こんにちは、イシゲスズコです。
今回は、我が家の三男さんのランドセル選びと衝撃の後日談をお届けします。
私自身のトラウマになっていた、ランドセル選び
実はランドセルについて辛い思い出のある私。
あれは30数年前、入学を間近に控えて両親と出向いたランドセル売り場での出来事でした。
たくさんのランドセルを前にワクワクしていた私が口を挟む間も無く「うん、これだな」と父が選んだのはその売り場で一番上等だったらしい、牛革の赤いランドセルでした。
当時6歳の私はその違和感をうまく言葉にすることができなかったのを覚えています。
入学して、周りのお友達がピカピカの赤いランドセルを背負って通う中、くすんだ赤い牛革の重いランドセルを背負った自分がすごく惨めで、みんないいなぁと思っていました。
今思えば、我が子に一番いいものを、という父なりの愛情だったことは分からなくも無いんですけれど。
子どものランドセルは絶対自分で!
そんな経験をしてきた自分の反動だったのだと思います。
「子どもたち4人のランドセルは絶対に自分で選ばせる!」と強く思ってそれぞれの子たちに自分の好きな色やデザインを選ばせてきました。
上3人がそれぞれ、赤や黒では無いもののそれなりに落ち着いた色を選び、本人も満足しての通学。
よしよし、私のような辛かった思いはさせてないぞ…!と自信満々の私。
ところが5年前、三男が突きつけてきた本人の希望が「売り場には並んでいなけれど注文すれば手に入るすごく珍しい色のランドセル」でした。
手元に届いた、珍しい色のランドセル
その色のランドセルを持っている子は男女問わず道端で見たことはない、というような派手な色。
大反対の実家の両親と微妙な顔をする夫を尻目に「本人の希望通りにしてあげたい!」と細部まで本人の希望するデザインのランドセルを発注しました。
届いたランドセルに三男は大喜び。
登校する様子を遠目から見守るのにも見やすくていいなぁと私も大満足でした。
もし自分の子どもがランドセルを買うときは…
大好きな色のランドセルを4人それぞれに買ってやれた達成感に満ちていた私でしたが、三男入学から数年後に家族で雑談をしているときのこと。
「いろんな色や形のランドセルがあるよね〜」という話になったとき三男が衝撃的な言葉を発したのです…!
「ぼくはさぁ、もしお父さんになって自分の子供がランドセルを買うよっていうときになったら『6年生まで使うんだよ、どんな色にするかよく考えなよ』って言うと思う」
「え!それは三男くんランドセルの色に後悔があるってこと???」
自分の好きな色を選んで後悔はないと思い込んでいたのでつい聞いてしまいました。
三男曰く「あのときに好きな色を選ばせてくれたのはうれしかったんだけど、そのころは6年生まで使うっていうのをあまり深く考えてなかったんだよね」と。
「選ぶときの情報として6年まで使うんだよっていうのをもっと強調してくれてたらあの色にはしなかったかな〜ってちょっと思う」
と大変立派な返答をいただいてしまいました…
子どもに失敗なく選ばせる、って難しい
結局は自分のトラウマへの反動だったんだなぁと失敗を悔やむ私を「でも自分で選んだんだから、嫌だとは思ってないよ」と慰めてくれた三男。
家族からも「6年生まで使うよってぼくも言ったじゃん」とか「今だからそんな風に考えられるようになったんでしょ」なんて声もあって、子どもに失敗なく選ばせるって私が思っていたよりずっと難しいことだったんだろうなぁと痛感したりしました。
その後、学校から習字セットや裁縫道具の購入についてのお便りをもらってくるたびに「これは何年生まで使うやつ?」と上の子たちに確認しながら慎重にデザインを選んでいる三男。
母の失敗を彼なりに生かしてくれているんだなぁ…と、その姿を見るたびにチクッと胸が傷むお母さんです…
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:イシゲスズコ
年齢:40代
子どもの年齢:高校生から小学生の4人
九州の片田舎在住、ぼちぼち働く4児の母ブロガー。生活のなかで出会ういろんなことをあれこれ考え込んだブログ「スズコ、考える。」を運営。Twitterの男児育児あるあるをまとめた共著「#アホ男子母死亡かるた」(アスペクト)がある。
ブログ:「スズコ、考える。」
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