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【医師監修】赤ちゃんはどう出てくる?出産の進み方

もうすぐ赤ちゃんに会える!その一方で予定日が近づくにつれ、出産に対する不安や心配も大きくなってくるもの。でも正しい知識があれば、慌てることはありません。いずれ来るそのときのために、出産の進み方をマスターしておきましょう。

産婦人科医

木戸道子先生

日本赤十字社医療センター
第一産婦人科部長

1988年東京大学卒業後、東京大学医学部附属病院分院、長野赤十字病院を経て2002年より日本赤十字社医療センターに勤務。相手の立場に寄り添ったわかりやすいアドバイスが定評。3人の息子の子育て経験から育児支援にも詳しい。

出産の進み方には段階がある!

出産に向けて心の準備をしよう

出産にはどうしても痛みがともないますが、最初から最後までずっと激しい痛みが続くわけではありません。ただし不安や緊張があると、体に力が入りすぎてより痛みが辛くなってしまうことも。出産の進み方、赤ちゃんのようすを事前に頭に入れておけば、自身の体の状況を冷静に捉えることができ、不安を取り除くことができます。早い人では出産の2週間前くらいから感じ始める出産へ向けた体の変化を知って、出産当日を迎える心の準備をしておきましょう。

【出産の進み方STEP1】赤ちゃんが降りてくる

赤ちゃんが下りてくると、もうすぐ出産が始まる合図

出産が始まる2週間前~前日になると、子宮の中で大きく成長した赤ちゃんが徐々に子宮口の方に下がってくるようになります。このとき、子宮口はまだ開いていないか、開いていても1~2㎝程度。前駆陣痛と呼ばれる不定期な痛みをかすかに感じることがあります。また、人によっては下腹や腰に違和感があったり、血が混ざった「おしるし」と呼ばれるおりものが出たりすることもあります。

【出産の進み方STEP2】陣痛がスタート

お産の準備が本格化し、陣痛が規則的になる

個人差がありあくまで目安ですが、初めてのお産では出産およそ半日ほどくらいになると、陣痛が始まります。痛みは、最初は強い月経痛のようですが、段々と波を打つようにやってきます。この頃の陣痛は10~8分おき。痛みの長さは30~60秒くらいです。周期的にしっかりと収縮の痛みが起こるようになり、子宮口は3㎝くらいまで開いてきます。腰がだるくなり、恥骨に違和感が出てきます。赤ちゃんは顔を下に向けるようにして、頭を骨盤の中に入れ始めます。手足を丸めて、あごを胸の方にかがめた姿勢で生まれる準備をしています。

【出産の進み方STEP3】陣痛が強くなる

赤ちゃんは子宮内でだんだん回っていき、陣痛が徐々に強く

出産の7~5時間前になると、陣痛がグッと強まってきます。痛みは5~6分おきの間隔で、長さは45~60秒くらい続きます。腰や恥骨の痛みもより強く感じるようになります。子宮口は4~7㎝くらまで開いてきます。赤ちゃんは、骨盤のカーブに合わせて体の向きを変えながら(回旋運動)、骨盤の中を通り抜けようとがんばっています。不安や緊張はスムーズな出産を妨げるので、ママは好きな音楽を聴いたり、家族と話したりなどして、体に力が入りすぎないよう心掛けましょう。

【出産の進み方STEP4】陣痛の強さMAXに

娩出に向けて、陣痛が強く長くなる

出産の2~3時間前になると、子宮口は8~10㎝くらいまで開きます。陣痛の痛みは2~3分おきに起こり、痛みは60~90秒くらい長さになります。痛みの強さが激しくなり、間隔もだんだん短くなってきます。赤ちゃんが下りてくるため、いきみたい感覚が出てきます。子宮口には赤ちゃんの頭が見え隠れしてきます。頭が骨盤を通り抜けたら、赤ちゃんは肩を出すために今度は横向きの姿勢に回っていきます。

【出産の進み方STEP5】いよいよ娩出!

生まれる瞬間、ママと赤ちゃんが力を合わせる

いよいよ出産のとき。子宮口は全開になり、赤ちゃんを出そうと子宮が強く収縮します。陣痛は1~2分おきになってきます。産む態勢が整ったら助産師や医師の合図に従って、いきみます。頭が出て、続いて左右の肩が順に通ってきたら,その後は下半身がスムーズに出てきます。からだ全体が出てきた瞬間が、新たな命の誕生です。出産後は、子宮から剥がれた胎盤が排出されます。

この記事のまとめ

状況を判断する冷静さを身に付けて

出産予定日が近づくと、おなかの張りやわずかな痛みにも敏感になってくるもの。「もしかして陣痛?」と思ったら、出産の進み方を思い出して,あせらずに落ち着いて本番に臨みましょう。早くから力が入りすぎないように,スタミナを保ちましょう。お産でママが辛いときは赤ちゃんもがんばっていることを忘れずに、力を合わせて一緒に乗り切って!

構成・文/
稲垣幸子
イラスト/
itabamoe

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