきました。
そして気づきました。
私は自分の頑張りを認めてほしい、感謝してほしかったんです。
そういえば仕事を辞めてから、誰かに褒められたり認めてもらえる機会ってほとんどありません。 育児ってこんなに大変なのに。誰からも褒めてもらえないんです。それに一番の理解者であってほしい夫に育児の大変さを分かってもらえたことも嬉しかったです。
それともう一つ。
息子が外出前よりもずっと愛おしく思えるようになりました。たった数時間しか離れていないのに、不思議です。離れていた分、明日はいっぱい優しくしてあげよう!と思えました。
私にとってこの外出は色々な意味で良い機会でした。
それ以来、育児がしんどくなった時は数時間お願いするようにしています。一人の時間をもらうことによって、また明日から育児を頑張れる切り替えができるようになりました。
これからもずっと続く休みのない子育て。
上手くリフレッシュを取り入れながら無理しすぎず頑張っていきたいものですね。
著者:グラハム子
年齢:29歳
子どもの年齢:2歳と1歳
いたずらっ子で元気いっぱいな兄妹に振り回されているお母さん。堅あげポテトと甘いコーヒーが好き。 家族が寝たあと夜中にインスタグラムで育児絵日記を描いています。
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