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口に出す、紙に書く、認知特性の違いによって「どうやったら伝わるのか」を考える by うだひろえ

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前回の記事の時に、気づいたことがありました。

それは、ボードや図で【可視化】することが、うちの娘(4歳)には、伝わりにくいのかも、ということ。

 

娘は言葉が早く、1歳半健診の頃には2語文どころか3語文も巧みにしゃべり、1聞くと10答えるような、とにかくおしゃべりな子です。

対して息子(6歳)は、3歳児健診で要相談となったくらいには言葉が遅めで、今も「今日は幼稚園で何して遊んだ?」と聞いても「う~ん、わすれた」で終わってしまうような子です。

いろいろ言っても伝わらないことが多いので、私がよくやるように紙やホワイトボードに書いて可視化してみると、伝わることが増え、「子どもにもやっぱり可視化だ!」なんて思ったりしました。

 

なので、娘にも当たり前のように通じると思ったのですが。

どうやら、娘、「書いたもの」よりも、私の「言ったこと」をよく聞き、覚えているようで。

最初は、まだ字が読めないからなのか、とも思い、絵で描いたりしたのですが、それでもなかなか伝わらず、ひらがなが読めるようになった今も変わりなく。

それよりも、私が昨日言ったこと、数日前に言ったことなど覚えていて、「あのときママはこういった」なんて、私が忘れてるようなことも言ってきます。

 

ふと、思い出しました。

夫と付き合い始めの頃、二人ともが好きなミュージシャンの新作アルバムCDを買って、一緒に聞いていた時。

「ねえ、なんでCD聴きながら歌詞カード見るの?」と夫に聞かれたことを。

「見るでしょ。歌詞見るし、ジャケットの写真見るし、スタッフとか見るし」と私が答えると、

「オレは見ないよ、音楽聴けばよくない?」と不思議そうな夫。

「え、聴いてるけど、え?」なんて、会話をしました。

 

その時は、「この人はこういう人なんだ~」くらいにしか思ってなかったのですが。

 

これ、うちの子たちの性質……【特性】と言われるものに現れているのでは!?

しかもこれ、うまく伸ばしてあげないと、子ども自身が大変な思いをするやつでは!?

と思い、調べてみました。

 

どうやら、私と息子は、目からの情報を処理するのが得意な「視覚優位」、夫と娘は耳からの情報を処理するのが得意な「聴覚優位」のようでした。

他にも言語化に優れた「言語優位」という特性もあり、私はそれもありました。

(より詳しいこと気になる方は「認知特性」で調べてみてくださいね)

 

だから私は、耳からの情報だけでは「音楽」を楽しめずに歌詞カードを見て楽しむし、夫は音楽だけでいろんな音が楽しめてそれで十分なのだそうです。

夫に詳しく聞いてみると、日常の中でもいろいろな「音」が気になってしまうとのこと。

レストランなどに行くと他の人の会話や店内BGMが全部耳に入ってきて気になってしまうから、「一人の時はずっとヘッドフォンして音楽聞いてる」のだとか。

私はというと、人の顔や様子、メニューやポスターなどを延々「見る」ことはするけど、音なんて一緒にいる人と会話する声しか聞こえません。

話してみて、お互い相手に「そんな風に世界が見えてたの!?」と、その違いにびっくりしました。

 

そして怖くなりました。

この特性の違いを知らずに、娘に接し続けていたら。

「なんでこれができないの!?」なんてイライラしたり、どうすりゃいいのかわからなくて諦めたり、していそうでした。

 

でも、知ることができて、とりあえず、ホッ。

しかも、夫のことも今までより理解できて、より思いやりを持てるようになったり。

 

本を読んだり話をしたりして、特性の理解を深めつつ、子どもたちそれぞれのいいところを伸ばしてあげられたら、と思うようになりました。

 
 

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著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:年長、年少

マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。年長男児&年少女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ流し中。

website:http://umeyon.net
最新刊:「家事も、育児も、お金も、紙に書くだけでお悩みスッキリ!とにかく書き出し解決術!」(KADOKAWA)

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