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総合病院での産後入院生活。不満ばかり感じていた自分を恥じた退院前日にみた光景  by ハナウタ

出産後即母子同室となり、痛みに悶えながらも添い乳という裏技を使いながらなんとかギリギリのところでやってきた産後の入院生活。

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全身痛くて歩くのも座るのも、トイレに行くことすら辛く、
まだ母乳もうまくいかず、あまり出ていないのか長時間吸わせ続けたり、かと思ったら胸が激烈に張って、激痛の中ケアをしたり…。

でも赤ちゃんは私が入浴する30分しか預かってもらえないのでそれ以外はずっと一緒。

 


総合病院だからなのかお食事も大変つつましく、
夫や息子は会いに来てくれるものの、感染防止のため子どもは産婦人科病棟に入れないので当時3歳の息子にはほぼ会えないし、
着替えやら何やら持ってきてくれる夫も、仕事と家事と息子の育児や出産の申請書類などを一気に担ってくれているので、私よりも大変そう…。自分もしっかりしなきゃと思うけれど、とにかく出産の痛みと休む時間がないことに疲れ果てていて、心も体もボロボロでした。

 

辛くて辛くて、今思えば完全に産後のマタニティーブルーがネガティブな方向にでちゃったパターンでした。

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1人目を出産した個人病院は、赤ちゃんを生後3日目まで預かるのがきまりになっていて、その間ゆっくり眠れて休めて、地元だったので友だちが毎日会いに来てくれて会話して癒されて、散歩したり産後体操したりする余裕とかあって、母乳マッサージがあってフェイシャルマッサージがあって、産後の特別ディナーがあって…ゆったりと過ごしており、早く母子同室になりたかったくらいでした。

家族も出入り自由だったので、上の子がいる人も、一緒に過ごせていたはず。
個室は家族の宿泊が自由だったので、夫も毎晩のように泊まり、深夜も交代しながら赤ちゃんのお世話をしていました。


今思えば夢みたいな入院生活。
退院したくなかったのを覚えています。


そんなことを思い出しては、
入院生活がこんなに辛いのは総合病院だから…?

臍帯辺縁異常がみつかったから、産後のリスク回避のため個人病院から総合病院へ転院したけど、やっぱりそのまま個人病院へ通って出産していたら、今どんな生活だったのかな…あそこの個人病院の三つ星シェフのディナー、食べてみたかったな…とか思っていました。(自分で選んだし、転院直後はラッキーとか思ってたんですけどね。でもそう考えてしまうくらいメンタルが追い込まれていました…)

 

あともう一点、気になることが。
…この病棟、産婦人科なのに、赤ちゃんの泣き声が全然聞こえないんです…

産婦人科と言えば赤ちゃんの泣き声がいろんな部屋から聞こえてきて、ほんわかしたり、みんな頑張っているんだなぁと励まされたり…1人目の時、私はそう感じてました。

最初はこの病院、防音設備がすごいのかな?と思っていたけど、外を通る人の足音は聞こえるし。
人が少ないわけでもなく、個室も相部屋もほぼ満室で、朝診察に行く時にも並んで待っている人がけっこういる。でもそんな時、赤ちゃんを連れて歩いているのはいつも私だけで、他に赤ちゃんを連れたお母さんに会ったことがない。

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もしかして、妊娠中のトラブルで入院してる人が多くて、産後の人がいないとか?いやいや、出産のとき第1分娩室は空いてなくて第2分娩室だったし、終わった後も次が来るからと少し早めに出たし。

なぜお母さんらしき人はたくさんいるのに、赤ちゃんの気配がないの…??
みんな泣き声が優しくてよく眠る赤ちゃんばかりとか…??

昼も夜もかまわず、めっっっっちゃ大きな声で泣く我が娘。
もしかして、こんなに大きな声でずっと泣いてるのはうちの子だけなのでは…??

と、その周りの静けさも、私のストレスの一因となっていました。

 

しかし、考え方ががらりと変わったのは退院前日、4日目の朝。
沐浴指導をするからと案内された部屋に入ってびっくり。

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広い部屋に、ずらーーーっと、保育器に入った赤ちゃんが並んでいたのです。ぱっと見ただけなので記憶はおぼろげですが、30以上はあったと思います。

カーテンで囲われ、入り口に何の表示も無い扉の向こうが、大きなNICUだったことを、この時初めて知ったんです。

小さな子、たくさんの管につながれた子、双子や三つ子らしき子、先に退院したと思われるお父さんとお母さんがミルクをあげに来ている子。
これまでの疑問がすべて解決したと同時に、胸が締めつけられる思いでした。

赤ちゃんの気配がなかったのはみんなここにいたからで、
私の場合は、たまたま、娘が特別な治療の必要なく生まれることができただけで、
それなのに、預かってくれる時間が短いとか、転院前の個人病院だったら…とか考えてた私は、なんと浅はかだったのだろうと恥ずかしくなりました。


そして理解しました。
個人経営の産院は出産や産後の思い出が豊かになるようなサービスを提供してくれるところが多いけれど、

ここ私が出産した総合病院は、母子の命を守るところなのだと。

無事に命を守ってもらい、出産させてもらったのに、不満抱えてて…ごめんなさい!!

 

でもやっぱり、産後はとにかくゆっくり体を休める時間も必要だと思います…
出産時のダメージを治すのに、本当に時間を要しました。

 

 

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著者:ハナウタ
年齢:30代
子どもの年齢:4歳、0歳

写真で残せなかった家族の日常をイラストで記録しています。子どもが大きくなってから読み返すのが楽しみです。

インスタグラム:hanautahaluta

※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。