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「自由な夜がほしい」そんな私に訪れたチャンス。静まり返った部屋の中で思ったことは… byユーラシア

こんにちは、ユーラシアです。

毎日5歳息子の育児に奮闘している私には、ささやかな夢があります。それは「自由な夜がほしい」。 

 

子供が幼稚園に通うようになって日中はフリーになりました。しかし午後には帰ってくるし、夜は今もべったり。特にうちの息子は私が寝室から抜け出すのを確実に察知する能力の持ち主なので、いわゆる「子供が寝た後のフリータイム」もありません。

独身時代のように、夜更かししてごろごろテレビ見たり、夕食をお菓子で済ませたり……年に一度でいいから、あんな自堕落で楽しい夜が過ごせたらなあ、なんて思う日々。
そんな私に夢の自由な夜を過ごすチャンスが訪れたのです。

それは去年の夏のこと。

我が家は親戚から空き家の管理を任されており、定期的に訪れては掃除などをしているのですが、ある日夫が「今度の連休、泊りがけで掃除しに行こうかな」と言い出しました。「夏休みはどこにも行けなかったし、旅行気分で行ってみない?」と(かなり近場ではあるのですが)。

確かに空き家なら誰にも気兼ねなく過ごせるし、息子も喜びそうだし、ちょっとした気晴らしにいいかも! と賛成したのですが……。
同時に思いました。家族で出かけるのも楽しい。でも、一人で自宅に残ったら、私はもっと楽しい夜を過ごせるのでは……!?

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夫に相談したところ、私だけ家に残ることを快諾。掃除と言ってもちょっと埃を払う程度なので息子がいても大丈夫だし、息子は元々「お父さんと二人だけでお出かけ」が大大大好きなので、むしろ私が残ると聞いて喜ぶほどでした。それはそれでどうなのかって感じですが……。

 


ということで、夫と息子は空き家へ出発して行きました。
丸一日ひとりなんて、息子が生まれて以来、いや結婚して以来のことです。大好きなアニメを見て、お菓子をむさぼるもよし、惰眠をむさぼるもよし。何をしてもいいなんて夢のよう……!

……なのに、静まり返った部屋の中で、私は思ってしまったのです。
「なんか、つまらないな」と……。

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私は元々単独行動が大好きなオタクで、一人時間の過ごし方には困らないはずなのに……!
いや、これはきっとあまりにも突然の、そしてあまりにも久々の自由時間に脳が困惑しているだけに違いない。息子も今頃夫と二人で楽しくドライブしていることだろうし、私も楽しく過ごそう! そう気持ちを切り替えようとしたとき、夫から着信が。

ウキウキで家を出て行った息子が、「車の中で『おかあさんに会いたい』と泣いている」と言うのです。

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それを聞いたら居ても立ってもいられなくなり、家を飛び出しました(大袈裟に書いています)。

 

一人で過ごすのが夢だったけど、息子の涙には勝てませんでした。私もいつの間にか母性(なのかは分かりません)がしっかり育っていたようで……。
まあ幼い子供と一緒にいられるのは長い人生で見ればほんの僅かな時間なはずですし、まだまだ一緒にいたいと泣いてくれる子供と特に意味もなく別々に過ごすなんて、なんだかもったいない気も?
自分だけの時間を持つのも大事ではありますが、子供はそのうち自然に離れていくものだし、夢の自由ナイトはもうちょっと先の楽しみに取っておいてもいいかもしれないと思いました。
息子は私を見るなり「べ、べつに泣いてないけど!?」と言ってましたが……。

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その晩は空き家の寝室で、自宅と同じように息子と並んで寝ました。やっぱり今はこうして息子の寝顔を確認しつつ寝落ちするのがしっくり来ます。
……と思ったのもつかの間、寝相の悪い息子の足が私のみぞおちにクリーンヒット。ダイナミックに布団の上を旋回する息子。無防備な私の顔面を蹴り上げる足。ポカポカの足の裏を頬に感じながら、「やっぱり家に残るんだった」と若干の後悔が湧いてきました。

 

こうして、次にチャンスがあったときは、絶対に一人で過ごしてやるんだ……と決意を新たにしたのでした。やっぱ夢は叶えないと。

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著者:ユーラシア
年齢:30代
子どもの年齢:5歳

2015年4月に男児を出産。割とテキトーに育児しているオタクでナマケモノな専業主婦です。思いもよらなかった子供の可愛さ奥深さに驚く毎日の中、老後の楽しみにと育児に関する絵や文章をちまちま描いています。息子はいつも親指を吸っています。

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