今回は、息子たちが園児だった頃のお話。
「ケンカの果てに…」
園にお迎えに行くとばんそうこうを貼った息子、申し訳なさそうな先生が「実は…」とお友達とケンカになったことやうちの子が手を出してしまったこと、逆に手を出されてケガしてしまったことを報告してくれる…。
最近では園の方針で相手のお子さんの名前や状況は伏せられるケースも多くなってきているようですが、長男が入園していた10年くらい前はまだ先生が詳細に情報をくださって、場合によっては相手から謝罪の連絡が来たり、こちらが謝りに出向いたりすることもありました。
お迎えに行くのに胃が痛む。とにかく加害をやめさせないと!!
よそのお子さんに手をあげた!
一時期、長男の加害が続いた時期がありました。お迎えに行くのに胃が痛むほど。
そのショックに、とにかく、きつく叱ってやめさせなければと必死でした。
まだ小さかった息子にこんこんと言い聞かせて、一緒に謝って、それでもなかなかゼロにはならなくて、どうして…と息子に呆れたり、また幼子相手にそんなふうに感じてしまう自分が情けなくなって、どんどん悲しくなっていきました。
お互いつねったり、小さくけったり、いやな言葉をささやいたり
とある参観の日、自由に遊んでいる子供の群れを見て、小競り合いをしている男の子2人に目が止まりました。
周りのお友達も気づかないくらいの小さな声と動作でしたが、お互いにつねったり小さくけったり、いやな言葉をささやいたりしていた2人、最終的に片方の子が「ウワーーーン!」と大きな声で泣いたところで周りの子や先生が気付いて周りを固めました。
「●●くんがつねった!」と叫んだ泣いている子。
うん、でも君も相当色々やってたよね、
と眺めていた私は思いました。
その後、先生がその2人にどんな対応をしたのかはわかりませんが、あぁ子供同士ってこうやって見えないところでいろんなやりとりをしてるんだなぁと。
それを知らずにただ最終的にひどいことをするに至った子だけをきつく叱っても何も解決しないんだ…と気付いた出来事でした。
きつく叱っても解決しない、何があったのか時間をかけて聞く
それ以来、息子が手を出した、とお話を聞いたら時間をかけて何があったのか息子の口から聞くことを始めました。
もちろん、子供のいうことです。記憶があいまいだったり、自分のやらかしたことは言わなかったりぼかしたり、そのままを信じるわけにはいきませんが、息子がどんなふうに感じたのか、何がいやだったのかをなるべく時間をかけて聞くようにしました。
息子は息子なりに、相手の子が言ったことがいやだったとか、相手の子が他の子に何かイジワルをしていたのを止めたかったのだとか、本人なりのいやな気持ちや理由がたくさんあったんですね。
でもそれをうまく表現できなかったりして、手が出てしまっていたんだなぁと。
長いスパンで様子を見てあげれば必ず収束していく
手をだしてしまう子に特効薬はないんだろうなぁと思います。
でも、ただ叱りつけるだけではなくて、なぜ手を出してしまったのか、その気持ちにゆっくりゆっくり寄り添ってあげたり、言葉での伝え方を一緒に練習してみたり、長いスパンで様子を見てあげていれば少しずつ減っていくと思います。
他害行為は、年齢が上がって言葉でのやり取りが長けていけば自然と減っていくけれど、渦中にいたらやる方もやられる方もとても辛いもの。
でもそれぞれの行為にはそこに至るやりとりが必ずあります。
それぞれの気持ちに寄り添って、周りの大人がこじれた関係を紐解くお手伝いをしたり、ゆっくり見守ってあげる姿勢が大事、時間はかかっても気持ちを受け止めてもらえた経験がきっと活きてくると思います。
著者:イシゲスズコ
年齢:38歳
子どもの年齢:小6・小5・小3・5歳
九州の片田舎在住、ぼちぼち働く4児の母ブロガー。生活のなかで出会ういろんなことをあれこれ考え込んだブログ「スズコ、考える。」を運営。Twitterの男児育児あるあるをまとめた共著「#アホ男子母死亡かるた」(アスペクト)がある。
ブログ:「スズコ、考える。」
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