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過去の自分が発した冷たい視線を、母になった今感じている by tomekko

こんにちは。三兄弟それぞれの成長が夏は特に目立つような気がして嬉しいやら切ないやら…複雑な気持ちのtomekkoです。

ここ数年来、定期的に特にネットの世界では盛り上がりがちな「子連れ・ベビーカー迷惑論争」をまた最近目にして少し気分が落ち込みました。

公共の場で泣く子を(パフォーマンスでも)泣きやませようとしない親への非難、ベビーカーで公共交通手段を利用することへの苦情…

なんて不寛容な世の中なんだろう、自分だって子どもだった頃がみんなあるのに、これじゃ少子化も加速するよ…

とため息ばかりが出てしまうのですが、実はワタシ、そんな人たちのことを諸手を上げて否定することはできません。

 

今は賑やかな男子三人を子育て中のワタシですが、今回は“母”になる前のワタシを振り返って懺悔したいことがあります。

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独身時代のワタシは、当時わりと過酷な働き方をする業種にいました。

毎日22時ごろまで、遅い時には終電まで働くのも当たり前、1人で抱え込むには無理のある業務量、そのため寝不足が続き、家には寝に帰るだけ。だいたい平均4〜5時間睡眠だった時期のことです。

 

全国各地への出張も多く、出張先への到着時間によっては始発の電車に乗るためまだ夜も明けないうちに家を出ることもありました。

つまり、飛行機や新幹線での移動時間だけが、唯一の休息時間だったんです。

 

今でも時々思い出す出来事、それは8月、新幹線の中でのことでした。

前日は終電まで仕事をして帰宅は午前1時ごろ。それから荷造りをして、少し眠ったら始発電車に合わせてすぐに出発。
そうして乗り込んだ品川発の新幹線。
眠る場所を確保するため、自腹で追加料金を払って指定席にドッと腰を下ろし、早速目を閉じました。

 

するとしばらくして停まった駅で、ワタシのいた車両に大人数の家族連れが乗ってきました。

幼稚園から小学生ぐらいの男の子が2人に父母と祖父母も一緒。夏休み中ということもあり、これから温泉旅行にでも行くような様子で和気藹々としていました。

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すぐに3人席を向かい合わせにすると、みんなでワイワイ楽しそうにおしゃべりが始まりました。子どもたちのはしゃぐ声、そして静かにさせようという気のない大人たちの様子に、ワタシの中で湧き上がるイライラゲージはどんどん上昇していきました。

 

今思い返すと、彼らは特別うるさい乗客というわけではなかったと思います。

子どもたちはテンションが上がってやや声が大きかったものの、席を飛び出して周りに迷惑をかけるわけでもなく、家族で楽しくカードゲームに興じていただけでした。

 

でも、当時のワタシにとっては、キーの高い子どものはしゃぎ声も、時折ドッと全員で笑う声も地獄のようにストレスで、知らず知らずのうちにため息が漏れていたかもしれません。

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なんでこんなに働いて疲れて、休日出勤で出張までしているワタシが我慢しなくちゃいけないの?

ここしか寝るチャンスが無いからわざわざ指定席にしたのに(グリーン車分払えるほどの稼ぎは無かった)…

ワタシの時間とお金を返して…!!!!!

 

過労でやや鬱気味だったかもしれない当時のワタシには、幸せそうな行楽家族を微笑ましく見守る心の余裕はありませんでした。

今なら、

この家族のお父さんお母さんだって普段は同様に遅くまで働いたり家事で疲れてひどい寝不足なのかもしれない。

おじいちゃんおばあちゃんにとっては、滅多にない孫たちとの旅行をずうっと前から楽しみにしていたのかもしれない。

移動時間だって旅行のうちだから、はしゃぐのだって当然だし楽しそうで何より!

…と、それぞれの立場や今見えている部分以外にも想像を働かせられるんですけどね。

 

そしてワタシは今、当時のワタシからため息をつかれていた側の立場にいます。

 

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現在、家族での移動はもっぱら自家用車。
迷惑に思う人の気持ちも分かるし、それを想像して心をすり減らしながら移動するのもストレスだから。

家族を持ったり働き方を変えたり、さまざまな立場を自分自身も経験するとたしかに寛容になれるけれど、配慮しすぎて選択肢が限られるデメリットも感じています。

 

逆に、じゃあ当時のワタシのように、独身者や子どものいない人は経験が無いから理解できなくて当然、文句を言って当たり前、でいいのか?とも思います。 

子連れ、家族連れが公共交通機関や場所を使う(=どうしても騒がしくなりがち)ことが悪? それとも、それを受け入れられず文句を言う人が悪い?

 

本当は、誰も悪くはないと思うんです。

 

他人のいろんな事情を汲み取るには、経験のあるなし以上に、心に十分なスペースとエネルギーが必要。

でも心身を病むほどの働き方や日常生活でも強いストレスを抱えている人が多いのが社会の実情なのかもしれません。

独身者vs子連れ的な構造で語られがちな分かり合えなさは、ワンオペ育児母vs過労夫でも繰り広げられている普遍的な問題だし。

誰かだけが我慢するんじゃなく、子育ても介護も、理解し合い協力して進めていく社会にできたら…と思うけれど、一体どうしたらいいんだろう?

 

具体的な答えが見えないまま悶々としている今日この頃なのですが、実はワタシにはもう一つ懺悔したい過去があるので…

次回、長男妊娠中・育児中に自分でかけていた呪いについてもお話しさせてください。

 

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著者:tomekko
年齢:37歳
子どもの年齢:長男7歳、次男3歳、三男1歳

6歳おっとり長男、2歳もっちり次男、たぶんあっさりな生後4カ月の三男という、男子三兄弟に日々育てられています。いつも眠い夫にちょっとイラつきつつ、ドタバタな毎日のようすを描いた育児絵日記をインスタグラムに投稿するのが楽しみ。

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