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【医師監修】帝王切開の傷痕がかゆくてみみずばれに!キレイに治すためのポイントとは

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つぶみさんには2人お子さんがいますが、どちらも帝王切開で出産しました。

 

ただ、ひとりめの時は、帝王切開後の傷痕がみみずばれのようになってしまい、痛みとかゆみがずっと続いたといいます。

傷の状態が落ち着かないうちにふたりめを妊娠。おなかがおおきくになるにつれてその傷痕がよりいっそう痛みだし、大変だったそうです。

 

 

その後、つぶみさんは、ふたりめを帝王切開で出産。その際、ひとりめの時の傷痕をキレイにしてもらい、ふたりめは帝王切開後のケアを入念にやったところ、みみずばれやかゆみなどのトラブルもなかったといいます。

 

そこで、帝王切開後の傷痕についてみみずばれになってしまう原因や、なりやすい人、傷痕をキレイに治すための対策について産婦人科医として多くの出産現場に携わっている竹内正人先生に聞いてみました。

 

Q:帝王切開後の傷痕がみみずばれになったり、かゆみが生じる原因はなんでしょうか。

A:傷痕がみみずばれになったりする主な要因は、体質や傷周囲の皮膚が引っ張られることや下着による摩擦などの刺激、紫外線などです。

全員ではありませんが、体質に因ってつぶみさんのように帝王切開をした後に傷がみみずばれ(ケロイド状)になる人はいます。子どもの頃、転んでひざにできた傷がいつまでも治りづらかった記憶のある人は、傷痕がみみずばれになる可能性が高いといえるでしょう。ご自身のお母さまが帝王切開で出産した際に傷痕が治りづらかった場合などは、体質が似ていると考えられるため、傷痕が腫れたりする可能性が高いかもしれません。

肥満気味の人、高血圧、糖尿病の疾患がある人もなりやすいといわれています。

また、縫合の仕方や皮膚が引っ張られることや下着による摩擦などの刺激なども傷痕が腫れる、痛くなる要因の1つと考えられています。

 

Q:帝王切開の方法として、「縦切り、横切り」がありますが、切り方と傷痕がキレイ治るかどうかは関係ありますか。

A:横切りの方が傷痕は目立ちづらいですが、キレイに治るかは術後のケアによります。

帝王切開をする際のおなかの切り方には「縦切り」と「横切り」があります。

「縦切り」は、切り口をタテに伸ばすことができ、赤ちゃんを早く取り出すことができるため、主に緊急時や癒着が起こっている時によく行われる方法です。一方「横切り」は、前もって予定してあった帝王切開時に多く行われますが、今は、予定外の帝王切開でも横に切ることも多くなってきました。

 術後の傷が目立ちにくいのは横切りですが、おなかの切り方と傷痕がキレイに治るかはあまり関係が無く、手術後のケアに因るところが大きいです。

ちなみに、「縦切り」「横切り」はおなかの皮膚の切り方で、どちらの切り方をしても子宮を切る際は、子宮に与えるダメージの少ない横切開になります。

 

 

Q:帝王切開の傷は、通常だと手術後にどのくらいでキレイになるものでしょうか。

A:表面の傷は2日で閉じますが、奥の子宮に近い膜はもう少しかかります。

通常、切開した皮膚は2日ぐらいで閉じることができますが、もっと奥にある膜の傷が治るまでには3カ月~1年かかるといわれています。

 

Q:つぶみさんは、ふたりめを帝王切開した後、傷痕にシリコンシートを貼っていますが…。

A:傷痕にシリコンシートや保護するためのテープを貼っておくと、キレイに治る可能性が高くなります。

帝王切開後の傷に力が加わったり、紫外線による刺激が加わると、それが原因でケロイドを引き起こすコラーゲンの異常増殖が起こるといわれいています。帝王切開後の傷痕の上にシリコンシートをのせておくと、コラーゲンの異常増殖をおさえる働きがあるため、つぶみさんは貼っていたのでしょう。

また、傷が引っ張られることや摩擦、紫外線などの刺激から守るために、傷痕を保護するテープを貼ってセルフケアをすることも、キレイに治すポイントの1つです。

ちなみに傷痕を保護するテープは、ドラッグストや薬店、通販などで購入することができます。

 

Q:その他、キレイに治すために気を付けたほうがいいことがありましたらお教えください。

A:肌にとって刺激となるようなことは避けましょう。

下着と傷が頻繁に触れると刺激になります。そのため、あまり肌にフィットするようなものではなく、ゆったりめの下着の方が望ましいでしょう。

傷痕を保護するテープをはがす際も、勢いよく剥がすと肌に刺激となってしまうので、そっと剥がす方がいいでしょう。

 

Q:帝王切開の傷痕が「傷痕がかゆい、腫れて痛い」などがいつまでも続くような場合、何科の病院を受診した方がいいでしょうか。

A:産後1カ月健診前なら出産した産婦人科へ、それ以降なら形成外科へ。

産後1カ月健診前なら、帝王切開をしてもらった産婦人科を受診するといいでしょう。それ以降であれば形成外科を受診してみてください。

 

昔に比べて縫い方や縫合に使う糸もクオリティが高くなっているので、帝王切開後の傷もケロイド状になりにくくなってきました。

子育てしながらなので大変だとは思いますが、きちんとセルフケアをして、帝王切開後の傷痕トラブルを軽減してくださいね。

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産婦人科医

竹内正人先生

日本医科大学卒業、米国ロマリンダ大学、日本医科大学大学院を経て、葛飾赤十字病院に勤務。東峯婦人クリニック副院長を経て現在はフリーに。著書に『はじめてママの「からだとこころの悩み」お助けBOOK』など。

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