自分の気持ちを言えた事
現在、上の子は5歳、下の子は3歳。
子供が1歳の誕生日を迎えた日から保育園に預け、フルタイムで、土日出勤も月に2-3回はしていました。
ずっと預けて可哀想だな、と思う気持ちと、今の仕事が楽しい!と思う気持ちをいつも持っていていました。
でも、産休育休を暖かく見守ってくれたメンバーと会社に少しでも恩返ししなければ、という気持ちもあり、また何より仕事が楽しく、クタクタになりながら毎日をすこしていました。
下の子が3歳になった時に、会社の規定で時間短縮で働く事が出来ず、毎日のお迎えは19時を過ぎていました。
その時間まで預かってくれる保育園は家の近くになく、そこから車で20分、ご飯を食べるのは20時ぐらい、そしてお風呂、寝かしつけ…怒涛の毎日でした。
ご飯を食べる時間には疲れきって、起こしながら何とかたべさせ、お風呂にゆっくり浸かることもできず、絵本を準備しても読む暇もなく倒れ込んで寝てしまうような状況でした。
特に上の子は心が繊細なところもあり、毎日怒りっぽく、気持ちが不安定なんだろうなぁと感じており、働き方を見直そうと考えていました。
そんなある日、上の子が目を真っ赤に腫らして、でも涙はみせず、正座をして握りこぶしを力いっぱい握って、
「お母さん、話がある」と言いました。
(私はいつも大事な話しをする時に、息子にむかって正座して「お話しがあるよ」と言っているので、その真似をしたのだと思います。)
なぁに?と聞くと、こう言いました。
「お母さん、僕はおもちゃもガチャポンもいらない。お外に食べに行かなくてもいい。だから毎日、遅いお迎えは嫌だ。」と言いました。
こんな小さな子が精一杯、自分の気持ちをしっかり伝える事が出来たこと、そして、そんな風に思っていた事に衝撃を受けました。
その夜は「うん、わかった」と言って寝かしつけましたが、その後も胸がドキドキして、夜遅く帰ってきた夫にその事を話すときは大泣きしていました。
自分の気持ちをしっかり伝える事。
そんな事が出来た事がとても嬉しかったです。
そして、その2日後には会社に退職の意思を伝えました。
まだまだ働きたい気持ちはありました。やりきれなかった仕事にそのときは悔いもありました。
引き継ぎの方が来られたときは、あぁ、本当に私は辞めるんだと、とても悲しくて会社のトイレでこっそり涙しました。
そこから2ヶ月たって退職し、今は短時間で働ける仕事につきました。
今は 、毎日子供を早く迎えに行って、しっかりと栄養のあるご飯を作り、あったかいお風呂につかり、図書館で借りてきた本をたくさんよんでいます。
失ったものもあるけれど、得たものもあったんだなぁと思っています。
よくよく考えたら人生ってそんなものかな、とも思います。
何かを得ようと思ったら、かならず何かを捨てなければいけなかったような。
たとえば、学校の進学もそう。
それに、夫と結婚する事で、両親から遠く離れて住んでいるのもそう。
いつだって自分で選んできたけれど、今回は子供の声を聞いて選んだ事で、少しだけ大人の階段を登れた気がします。
追伸
私は仕事をバリバリ続けているお母さんとを尊敬しています。自分には出来なかった事を頑張っている女性、1つの事を達成する女性、とても素敵です。
著者:りさこ
フルタイムからパートタイムに切り替えた、猫と料理と刺繍が好きなおばちゃんです。
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