痛いからぎゅうはしないの…
今年、念願の第二子を出産。
3歳の長男が緊急帝王切開だったのでふたりめの長女も帝王切開で出産になりました。
予定帝王切開なので手術日の前日から8泊9日の入院。
私の唯一の不安はいつも一緒に寝ていた長男のことです。
手伝いに来てくれた私の母は遠方に住んでいて、長男とは実に1年ぶりの再会。
主人はいつも長男が寝た後に帰宅するので、主人が帰宅するまでおばあちゃんと仲良く過ごせるか、一緒に寝られるか…心配の種はつきませんでした。
入院の日。
長男はこれからママがしばらく家にいないということも理解せぬまま…。
偶然、保育園のお友達のママも1週間前に出産して隣の病室にいたので、お友達と楽しそうに病室で遊んでいました。
おばあちゃんとも仲良くしていて、それほど心配しなくても良かったのかな~と思うほど。
しかし、そんなに甘くはありませんでした。
面会時間が終わり、帰るときになってようやく、息子はママが一緒に帰れないことを理解したのです。
息子はいままでに見たことがないほど大泣き。
その声は今でも耳に残っています。
最後は主人に抱えられて帰っていきました。
翌日の手術日。
手術前に息子の顔を見たかったのですが、家族は手術室に入る時間に間に合わず。
前日の息子の大泣きで何かあったのかと心配しながら手術台に…。
手術開始から程なく、ふたりめの長女と対面。
長男の時と同様、涙がこみ上げてきましたね。
そして、病室に戻るとき、新生児室の前で生まれたばかりの長女と、前日泣いて帰った長男に再会。
そのときの私の顔がよっぽど疲れきっていたのか、はたまた病人のようだったのか、病室に戻ってからも傍でおとなしくしている長男。
その日は泣くこともなく、すんなり帰っていきました。
それからしばらくは病院で出されるおやつを残しておいて、保育園帰りの息子を待つ日々が続きました。
おやつにかぶりつき、保育園の出来事をニコニコしながら話す息子。
時にはおばあちゃんと迷子になりかけたことを「あのね、ママには内緒なんだけどね…」と内緒の意味もわからず暴露してくれました。
そして、帰るときには必ずこのひと言
「ママと赤ちゃんは今日も病院に泊まるの?」
息子の本音はこのひと言につまっていたと思います。
まだ3歳。寂しいに決まっています。ママにおもいっきり甘えたいはずです。
ところが、ベッドから起き上がれるようになり、寂しさを我慢してくれている長男をぎゅうっと抱きしめたら、すぐに離れてこう言ったのです。
「(ママが)お腹切っていて痛いからぎゅうはしないの…」
いつのまにか、気遣いのできる優しいお兄ちゃんになっていました。
娘が誕生したのと同じくらい嬉しく、そして母としては少し寂しい息子の成長でした。
著者:美桜彩
二人育児に奮闘中のママです。泣いたり笑ったりと忙しない子どもたちに振り回されつつ幸せを感じる毎日を送っています。※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。