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卒園前に次男と歩いた帰り道。子育てで一番大切なのは、こういう時間なのかもしれないー。 by マルサイ

先日、次男が3年間通った幼稚園を卒園しました。
雪の舞う中での卒園式はとても寒かったですが、子どもたちの笑顔と元気な歌声に包まれた二時間、心はずっと暖かかったです。


卒園式の一週間前にランドセルが届きました。
背負った姿を見た瞬間、胸がキュウっとしました。

 

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次男が入園する数ヶ月前に三男が生まれ、翌年は長男が小学校入学、そのまた翌年は三男が2歳児クラスに入園と、次男の在園中は兄弟の生活変化が著しくそちらの対応ばかりに追われていました。

次男の園での三年間をよく把握しないまま卒園になってしまい、もっと話を聞いてあげたり一緒に取り組んであげたりすれば良かったと後悔の気持ちが襲ってきたのです。

 

次男は幼稚園に行きたくないとじれたことがほとんどありませんでした。
いつも楽しそうにバス停に向かいスムーズに登園していて、長男や三男に比べると通わせるのに苦労をした思い出がほとんどありません。

一時期は育てにくさを感じたこともありましたが、幼稚園に入ってからは手がかからなくなり、そのおかげでストレスなく三男のお世話ができたり自宅での仕事を始めることができました。
小学生になることについても前向きで、弱音や不安を口に出すこともありません。

でも、本当はもっと私に聞いてほしい本音があるんじゃないかとふと心配になりました。

 

私がいつも忙しくしていたり、二人で話し合う落ち着いた時間がなかったりで、もしかしたら本当の気持ちを伝えるの遠慮したり、諦めてしまっているのではないだろうか。
意識的に二人きりで過ごす時間をもっと作るべきだったのではないだろうか…

そんなことを考えていたタイミングに、年長組の親睦会がありました。
幼稚園から30分ほど歩いた場所にある川で親子で土手すべりをします。
土手へ向かう間は安全面も考えて子どもとお母さんが手を繋いで歩くのですが、次男は手を繋ごうとしません。

照れくさそうでもあり反発しているようでもあり…

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ハッとしました。
そういえば、最近次男と手を繋いで歩いていない。

バス停までの行き帰りも三男とばかり手を繋いでいるし、家族で出かける時も私はいつも三男担当です。

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そこで私は決めました。
今日はせっかく二人で歩ける貴重な時間。
急かしたりたしなめたりせず、とことん次男の歩調に合わせよう。
ふざけたり寄り道したりでクラスの列から大幅に遅れましたが、気にしないことにしました。

二人で歩く時間はこれから少なくなる一方なんだと思ったら、背中を出しながらしゃがんでいた次男の後ろ姿がとても小さく感じました。

まだ6歳で母を一人占めしたい気持ちもあっただろうに、三男が生まれてからこれまでたくさんのことを我慢してきたに違いありません。


目的地まであと10分となった時、次男がスッと手を繋いできました。
三男の手より厚みのあるしっかりとした手です。

でも私の手に比べるととても小さくて、この手をずっと繋いでいたいと思いました。

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ひとしきり土手すべりを楽しむと待ちに待ったオヤツです。
スティックゼリーが二本配られると、「はい、これお母ちゃんのね」と一本くれました。
これは子どものオヤツだから二本とも次男が食べていいんだよと言うと、他のお母さんも食べていないことを確認して二本目のゼリーを食べ始めました。

帰り道はずっと手を繋いで、もし一軒家を建てるならどんなおうちがいいかなんて他愛のない話をしながらのんびりと歩きました。

ふと、子育てで一番大切なのはこういう時間なのかもしれない、と思いました。

 

一年生になったらしばらくの間は小学校まで迎えに行き一緒に下校します。
おしゃべりな次男のことだから、家に着くまでの間は小学校での出来事をたくさん話してくれることでしょう。

家に着けば三人の子どものお母さんですが、二人きりになれた時は次男だけのお母さんでいてあげたいと思います。

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著者:マルサイ
年齢:37歳
子どもの年齢:7歳・5歳・2歳

子どもたちが寝静まった後の大人のゴールデンタイムに描いた絵日記をインスタグラムに投稿するのが最高の娯楽。趣味は田んぼの生き物を観察すること。単行本「男子が3人います。」(大和書房)発売中!

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