夫の笑顔と強さと優しさにありがとう。
私は2014年6月に7つ上の夫と結婚・挙式をしました。
夫はいつもニコニコ笑顔で穏やかな性格であるものの、天然でドジなところもあってどこか頼りないところもありました。
家の中のことも私が管理 していて、よく冗談で「もう~私がいないとダメなんだから~」なんて言っていました。
結婚式から2ヶ月が過ぎた頃、生理が来ず妊娠検査薬を使用したところ、陽性!
子どもが欲しかった私はとても嬉しく、すぐに夫に報告したらものすごく喜んでくれました!最後の生理から計算すると妊娠5週の頃でした。
ドキドキしながら産婦人科を受診したところ、妊娠反応は見られるものの、胎のうは確認できず、先生の指示で2週間後に再度受診すると、胎のうが確認できましたが、週数からしてもかなり小さいとのことでした。
不安になってネットを見ると、「流産」という言葉がいくつも出てきて不安な日々を過ごしていました。
夫は「ネットは悪いことしか目につかないから、見ない方がいいよ」と言ってくれていましたが、ほんの少しでも希望を見つけたくて毎日ネットばかりみてしまっていました。
その1週間後に受診しても、胎のうの成長は明らかに遅く、胎芽は確認できず、さらにその1週間後の受診時に先生から「残念ながら赤ちゃんはお腹の中で育つことができないみたいです。近日中に、出血とともに外に出てくると思います。そうなったらすぐに受診して、それがなくても1週間後に受診してください」との話がありました。
ショックで泣き続ける私を夫は励ましてもくれましたが、なるべく普段と変わらずに接してくれていました。
最後の受診から1週間後たっても何も変化がなかったため、受診したところ、胎のうが出てきているとのことでそのまま摘出手術をすることになり、赤ちゃんは完全に私のお腹の中からいなくなりました。
仕事中の夫に連絡できないまま、手術になってしまい、そのことを連絡するととても驚いていましたが、「頑張ったな」と一言言ってくれました。
手術後1時間くらい病院で安静にした後に帰宅となりましたが、不思議と涙は出ませんでした。ただ、もう赤ちゃんはいないんだな、どうして私だったんだろうなとボーッと考えていました。
家に帰宅すると、仕事のはずの夫が帰ってきてくれたのですが、夫の顔を見た瞬間に自分でも驚くほど涙が溢れだし、付き添ってくれた母がいるにも関わらず、夫に抱きつき子どものように泣きました。
「頑張ったな、頑張ったな。お前も、赤ちゃんも。赤ちゃんは育てないって分かってても、お前の中にいたかったんだよ。お母さんと離れたくなかったんだよ。お母さんのこと大好きだったんだよ」と言って夫は抱きしめながら言ってくれました。
しぱらく涙は止まらなかったものの、夫がそう言ってくれたことで、私は「何で私が」と言う気持ちはなくなり、姿を見ることは出来なかったけど、短い間だったけど、私のお腹に来てくれた赤ちゃんに「ありがとう」と思えたし、
「誰かを羨むことなかれ。赤ちゃんが産まれてくるのは当たり前のことじゃない、奇跡の連続なんだ。だから、無事に産まれてきた赤ちゃんには心からおめでとうだ」と思うことができました。
その後、夫は本当に普段と変わらない態度で接したり、笑わせてくれたおかげで私も少しずつ元気になることができました。
手術から2週間くらい経った頃、私の母と出かけた先で母の友人であり、夫の会社の同僚でもある人にバッタリ会いました。するとその人が、2週間くらい前に、仕事中、一人でもくもくと作業している夫に仕事の確認で声をかけたら、夫が目を真っ赤にして泣いていた。とても辛そうにしていた。という話をしてくれました。
その話を聞き、私は夫の涙を今まで見たことがないことに気がつきました。私が知ってるのはいつもニコニコしていて、穏やかで、優しい夫。
今回のことでも、一度も夫は涙を見せなかったけど、辛くなかった訳がない。悲しくなかった訳がない。
それでも、私を一生懸命励まして抱きしめてくれて、いつも通りにいてくれた。人知れず、目が真っ赤になるくらい涙していた夫。それがどんなに強いことか。
支えている気になっていたけれど、夫の存在に支えられていたのは私だったと気づきました。
とても辛かったけれど、夫の強さと優しさを知ることができたことが、私のとても嬉しかった体験です。
あれからもうすぐ3年。今では、相変わらずニコニコ穏やかで天然な夫と、夫によく似たかわいい息子2人の4人で仲良く幸せに暮らしています。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:ひのた
結婚4年目。2歳と0歳の男の子のママです。※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。