こんにちは。石塚ワカメです。
フリーダムすぎる小2男児と2歳女児、激務で影の薄い旦那と余裕なく暮らしています。
前回の続きです。
さて、VBACはできなかったものの予定帝王切開で無事赤ちゃんが産まれたわけですが、ここからまた新たなドラマが始まります!
上の子の出産時、手術当日は術後の傷と後陣痛の痛みのダブルパンチで地獄のような夜を過ごしたのが非常につらかったので、あらかじめマタニティプランに「帝王切開後の痛みを何とかしてくれ」と書いておきました。それを汲んでくださったのか今回は強めの麻酔を長めにしてもらったので、ちっとも痛まず快適♪
その晩は麻酔の影響か産後ハイなのか、妙な興奮でトリッキー状態!
下半身はいっさい動かないけど目はギンギンなので友人知人に赤ちゃんの写真を送りまくります。
分娩室から届いてくる陣痛に苦しむ妊婦さんの声を聞きながら、「陣痛ってあんな声が出るほど痛いんだ…。こんなに快適なんだから、みんな帝王切開で産めばいいのに~♪」と呑気に思う私。
そう、このときの私はまだ知らなかったのです。この後に待ち受ける地獄の苦しみを…。
陣痛や術後の痛みの代わりに、私に降りかかった苦しみとは…
手術中の麻酔による嘔吐での窒息を避けるため朝から丸一日何も食べてないし、浣腸で腸の中は空っぽ。
開腹手術なので、食事はおろか、術後で熱が出ているのに水も飲めません。
前回は痛みでそれどころじゃなかったのですが、今回は痛みもなく快適なだけに腹の減りが気になって仕方がない。
空腹のあまり病室を抜け出して自販機に行こうと目論むも、下半身がちっとも動きません。
助産師さんが様子を見にきてくれるたびにゾンビの形相で空腹と喉の渇きを訴えていたら、「少しだけですよ」と氷をひとつぶ口に入れてくれました。
想像できますか?
カラカラに乾いた口の中に染み渡る冷たい氷の魅力を…。
そのおいしさたるやもう!!
いやはや、世の中にこんなにおいしい氷があるなんて知りませんでしたね。
氷ひとつぶで歓喜する私の姿がよほど哀れにうつったのか、女神さまはその後1時間おきに氷を与えに来てくださるではありませんか!自分では身体を動かせず、ひたすら天井を眺めながら助産師さんが与えてくれるひとつぶの氷を心待ちにする…あれは乳児の気持ちがちょっとわかった気がする体験でしたね(たぶん違う)。
しかし氷だけでは飽き足らず、ふとカバンの中に入れっぱなしにしていた1枚のガムの存在を思い出した私。
助産師さんに泣きの演技で何度もしつこく哀願して、「本当はやめておいたほうがいいんですけど1枚だけなら特別に…」と先生に確認のうえお許しをもらいました。
想像できますか?
丸一日飲まず食わずからの、ひさしぶりの味。ひさしぶりの刺激!言わずもがなうまい!!
天にものぼる美味しさでしたが、出産前、産気付けのために行った焼肉屋でもらったガムだったので複雑な気持ちで噛みしめました。
ところで赤ちゃんは新生児室で預かってもらっていたのですが、「呼吸が安定しないので保育器に入れるかもしれません」とのことで、コットで運ばれて来ました。
赤ちゃんにつながれたモニターからは、「ピピピ!ピピピ!」と頻繁に赤ちゃんの呼吸の異常を知らせる警告音が鳴ります。
通常赤ちゃんは、陣痛中や産道を通るときに圧力で肺の中の水分を吐き出しながら肺呼吸に切り替えるのですが、帝王切開で出産予定日よりも早く生まれた赤ちゃんはそういった手順なしでいきなり出されるので、肺の中に水分が残ってしまうことがあるそうです。
そうか、だから産後の処置にやたら時間がかかっていたのかも…。
「小さな身体で苦しんでいたんだね。ごめんね…」と涙ぐむ母。
しかし助産師さんが私の小脇に赤ちゃんを寝かせると、それまでけたたましく鳴っていた警告音が止まりました。
もう一度コットに寝かせると、ピピピ!と鳴る警告音。
再び私の小脇に寝かせると、止まる警告音。
「あれ!?お母さんのそばにいると、呼吸が安定するみたいです。こんなことあるんですねー!」と助産師さんは首をかしげていたのですが、そのときの私には、至極当然のことに思えました。
と、赤ちゃんが苦しんでいる間、空腹のあまり変なテンションになっていたことも忘れて母性を滲み出すワカメであった──。
次回に続く!
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:石塚ワカメ
年齢:アラフォー
子どもの年齢:7歳男児、2歳女児
余裕のないアラフォーがフリーダムすぎる子どもたちの成長を絵日記ブログなどで綴っています。著書は「毎日が育ジーザス!!(主婦の友社)」など。
Twitter:@WakameEnk
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