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【医師監修】妊娠初期、熱っぽくなるのは本当?これはつわり?

生理が予定よりも遅れていて、なぜか熱っぽさやほてりを感じる…。これってもしかして妊娠の兆候?と、はやる気持ちになる人も少なくないでしょう。妊娠初期に熱っぽくなるのは本当なのか、その原因と対策、おなかの赤ちゃんへの影響についてなど、詳しく解説します。

監修医師

宋 美玄先生

丸の内の森レディースクリニック 院長

医学博士。大阪大学医学部附属病院、りんくう総合医療センターなどを経て川崎医科大学講師就任。その後、ロンドンのFetal Medicine Foundationへ留学。胎児超音波の研鑽を積む。
周産期医療、女性医療に従事しながら、テレビ、インターネット、雑誌、書籍で情報発信を行う。産婦人科医の視点から社会問題の解決、ヘルスリテラシーの向上を目的とし活動中。

妊娠初期は基礎体温が高い時期が続く

妊娠していなければ、排卵日から2週間たてば基礎体温は下がる

風邪の症状はとくにないのに、なぜか熱っぽさやほてりを感じる…。そういえば生理も遅れている。これってもしかして妊娠の兆候?と、はやる気持ちになる人も少なくないでしょう。

妊娠していない場合、きちんと排卵が起こっていれば、生理周期に合わせて基礎体温が低温期から高温期に移行し、生理初日に再び低温期へ戻る、という二相を描きます。

妊娠している場合は、高温期が2週間以上続く

低温期と高温期の差はおよそ0.3~0.6 度。低温期が36.2度くらいの人であれば、36.5度~36.8度くらいに上がります。
妊娠していなければ、生理初日に再び低温期の36.2度に戻りますが、妊娠している場合、基礎体温が下がらず、高温期がしばらく続くことになります。このため、排卵日の数日前~当日に避妊をせずにセックスをしていて、高温期が2週間以上続いている場合、妊娠の可能性がある、ということが言えます。

ここで区別して考えなければならないのは、あくまで基礎体温(朝起きて起き上がらずにすぐ測る体温)のことなので、日中の活動している時間帯に測る体温とは違います。ただ、妊娠初期では一般的に高温期なので、熱っぽさやほてっている感覚を持つ人は少なくないようです。

妊娠初期に熱っぽさを感じてつらかったという体験談も

体験談

妊娠初期はつわりがつらいと言われていましたが、私が何よりつらかったのは続く高体温。元々、平熱が低く(35度代後半から36度ギリギリくらい)高温期でも37度以上になることはありませんでしたが、妊娠したときの高温期ははじめから37度を記録。常に熱っぽく、手足も頭も火照ったような状態でした。日中は仕事もしていたので「だるいから」と休むわけにもいかず、そこから丸3ヶ月間の「平熱が37度以上」生活は体力的に結構つらかったです。それでもつわりと同様に大体5ヶ月を迎える頃にはそんな症状もいつの間にかなくなり、また元の36度前半の平熱に戻りました。(参照元:でこぽんさん体験談

妊娠初期の熱っぽさはつわりや流産の兆候とは無関係

つわりの時期ではありますが、つわりは主に眠気、倦怠感と吐き気などの消化器症状であり、この熱っぽさは通常はつわりと区別しています。
また、基礎体温が高温であったとしても、日中に熱っぽさを体感として誰しもが感じるわけではありません。
さらに、熱っぽさを感じていた人で、15週より早めに熱っぽさが消失したとしても、流産の兆候などではないので、問題はありません。おなかの赤ちゃんに影響もないので、大丈夫。

初期の熱っぽさはおなかの赤ちゃんに影響はなし

15週頃までには収まるので、服装や空調を調整して快適に過ごして

妊娠初期に熱っぽさやほてりを強く感じる人は、おなかの赤ちゃんに影響はないのかと心配になることもあるでしょう。 しかし、この高温期は、妊娠を維持するホルモン、プロゲステロンの作用によるものですし、この熱っぽさがおなかの赤ちゃんには影響を与えることはありません。
この先、妊娠15週くらいまでには症状は消失しますので、それまでは、厚着にならないよう服装を工夫したり、空調機器を利用したりして、なるべく快適に過ごせるようにしましょう。暑いシーズンには、冷却シートや保冷まくらなどを使うのもよいでしょう。

風邪など別の原因の発熱には注意

38度以上の熱が続く場合は受診を

妊娠初期に熱っぽさやほてりを感じることはありますが、かといって38度以上になることはほぼありません。もしも38度以上の熱が続く場合、風邪による熱など別の原因が考えられます。下記のような場合は、早めに内科などを受診しましょう。受診の際は、妊娠初期であることを必ず伝えるようにしましょう。

□37.5度以上の熱が3日以上続くとき
□のどの痛みや鼻水、頭痛、倦怠感などの感冒症状があるとき

この記事のまとめ

妊娠初期の熱っぽさはホルモンの作用によるものなので心配しないで

妊娠初期は、プロゲステロンというホルモンの作用で、基礎体温の高温期が続きます。排卵から2週間以上高温期が続いたら、妊娠の可能性が高いと言えます。このため、妊娠初期に熱っぽさを感じることは、異常ではありません。熱っぽさやほてりで不快な場合は、衣服や空調を工夫して、なるべく快適に過ごせるようにしましょう。この高温期は長くても妊娠15週になる頃までに徐々に消失していきます。

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イラスト/
山村真代
構成・文/
秋田恭子