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【医師監修】妊娠初期に強い「眠気」を感じるのはなぜ?

妊娠初期には、なんとなく体がだるかったり、これまでにないほど眠気が強かったりして戸惑うことが多いもの。この眠気はなぜ起こり、そしていつ頃まで続くのでしょうか。妊娠初期の眠気の原因と、その対処法についてお伝えします。

監修医師

海老根真由美先生

白金高輪 海老根ウィメンズクリニック 院長

産婦人科専門医。埼玉医科大学医学部大学院卒業後、さいたま赤十字病院産婦人科、埼玉医科大学総合医療センター総合周産期母子医療センター母体胎児部門病棟医長、同講師等を経て、2013年に白金高輪 海老根ウィメンズクリニックを開設。産婦人科、婦人科、助産師の外来を中心に、小児科や乳腺外科、泌尿器科、内科の診療も行い、女性のライフイベントに合わせた医療を提供している。

妊娠初期の妊婦を悩ませる「猛烈な眠気」

妊娠初期に強い眠気を感じるのはなぜ?

妊娠初期にみられる体の変化として多くの妊婦さんが訴えるのが、眠さやだるさです。これは、妊娠を維持して子宮を赤ちゃんにとってよい環境にするために何種類ものホルモンが分泌される影響もありますが、赤ちゃんが急成長する時期にママがよく眠ることでストレスから遠ざけ、体を休ませようとしているからとも考えられています。

つわりも眠気も、赤ちゃんにとっては、親を動かさないで胎盤をつくり、栄養や酸素をもらう絨毛を生やすチャンス。眠気がひどいときは、「無理をしないで休んで」という赤ちゃんからママへのメッセージなのかもしれません。

眠気はいつまで?…妊娠が進むと変化する睡眠サイクル

妊娠初期の眠気は、胎盤が完成してつわりがおさまってくる妊娠16週頃までには軽減していくことが多いものです。妊娠中の眠りのサイクルには変化があり、初期にはすごく眠く、妊娠後期に近づくにつれて眠りがだんだん浅くなり細切れになっていきます。これは、産後の赤ちゃんへの授乳に備えて母親の睡眠サイクルも変わってくるためだといわれています。一方で、初期の眠気が出産前まで続くという人も。これらはすべて妊娠中の睡眠としては正常なので、悩まずに「今はこれが自然なんだな」と受けとめ、気を楽にして過ごしましょう。

眠気を感じたとき、どう対処すればいい?

眠いときは我慢せずに寝るのが一番

眠気を感じたら、一番よいことは横になって休むことです。眠気を我慢せずに5分~10分でも横になったり、眠れるときはすっきり目覚めるまで眠ってしまいましょう。逆に、眠気を辛抱して無理をすることは体にとってストレスになり、子宮への血流を悪くしてしまう原因に。眠いときは車の運転や自転車に乗ることなど、危険なことは避けましょう。

眠れないときは気分転換を上手にしよう

仕事中など眠れない環境にいるときは、横になるのは難しいもの。自分の好きなやり方でリフレッシュしましょう。ゆっくりストレッチをしたり少し歩いたりして体を軽く動かす、人とおしゃべりをする、好きな飲みものを飲む、腹式呼吸をするなど、自分なりの解消法で気分転換すると、すっきりします。

有休を細切れに使うことも検討して

働いているママは、有給休暇を妊娠後期だけにとっておかず、むしろ初期に使うことを考えましょう。体の調子が悪いときに週に1~2回、あるいは半休が取れる人は半休を使い、調子のよい午前に出社して、午後は休むなど、この時期に細切れに休みを取ることをおすすめします。この時期を乗り越えられれば、恐らく18週から26週くらいの頃に一旦ちょっと楽になり、「あ、動けるかも」と感じる時期が出てきます。体調がある程度よくなるまでは無理をしないで、大切な妊娠初期を乗りきりましょう。

この記事のまとめ

眠気は「無理しないで」のメッセージ。休めるときは休みましょう

妊娠初期の眠気は、ホルモンの影響もありますが、赤ちゃんが急成長する時期によく眠って体力を温存するようにと働く、体の自然な営みともいえます。妊娠している体にとって、「休む」ということは必要なこと、よいことなので、無理をせず眠ることが一番です。仕事をしているなど眠れる環境にないときは、自分なりの方法で気分転換し、うまく妊娠中の眠気とつきあっていきましょう。

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構成・文/
福永真弓
イラスト/
小波田えま

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