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「お兄ちゃんなんだから我慢しなさい!」上の子へのNGワードに代わる素敵な言葉がけ by うだひろえ

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私は姉妹の姉。妹とケンカすると、いっつも「お姉ちゃんなんだから、我慢しなさい!」と言われていました。
これを言われた私、たとえ妹が悪かろうとなんだろうと、私=姉=絶対我慢、という理屈を押し付けられ、「好きでお姉ちゃんになったわけじゃないのに!!」と思ったものでした。
その不条理な怒りは妹へ向かい、大人が見てないところで妹をいじめたり、仲間はずれにしたり、妹はそれを大人に告げ口したり。まあ、姉妹仲は大変悪かったです。

 

だから自分が親になったら、上の子に「お兄(姉)ちゃんなんだから我慢しなさい!」なんて絶対言わないでおこう、と誓い、そして実際兄妹の親になった今も思ってはいるのですが。

出そうです。
必死で止めてないと、スルッと、言ってしまいそうです。

 

日々勃発するきょうだいゲンカ、それぞれの話を聞いて、気持ちの切り替えをして、なんとか収めるようにしているのですが。

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「そこはやっぱり、妹はまだ無理だよ、お兄ちゃんちょっとがんばっておくれよ~!」と思ってしまうことも。
あんなに言われて嫌だったセリフを、自分が口にしようとしていることにびっくりして、子育ての難しさを痛感したりしました。

 

ある日、お友達(うちと同い年の姉弟+中学生の子(その日は不在)がいる)と遊んでいると、当然のように起きる揉め事。
上の子二人が仲良く遊んでいるところに、乱入する下の子たち、「来ないで!」「あんたたちはダメ!」と怒る兄姉、相手の都合おかまいなしに「やーりーたーいー!!」と泣き叫ぶ妹弟。
げんなりしながら近寄る私、下の子たちに別の遊びを提案しようとしたところ。
一緒にいたお友達ママ、上に中学生の子がいるので先輩ママでもあるのですが。

「お兄ちゃん、お姉ちゃん」と上の子二人に話しかけます。
「じぶんよりちいさいこに、やさしくゆずってあげられる?」

しばらく考えた二人、お姉ちゃんは慣れているのか少ししてコクンと頷き、それを見てうちのお兄ちゃんも頷き。
ママはにっこり、「さ~すが!お兄ちゃんお姉ちゃん!かっこいいな~!」パチパチパチ、拍手。
下の子たちに「ゆずってくれたよ」と伝えると、泣き止んで「ありがとう」と言うという。

「これだ……!!」私、感銘を受けて震えました。
私が言いたかったこと、そしてきっと私の母も、こうしたかったんだろうと思ったら、目の前がパアッと開けました。

 

まず、私は下の子二人を別の遊びに誘って引きはがそうとしましたが、それだと一時的には解決しても、問題はそのままなんだと思い知らされました。
この先輩ママは、「話の通じやすい上の子に」「通じるような言葉を使って」「こちら(ママ)の希望を伝える」ことをしてるんですよね。

そしてYESの返事ができたら褒める。多分、お姉ちゃんは普段から言われているのでしょう、褒められることがわかってか、すぐに頷きました。

下の子たちも、「ゆずってくれた」とわかれば「ありがとう」と言うし、上の子たちが褒められているのを見れば「自分も、自分より小さい子には優しくしよう」と思ってくれるという、素敵な流れが出来上がってました。

その後も「あそびかた、おしえてあげられる?」と上の子たちに聞き、頷いたら「さすがだね!お願いね」とみんなで遊べるようにして。
いやはや、すごかったです。

 

以来、日々の生活にこの言い方を取り入れている我が家。
「ゆずってあげられる?」と聞いて「いやだ!」と言う時もありますが、「じゃあ、どうしようか」と一緒に考えると、「こっちはダメだけど、こっちはかしてあげる」と兄なりの案を出してくれるようになって。
妹がそれでよければオッケー、妹も「こっちはやだ!そっちがいい!」となったらまた考えて……ま、分岐は永遠にありますが……我慢を強いることなく、「できる人がやる」「みんな無理なら方策を考える」ようになってきました。

こうすることで、私にかかっていた「お姉ちゃんなんだから我慢しなさい!」の呪いまでも、打ち消すことができるのかなと思います。

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著者:うだひろえ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:小1、年中

マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。年長男児&年少女児の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ流し中。

website:http://umeyon.net
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