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「大人だってまちがえるよ」。うまくできないと癇癪を起こす息子に効いた一言 by うだひろえ

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子どもって、初めてのことも自分は完璧にできて当然と思ってるんですよね。すごいですよね、それどんなパーフェクトヒューマンだっていう。
うちの息子も2歳くらいから「やる!」と自信満々で取り組み、そして、当然できなくてギャーン。そんなのをもう何年、何億回と繰り返してきたことでしょう。

そのたびに、「コレはまだちょっとむずかしいよ」「もう少し大きくなったらできるようになるよ」「ここをこうすればいいんだよ」「ここだけ直せばいいんだよ」などと、言葉を尽くして説得してきた私。

しかしどれもイマイチ響かず、結局私がやったり、気持ちを切り替えるために別のことをやったりして、無理くりその場をしのいできました。

それが、一瞬で「響いた!」と感じたことがありました。

 

息子年中さんの頃。幼児向け雑誌のふろくを自分で作ろうとして、できなくてギャーンとなって、しぶしぶ私が作る、いつものパターン。

しかしコレが、むずかしい!!コレ完全に大人が作る設定だよね?ってか私も、説明読んでも全然わからない。でも隣で完成を待ってる我が子のキラキラした目、ううう、コレみんなやってるの?そもそも、バタバタな生活の中で、こんなのやってる時間どこ!?
とイライラしながら適当に作っていたら、案の定間違えて、失敗。げぇぇぇ。
「まちがえたー、もう何コレー、こんなの大人だってまちがえるよ」
思わずボヤいていたのを、聞いた息子。ハッとした顔をして。

「おとなもまちがえるの……?」

何か重大なことに気づいた様子の息子に、「そりゃそうだよ!」と突っ込んで、私もハッとします。
私、今まで何を話してきたっけ。
こうすればできるとか、いつならできるとか。できるためのこと。うん、それも大事。

だけど。
できなくて当然、失敗は成功のもと、またやればいい。
そういうこと、私、伝えてなかったかも……!

「そうだよ、ママもね、しょっちゅうまちがえるし失敗するよ。でも作り直したりちょっと修正したり、すればいいんだよね」
そう話すと、「おお……」と小さくうなる息子。
「昨日もかぼちゃ煮て焦がしちゃったけど、上の方は美味しくて息子くんも食べてくれたし、焦がした鍋はお酢を入れて沸かしたらキレイになったよ」
「へえ~」
「仕事でもね、一発でOK出るなんてほとんどないよ、間違えに気づかずに出しちゃうこともあるしね」
「そうなの?あはは」
「でもね、指摘されて直して、そうすると前よりぐっとよくなるの、おもしろいよ」
「ふうん」

ここぞとばかりに自分のうっかりぷりを披露すると、息子は面白そうに笑い、スッと腑に落ちたようでした。

 

当時、娘も2歳で絶賛イヤイヤ期。それからは、娘にも「まちがえてもいいんだよ」と話すようにしました。
ま、まだ2歳にはなかなか伝わらず、それくらいじゃあギャン泣きは収まりませんでしたけどね。

でも5歳の息子が、私と一緒になって「そうだよ、おとなだってまちがえるんだからね」と伝えてくれるようになって。
娘が落ち着くのは、早くなったように思いました。

 

息子は現在小学2年生になり、テストや宿題でうっかりミスを連発しておりますが。
私、今のところ、間違いを責めることなく冷静に指摘することができているように思います。
息子も、指摘されたらチャチャっと直して「できた!」、私はそこに大きな花マル。

こうすることで、息子が、誰かの間違いを「責める」ことない人になってくれたら……と思いつつ。

 

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著者:うだひろえ
年齢:40代
子どもの年齢:小2と年長

マンガ家/イラストレーター。愛知県生まれ。2008年『夢追い夫婦』(KADOKAWA)でコミックエッセイデビュー。『誰も教えてくれないお金の話』(サンクチュアリ出版/監修:泉正人)が30万部を超えるベストセラーに。一男一女の子育てに奔走する生活を、ツイッターやブログで垂れ流し中。

website:http://umeyon.net
最新刊:「大学4年間の経営学がマンガでざっと学べる」(マンガ担当)(KADOKAWA)

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