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“寝落ち”に絶望するほど不自由だったけれど…。赤ちゃん育児時代は今の私を支える人生の糧 by マルサイ

寝かしつけ生活も早10年目。

布団を6畳の部屋いっぱいに敷き詰めて、今日あった出来事なんかを話して、いつまでも喋り続ける次男に「早く寝て〜」など言っているうちに自分の方が早く寝てしまって、ハッと起きると知らないうちに全員寝てたなんていう毎日を相も変わらず過ごしています。

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赤ちゃん育児時代(主に第一子、第二子)は1日の90%以上を「母」として過ごしていた感覚があったので、子どもが寝た後の時間が「自分」として魂を解放できる唯一のひとときでした。

(と言ってもドアを少しだけ開けて子どもの寝息に耳を立てながらの自由時間だったので、完全に「母」から解放されるわけではなかったですが)

 

 

ですが子どもが寝たらあれをやってこれもやって…と楽しみにしていたのにうっかり寝落ちしてしまうこともしばしば。

そういう時は体は休まっても心の充足感が得られず、また「母」の1日が始まるのかぁ…なんて救いようのない気持ちで朝を迎えたりしていました。

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そんな母業メインな生活も三男が幼稚園に入ると一転。

日中に自分のペースで仕事や家事を進められるようになって、「母」と「自分」の割合が半々になりました。

寝かしつけからの寝落ちでそのまま朝を迎えても、「寝落ちほど気持ちのいい睡眠はないよなぁ!」なんて心身ともにエネルギーチャージできたような、なんとも満ち足りた気持ちに変わっていきました。

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思い返すと赤ちゃん育児時代は「自分は母として子どもといる時は100%子どものために過ごさなければいけない」という強迫観念に近い思い込みがありました。

その不器用さは初めての育児ならではのものだったのかもしれませんが、とにかく自分で自分を追い込んでいたように思います。
(しかも手の抜きどころもわからないから常に全力疾走)

 

ただそれは私にとって悪いことではありませんでした。

なぜかといえば、あの隙もないような不自由な時間のおかげで「子育てがひと段落したらあれもやりたい、これもやりたい」という将来の夢を持つことができましたし、
さらにその中から自分が真にやりたいと思えることを見つけるきっかけにもなってくれたからです。

 

時間に対する意識も変わりました。

5分でも空いた時間があればその5分でできることを常に考える癖がついたので、若い頃に比べると驚くくらい勤勉になりました(笑)

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当時は育児という終わりのない無限ループの中に取り残されてしまったような今まで感じたことのない孤独感や閉塞感に苛まれることもありましたし、諦めなくちゃいけないこともたくさんありました。

でもその経験は無駄にならずに人生の糧となって今の私を支えてくれていると感じています。

そんなわけで、今夜も将来の夢を思い描きながら寝ない子どもにイラっとしつつ、寝かしつけタイムを堪能しようと思います。

それにしてもあと何年やればいいんだ寝かしつけ…!

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著者:マルサイ
年齢:39歳
子どもの年齢:9歳・7歳・4歳

9歳・7歳・4歳の三兄弟の母。趣味は昆虫観察と磯の生き物観察。三兄弟との日々をインスタグラムにで発信中。著書に『男子が3人います。『主婦力ゼロからやってみた家事』(共に大和書房)など。

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