今日公開の、内野こめこさんの体験記。
「出産を機に胃の位置が変わった?」という内容の記事、気になりますよね。
そこで、産後の体の変化について、産婦人科医の笠井靖代先生に伺いました。
果たして内野さんの体質の変化は、赤ちゃんを産んだことによるのでしょうか!?
Q. 妊娠中に母体の内臓の位置は変わるのでしょうか?
A. 内臓の位置が変わるというのは、医学的には考えにくいことです。
お腹の中の子の成長とともに、子宮の近くにある臓器、膀胱などが圧迫され、臨月になると頻尿になったりはしますね。でも、胃や腸の場所が劇的に変わるというのは考えにくいです。
Q. そもそもの、下痢と便秘を繰り返していた原因は何なのでしょうか?
A. 過敏性大腸炎だった可能性があります
下痢や便秘を繰り返していたということは、もともと、過敏性大腸炎だった可能性があります。過敏性大腸炎を発症してしまう原因は、はっきりとは分かっていません。ただ、何らかのストレスを感じることで、腸が刺激され、過敏性大腸炎の症状が出てしまうとも考えられています。
Q. 出産を機に、下痢や便秘を繰り返すという症状が改善されたのはなぜでしょうか?
A. 日常生活のリズムが改善された結果ではないでしょうか
赤ちゃんが生まれたことで、日常生活のリズムが整ったことが大きな要因かなと思います。赤ちゃんに合わせて、夜は早い時間に就寝し、朝は早起きしてきちんと朝食を摂る。そのきちんとしたリズムのある生活をおくっていたことが、正常な排便リズムを作る大きな要因になったのではないかと思います。
また、育児は大変だとは思いますが、赤ちゃんの寝顔を見ているだけで癒されてしまいますからね。普段感じていたストレスがどこかへ行ってしまったのかもしれませんね。
産婦人科専門医、臨床遺伝専門医。東京医科歯科大学医学部卒業、東京大学大学院医学系研究科修了。現在は、日本赤十字センターの産婦人科部長を務める。自らの高齢出産や母乳育児、子育ての経験を踏まえたアドバイスが好評。NHKの子育て情報番組『すくすく子育て』にも出演。著書に『はじめての妊娠・出産 毎日ケアBOOK 産後3ヶ月までの幸せな過ごし方』(朝日新聞社)『35歳からのはじめての娠・出産』(ナツメ社)など。