36歳から不妊治療を開始し、2年越しにようやく授かった我が子です。6週目で心臓がピコピコ動いているのを目にした時には、喜びのあまり泣いてしまいました。私、お母さんになるんだ、と実感した日です。
その後そろそろつわりかな、とドキドキしながら過ごしていてもいっこうに体調の変化なし。先生からもつわりは?と毎週のように聞かれましたが結局つわりはこないまま。その時先生から「お母さん想いの優しい子だね」という言葉をいただいたのが、とてもとても嬉しかったのを覚えています。
逆子でしたが、順調に33週に入ったある日、お腹が硬く軽い生理痛の痛みがきたのですが、それほど気にもせず一応病院に連絡。出産までまだまだ時間があるので前駆陣痛だと勝手に過信し、とりあえず来てください、という病院から言われて受診しました。
時間外で当直の先生、緊張しながらも早く帰れるだろうとまだ余裕でいました。しかし、先生から衝撃の一言。
「もう陣痛始まってるよ!今晩にも産まれちゃいそうだよ!」頭が真っ白に…看護婦さんからは「なんでもっと早く来なかったの!」と怒られる始末。初めての妊娠を理由にハリや痛みがどんなものなのか、よく理解しておらず大反省しました。
その瞬間から太い点滴を入れられ、車椅子に。トイレ・歩行厳禁、即入院。一瞬にして患者となりました…余裕でいたので、一大事に陥っていることを理解しパニックになりました。
赤ちゃん産まれちゃったら、どうしよう、まだ2200gなのにどうしよう。
不安だらけのなか入院1日目、この日は満室だったため、あとから知りましたが私が過ごした部屋は出産を待つ人のお部屋、陣痛室でした。6人部屋の片隅、私以外は出産間近の方たちです。ここではまた壮絶な光景が繰り広げられており、痛いー!!!!痛い!!!と夜中じゅう発狂する人あり。先生に、もう切っちゃって、お願いしますと泣きながら叫び続ける人あり。イタイっ痛いっ!!違うっ!そこじゃないっっ!!と旦那さんに激怒する人あり。容態が急変し慌ただしく運ばれて行く人あり。静かに帝王切開を待つ人あり。
そしてただただ痛みが引くよう祈っていたかったのに、出産がどれほど怖いものなのかを脳裏に叩き込まれ、一瞬にして恐怖に陥れられた私。今のところまだ知らなくて良かった情報によって、不安が更にのしかかりどっと疲れました。結局一睡もできず、、無事に?2日目に突入です。
2日目は、二人部屋に移動。テレビもついてベッドもフカフカ、一輪挿しにお花までついて。こんな素敵なお部屋があったんだと浮かれていたのもつかの間、夜中に恐れていた事態が!前回よりも大きめの痛みに襲われ、またも、陣痛室に逆戻りの私。看護婦さんの監視のもと太い点滴が2本になり量もMAXに。これで痛みが引かなければここでは対応できないの。と言われて不安もMAXに!!
天と地を同時に体感した2日目…精神疲れMAXに。
療養するために入院したはずが…頭がおかしくなりそうでした。
本当どうしよう、本当にごめんね、赤ちゃんごめんね…痛み何とか治まってくれ。
この時33週5日目、こちらの病院では34週にならないと帝王切開(まだ逆子のため)ができないのと、この状態で赤ちゃんがお腹を蹴った時に、万が一子宮を破って足が出てしまった場合の緊急措置に備え、先生の判断ですぐに別の病院へ緊急搬送されることになりました。
救急車で搬送先の大きな病院へ到着。
ここは一体どこ…
見たことのない荘厳な景色、来たことのない市、もう大変なことになってる。。
(ちなみに私の親は、私が入院した前日からハワイへ旅行。娘の大事態を知らずに旅を満喫しております。もういっその事知らせずに…泣笑)
搬送先でエコーをとってみると先生から一言。「逆子直ってるよ!?」看護婦さんたちからは「お母さんおもいね、良い子ね」(えっっ!?)驚きです。妊娠初期の時の言葉を思い出しました。
私は赤ちゃんのことを何からも守ってあげられてないのに、赤ちゃんから何度も助けられている、とそう感じて自分の不甲斐なさに涙がでました。同時に、お腹の中のまだ見ぬ子と確かな繋がりを感じていました。
助けられたのは転院する際にも。たぶんですが、逆子は初めの病院に居るときに直っていたのだと思います。肋骨を一度蹴られてあれっ?と思うことがあったからです。
それからエコーを取る間もなく転院となりましたから。もし、逆子が直っているのがわかっていたら、そして34週になるまでの数日を持ちこたえていたら、すぐ帝王切開で早々に産まれてしまっていたかもしれません。内心それだけは絶対に避けたかった。点滴がきかなければどうすることも出来ないけれど、それだけは絶対に。そう念じていたのが我が子に伝わったのでしょうか。
転院先の病院は静かで、ゆっくり眠ることができました。心から休まりました。数日でハリも痛みも安定しました。看護婦さんたちも何度も何度も見に来てくれて、しっかり療養することができました。点滴は最後までMAX2本入れたまま(看護婦さんに、こんな人いるんだと驚かれましたが笑)でしたが、なんとか持ちこたえることができ、お陰様で20日間の入院ののち、無事に退院することが叶いました。
そして、今年の2月に予定日より3日も過ぎて健康に元気に産まれてきてくれました。出産当日までずっとお腹のハリを感じていましたが、予定日以上持ちこたえてくれるとは夢にも思いもしませんでした。
これもすべて、我が子がお腹の中で踏ん張ってくれたお陰です。
出産当日も8時間で元気に産まれ安産でした。
産まれてきた今も、お母さんおもいの良い子です。お腹にいた時のように我慢強い子です。一日を通してほとんど泣くことがなく、グズることもなく、そのかわりにニッコニコの笑顔をたくさんくれる穏やかな子です。毎朝、そろそろ起こそうかと見に行くと、もう起きて一人で遊んでいます。そっと観察していると、起きるとすぐに周りを見回し、両足を上げてずっと遊んでいる様子。近づく私に気付くとニコニコで迎えてくれます。
いつも私を助けてくれる子です。
あの時の体験を思い出すだけで今もヒヤヒヤ。本当に無事に産まれてくれて良かったとホッと胸をなでおろすばかりです。軽い生理痛の痛みを少しでも感じたら要注意ですっ!!!
すぐに病院へ行きましょう!!
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
妊娠時期別記事
著者:かぽ
38歳で出産を経験したのーてんきママです。
毎日、できすぎの娘(6ヶ月)に助けられてます。
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