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【専門家監修】ひょっとして吃音?!…子どもの喋り方が気になる場合の対処法、上手な親のかかわり方を聞いてみました

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つぶみさんが、息子さんの喋り方が気になったのは、2歳前後の頃。「ほにゅが、が、が」と、語尾を何度も繰り返す話し方だったそうです。最初は「まだ言葉を覚えたてだから流暢に話せるはずない」と思っていたものの、心配になってネットで調べたところ「吃音(きつおん)」という話す時に生じるトラブルの1つだということがわかったそうです。

 

 

 

それまで吃音についての知識がなかったつぶみさんですが、動画で吃音を持っている方の体験談を聞き、まずは親である自分が吃音についての知識を深めようと感じたそうです。そこで、今回は吃音に悩む親子にわかりやすくアドバイスを行っている金沢大学人間社会研究域学校教育系の教授、小林宏明先生にどんな症状があるか、親はどう接するのがいいのかなど、吃音についての基礎知識を聞いてみました。

 

Q:吃音とは、どういったものでしょうか。

A:お喋りをする時に音を繰り返してしまったり、詰まったりすることです。

つぶみさんの息子さんのように語尾の音をくり返してしまう、また、「ぼっぼくは」「あ...そびに行きたい」のように語頭の音を繰り返したり、詰まってしまうなど、発語の際に起こるトラブルです。吃音の中でも多く見受けられるのが、語頭の音を繰り返すタイプのものだといわれています。

 

Q:吃音が起こる原因はありますか。

A:今のところ原因不明といわれています。

吃音が起こる原因は、今のところ不明です。

吃音のお子さんを持つママやパパの中には「育て方が悪くて吃音になってしまったのかも……」と、ご自身を責める方もいらっしゃいますが、決してそうではありません。

最近の研究では吃音になりやすい体質的要因(例えば、発声発語の成長がゆっくりで、頭で考えたことを言葉にするのに時間がかかるなど)に環境的要因(例えば、周囲の人の発話速度が速く、それに合わせて早口で話そうとするなど)が重なってあらわれるのではないかと考えられています。

 

Q:喋り始めの子どもは、言葉の音が曖昧だったりします。お喋りが上手になると治るケースはあるのでしょうか。また、吃音かはどうやって診断されるのでしょうか。

A:吃音の約8割は小学校入学前後に自然になくなります。ただ症状が一定期間続く場合は、一度受診を。

語頭や語尾の音をくり返すなど、吃音の代表的な症状が出始めるのは2~4歳が多いようです。ただ小学校入学前後の時期までに吃音の約8割は自然になくなるといわれています。

「吃音かどうかは〇〇をできるかで判断」など、厳密な診断基準はありません。ただ、ママやパパが喋り方の違和感に気づいてから一定期間(半年ほど)経っても症状が変わらない、より聞き取りづらくなった、幼稚園や保育園で友だちから聞き返されることが多いなどの場合は、一度、医療機関などに受診や相談してみるのもいいでしょう。

 

 

Q:吃音かどうかの検査や相談はどこへいったらいいでしょうか。

A:言語聴覚士がいる耳鼻科や、小児科で発達外来を行っている医療機関に相談を。

吃音かどうかの検査や、どんなトレーニングをすればいいかについては、「話す」スペシャリストである言語聴覚士(ST)さんが対応します。言語聴覚士さんは、主に耳鼻科や、発達外来を持つ小児科などにいるので、そういった医療機関を受診してみてください。

「言語聴覚士のいる医療機関がわからない」という場合は、かかりつけの小児科医に相談をして紹介してもらう、または、一般社団法人日本言語聴覚士協会のホームページ(https://www.japanslht.or.jp/)から、言語聴覚士さんの在籍する病院を都道府県別に検索することができます。

 

Q:検査で吃音と診断された場合はどのようなことをしますか。

A:症状の出方によって異なります。

症状の出方によって対応は異なります。

お子さんの年齢が低い、吃音の症状がそれ程多く出ていない、お子さん自身が吃音を気にしていないなどの場合は、数ヶ月に1回程度の吃音の状態を確認するという対応になる場合もあります。

また、言語療法をした方がいいとなった場合は、各医療機関によって対応は異なりますが、定期的に言語聴覚士さんのいる医療機関などに通い、吃音になりにくいゆっくりゆったり話す練習など、お子さんの吃音の状態に応じて適切な話し方練習などをしていきます。お子さんの場合、「カメさんみたいにゆっくり話すゲーム」など遊びの要素を盛り込んで楽しく練習していきます。

 

Q:ご自身の子どもの発音が気になる時、親はどう接することが大切でしょうか。

A:お子さんの話を「待つ」「じっくり聞く」ようにしてあげてください。

語尾の音を繰り返す場合は、次の言葉が頭の中に浮かんでくるのに時間がかかっているケースがあるので、「それでどうした?」など、催促するのではなく、次の言葉が出てくるまでじっくり待ってあげてください。そうすることでお子さんは「全部言いたいことが話せた!」という満足感を得ることができます。

お子さんによっては、幼稚園や保育園よりもお家で吃音が出やすいことがあります。これは、「園でのできごとをママやパパにできるだけ詳しく話さなくちゃ」という気持ちになり、一度にたくさん話そうとしたり、少しでも早く話そうと焦ってしまうためと考えられます。また、年の近いきょうだいがいる場合、吃音のある子が話し始めても、吃音でスッと言葉が出てこない時に、きょうだいが話し始めてしまい、話したいことを最後まで話せないということもあるでしょう。

このようなケースの場合は、1日15分とかでいいので吃音のある子と1対1でじっくり話せる時間を作ってあげてください。それを続けることでお子さんは「自分のテンポで話せる」、「聞いてもらえる」という安心感が生まれ、焦らずに話せるようになることから吃音の症状が軽減してくることがあります。

 

 

 

Q:喋り方でおかしいと思うところは、指摘した方がいいのでしょうか。

A:指摘はNG。話し方ではなく、話の中身に注目して聞いてあげてください。

幼児期のお子さんは、「自分の話し方がおかしい」と気づいていないことがほとんどです。そのため、ママやパパが「今の言い方は変だから言い直して」と言っても、どこを治せばいいかわかりません。逆に「せっかく話していたのに、途中で話の腰を折られた」と感じ、話すこと自体を面倒と思って話すことが苦手になってしまうケースも。

そうならないようママやパパは、話し方は指摘せず、話の中身に注目して聞いてあげるようにしてください。

 

ご自身のお子さんの話し方に「あれ?ちょっとおかしいな」と気づいた場合、ママやパパも不安になることもあると思います。決してママやパパの育て方が悪くてなったわけではないので、心配しないでください。また、乳幼児期にみられる吃音の約8割は小学校入学前後ぐらいまでに自然治癒します。でも「やっぱり気になる」、「早めに相談しておきたい」という場合は、ママやパパだけで悩みを抱え込まず、言語聴覚士さんのいる医療機関に相談をし、サポートしてもらってくださいね。

 

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小林 宏明先生

金沢大学 人間社会研究域 学校教育系 教授。1999年に筑波大学大学院心身障害学研究科修了。 博士(心身障害学)。 同年、筑波大学心身障害学系準研究員、2001年より同助手を経て、2002年より金沢大学教育学部助教授に。吃音がある幼児やその保護者へのアドバイスや、吃音に悩む大人の指導・支援法開発に取り組んでいる。著書に「イラストでわかる子どもの吃音サポートガイド」(合同出版)ほか多数。

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