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【医師監修】どうしたら防げる?妊娠線




赤ちゃんの成長はもちろん、羊水や血液などが増加して大きくなり続けるおなか。そこで心配なのが「妊娠線」です。妊娠〜出産を経ても、ずっときれいでいたい妊婦さんが気になる、「妊娠線」ができる理由や予防法について、産婦人科医の大山香先生に伺いました。

産婦人科医

大山香 先生

日本産婦人科学会専門医 産婦人科医。昭和大学医学部卒業。昭和大学産婦人科などを経て、対馬ルリコ女性ライフクリニック勤務。働く女性と同じ目線で、小さな悩みでも気軽に相談できるかかりつけ医を目指している

妊娠線はどうしてできるの?

急激な肌の伸びによってできる亀裂

妊娠すると、大きくなるおなかに対して、表皮ほど伸びにくい真皮(コラーゲンやエラスチンなどの弾力繊維を含む)と皮下組織(脂肪細胞、結合組織からなり、血管、神経を含んでいる)が、その変化に追いつけず、亀裂が入ることがあります。その亀裂に毛細血管が浸透して見える線が「妊娠線」です。産後は薄くなりますが、完全には消えないので、まずは「妊娠線」ができないように注意したいです。

おなかの中央にできる正中線は消える

おなかに縦に走る線を「正中線」と言います。正中線とは、実は生まれたときから誰にでもある線です。普段はほとんどわかりませんが、妊娠するとホルモンバランスが変化することで、メラニン色素が沈着して濃くなり目立ってきます。「正中線」のことを「妊娠線」と勘違いして慌てる人がいますが心配しないで。濃さは人によりますが、出産後は自然と薄くなり元に戻ります。

妊娠線はどこにできるの?

おなかや脚、お尻などにもできる

「妊娠線」と聞くと、おなかにできるものと思いがちですが、ほかにも皮下脂肪が多いところにできやすいものです。妊娠中はおなかだけでなく全体的に脂肪がつきやすくなるので、バストや二の腕、お尻なども要注意。ケアしていたのに、太ももやお尻に妊娠線ができてしまったという先輩ママもいます。思わぬところにできることがあるので、全身ケアが鉄則です。

コラム

皮膚が伸びてかゆくなる場合も

体表面積が広くなると、皮膚の真皮層や角質層が薄くなり、肌のバリア機能が低下します。そのため、周囲からの刺激を感じやすくなり、かゆくなることがあります。摩擦や乾燥、電磁波、化学繊維が刺激になる人もいます。刺激が少ない下着に変えて、しっかり保湿をすることがケアのポイントです。

妊娠線を予防するにはどうしたらいい?

急に太らないように体重管理をする

予防の第一は、妊娠線ができる原因となる脂肪が急につきすぎないように体重管理をすること。体重が急激に増えると、皮下脂肪が増えて、無理な肌の伸びにつながります。体重が徐々に増えれば、皮膚も少しずつ伸びやすくなりますが、急激な体重増加には皮膚が追いつけなくなります。適度な運動を取り入れながら、1カ月1kg増加を目安に体重管理をしましょう。

妊娠初期からしっかり保湿ケア

急激な伸びに皮膚がついていける弾力性のある柔らかい肌にするために、しっかり保湿ケアをしましょう。おなかが大きくなってからなどとのんびり構えず、妊娠がわかったらすぐにケアを始めて。つわりでにおいが気になり、肌が敏感になるので、低刺激で無香料の妊婦さんや赤ちゃんにも使える専用のものがおすすめです。

この記事のまとめ

夫に保湿ケアしてもらうとスキンシップにも

妊娠線はできてからでは遅いので、できないように予防することが大事。おなか全体や下腹部や腰、お尻まで丁寧にクリームやオイルを入り込むようにマッサージしてください。おなかの下の方やお尻など見えにくいところは、夫に塗ってもらってもいいですね。スキンシップにもなります。

構成・文/
江頭恵子
イラスト/
スギサキメグミ

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