5歳の娘がいます。
「子育てってたいへん!」と強く感じるようになったのは、娘が2歳になったころ。
いわゆるイヤイヤ期ですね。
自我が芽生えて、少しずつ言葉を習得しはじめたけれど、まだ自分の思いをうまく伝えられない。
そんな娘の思いを受けとめたいけれど、私だっていつも余裕があるわけじゃない。
洗濯や料理などの家事は山のようにあるし、仕事だってある。
毎日のように娘と衝突しては、自己嫌悪になっていました。
たとえば髪の毛を結んでほしいと言われたのでやってあげたら、思っていたのと違っていたようで「ちがう、ちがう!」。
どうしてほしいのか私も全然わかんない!
そのうち娘が大泣きして、しだいに興奮状態に。途中からは、なんで泣いていたのか、本人ですらわからなくなっていたはず。
そんな娘を前に、私も感情的になって、つい怒鳴ってしまった……。
娘が生まれる前は、こんなふうに怒ることなんてなかったのに、って、自分でもびっくりするような声が出ていました。
ある日、本屋さんで西原理恵子さんの『女の子が生きていくときに、覚えていてほしいこと』を見かけました。
Instagramなどで話題になっていて、ずっと読みたかった本。
家に帰って「少しだけ……」のつもりが一気読み。
もうすぐ飛び立とうとしている娘さんへのエールと、その後ろ姿に少し感傷的になってしまう感じが、まるで10年後の自分を見ているような気がして、「この気持ちを忘れたくない。今のこの時間を大切にしたい」と強く思いました。
その思いを絵本『あなたのことが だいすき』にしました。
今も、うまくいかなくて落ち込むことはたくさんあります。
だけど、「だいすきなんだよ」って気持ちは変わらない。
この絵本が、みんなで子育ての話をするきっかけになればうれしいな。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
えがしらみちこ
子どもが見せる一瞬の表情をみずみずしいタッチで描く絵本作家。主な絵本に『なきごえバス』『なきごえたくはいびん』(白泉社)、『ねんねのうた』『あめふりさんぽ』(講談社)、『いろいろおしたく』(小学館)などがある。
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