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「いたい!」「それはイヤ!」「こわい!」何でもかんでも口にする息子の入院で私が学んだこと。 byイシゲスズコ

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こんにちは、イシゲスズコです。

今回は我が家で起こった大事件から学んだ大切なことを。

大けが!救急搬送!入院!

夏休み中に外出先で起こったトラブルで小1末っ子が突然の大けが、傷が深かったためその場で救急に連絡し、そのまま入院、翌日に縫合などのために手術を受けることになりました。

ふらっとそこまでの気分で一緒に外出していた私もそのまま付き添い入院することになり大慌てで入院準備をすることになりました。

 

ふと目にした、ポスター


入院の荷物を詰め込んだカバンを両手に抱えて乗り込んだエレベーターの中で、ふと目に止まったポスターがありました。
やわらかい色合いのイラストに添えられた吹き出しは「痛いです」「不安です」
そして、「口にしたときからあなたに寄り添う医療が始まります」
そう書かれたそのポスター。

点滴をつながれて眠る息子の病室へと急ぐ中で、その言葉がなんとなく心に残っていました。

 

様々な処置を受ける息子のそばで

入院した当日も痛み止めの注射や点滴の導入など痛みを伴う処置が続きます。

自分が何をされるのかわからず怖がる息子は看護師さんたちにいちいち「次は何するの?」「それは何?」とうっとうしいほどに声をかけ、そんなに話しかけても大丈夫なのかなぁ…とそばで感じていたのですが看護師さんたちは手を忙しく動かしながらもていねいにひとつずつ「これはこうするのよ」「これからこうするからね」と優しく教えてくれました。

 入院翌日には手術が決定したのですが、

「しゅじゅつってなに?」「いたい?」「なにをする?」

と怖がる息子に、顔を出してくれる看護師さんが何度も何度もていねいに、術前の段取りを説明してくれました。
だんだんと不安が和らいでいった息子は手術室の前で私たちに笑顔を見せ、手を振ってくれました。

 

「言ってもらえないとわかりませんからね」

手術後も色々な処置のたびにあれこれ口に出す息子。
「いたい」「ここがかゆい」「これはイヤ」
息子のあまりの開けっぴろげさに「すいません、色々言ってしまって…」とつい口から出てしまった私に、看護師さんはキリッとした笑顔で「いいんですよ、ちゃんと言ってくれる方がやりやすいです、言ってもらわないとわかりませんからね」と。

その言葉を聞いて、エレベーターの中で見たあのポスターのことがふと思い出されました。
言わないとわからない、言ってはじめて自分の辛いことや怖いことが医療側の方に伝わるんだ…

 

たくさんの手を借りながらの「ありがとう」

手術を終えても息子はしばらくの間点滴がつながれたまま。
トイレも移動も着替えも、何をするにもナースコールをして看護師さんに手伝ってもらわないといけません。忙しい看護師さんを呼ぶのもなんだか申し訳なさを感じ、遠慮がちにいちいち「すいません」とつい口に出てしまっていた私。

でも息子は臆せず自分の不快と同時に「これ気持ちよかった」「こっちがいい」「こうしてほしい」と口にしては、看護師さんが「じゃあこうしようか」「先生にそう言ってみようね」とひとつずつ対応してくれていて、あぁそうか、これでいいんだ…といちいち頭を下げていた自分がちょっと情けなくなりました。
 
同じやってもらうなら、おどおどして言いたいことを言わずに「すいません」を繰り返したり遠慮したりするんじゃなくて、どんどんお願いして、サポートしてもらって、こうしてほしいを素直に言葉に出していいんだ。そう思えてからは、看護師さんたちを気持ちよく頼ってからの「ありがとうございます」がするっと口から出てくるようになりました。

 

おわりに

お医者さんや看護師さんを前につい遠慮したり我慢したりしてしまいがちだった私でしたが、今回の息子の入院を通して、「いたい」や「辛い」という自分の気持ちをはっきりと口に出していいんだ、こうしてほしいと言葉にしていいんだ、と思えるようになりました。

当分は車いす生活の息子、しばらくは看護師さんやお医者さんとヤイヤイやりとりをするのを見守る日々が続きそうです。

 

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著者:イシゲスズコ
年齢:38歳
子どもの年齢:中1・小6・小4・小1

九州の片田舎在住、ぼちぼち働く4児の母ブロガー。生活のなかで出会ういろんなことをあれこれ考え込んだブログ「スズコ、考える。」を運営。Twitterの男児育児あるあるをまとめた共著「#アホ男子母死亡かるた」(アスペクト)がある。

ブログ:「スズコ、考える。」

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