こんにちは、ユーラシアです。
ある日、5歳の息子がこんなことを言ってきました。
「おかーさん、赤ちゃんの育て方を教えて!」
なんだ唐突に……とビックリしたのですが、息子のお友達の中には0歳の弟妹がいる子も多いため、息子も赤ちゃんという生き物に興味を持ったのかもしれません。
息子は赤ちゃんと接する機会があまり多くないので、赤ちゃんへの知識や理解があまり多くありません。
でも一人っ子の息子にとっても、赤ちゃんについて知るのはとてもいい勉強になるはず……! 育て方ならいくらでも教えてあげるよ!ということで、部屋の奥をガサゴソと捜索し、見つけてきました。息子が赤ちゃんだった頃に綴った、育児日記の数々です。
私はなんでも記録したがりな性質なので、息子一人のために何冊も育児ノートを消費してきました。こんなのもう必要になることはないだろうと思いつつも、捨てるのは忍びなく、まあ私の老後の楽しみ用に一応取っておこうかな……としまいこんでいたのですが、こんなタイミングで出番が来るとは。
そのノートを元に、赤ちゃんは生まれてしばらくは立つことも歩くこともできず、誰かがお世話をしてあげないと自力では食事もできないこと、排泄する度にオムツを替えてあげなきゃいけないことなどを解説しました。
息子は(さすがに赤ちゃんが歩けないことくらいは知ってましたが)「へ~……あかちゃんって、何もできないんだあ……」と興味深そうに聞いていました。
ところで、話が少し変わるのですが……。
実はこの頃、息子がなぜか妙に自分の存在?立場?に不安を持つようになっていて、イタズラがバレたり叱られたりする度に「ぼくのこと、きらいになった?」とか、「ぼくはずっとこのお家にいられる?」といった質問をするようになっていました。
もちろんその都度、私たちがどれだけ息子を愛しているかということや、今後も一緒に暮らすつもりでいることを話していたのですが、なかなか不安を根底から払拭することができずにいたんです。
でもこの育児記録には、実際に私がどれほど身を削って息子を育ててきたかが書かれていたので、説得力を持って息子に伝えることができたんですよね。
「0歳の頃は、夜中に何度も泣いて起こされて、その度にミルクをあげたり、オムツを替えたりしたんだよー。眠くて大変だったけど、息子くんのことが大好きだから、お父さんもお母さんもがんばったんだよ」とか、「歩き始めてからは、ティッシュを撒き散らされたり、部屋中の引き出しをひっくり返されて、片付けるのに苦労したよ。でもそういう息子くんが可愛くて仕方なかったんだよ~」なんて話をしました。
2時間おきにしか眠れなくても、頻回授乳で乳首から血が噴出しても、外出先でお漏らしされて二人して半泣きで家に逃げ帰っても、それでも嫌いになんかならなかったし、離れて暮らそうとしたこともない。だからこれから先も、ずっと大好きだし大人になるまで一緒にいたいと思ってるよ、と。
この話を聞いて、息子も親の愛情というものを少しは感じ取ってくれたようで……「おとーさんとおかーさんは、ぼくのことを嫌いにならないんだね」ととりあえず納得してくれたみたいです。
数日かけて一通り育児日記を読み終わったところで、そもそもなぜ急に赤ちゃんの育て方に興味を持ったのかと不思議になったので真意を探ってみることに。もしかしたら弟や妹がいない寂しさなんかもあったりするのかな……とちょっと心配もあり……。
しかし息子の答えはこうでした。
「大人になったとき赤ちゃんの育て方がわからないと大変だから」。
なんと……考えていたのは弟や妹ではなく、自分の子供だったとは……! 5歳にして将来の育児に思いを馳せるなんて、イクメンの片鱗が見えたようで嬉しかったです。
いや、もはやイクメンは死語。性別に関わらず育児に向き合うのが当然、というのが今の常識になりつつあるし、息子が大人になる頃には、より洗練された考えが広まっているはず。実際息子が結婚するか子供を持つかは神のみぞ知ることですが、もしそうなったとき、このとき教えた赤ちゃん知識が少しは役に立ったらいいなあと思います。
私もよき姑になれるよう、まともな人間を目指そう……と思った冬の夕暮れでした。すごい鬱陶しい姑になりそうな自分が怖い……。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:ユーラシア
年齢:30代
子どもの年齢:5歳
2015年4月に男児を出産。割とテキトーに育児しているオタクでナマケモノな専業主婦です。思いもよらなかった子供の可愛さ奥深さに驚く毎日の中、老後の楽しみにと育児に関する絵や文章をちまちま描いています。息子はいつも親指を吸っています。
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