寝ない子のママ
赤ちゃんが生まれて、やっと寝られるんだと。その時の私は思っていたのです。
赤ちゃんが生まれて始まる《育児》
オムツ、おっぱい、抱っこを病院で教えてもらいました。
まだ生まれて間もない赤ちゃん。
ママの抱っこでユラユラ眠る…って寝ない?!
周りを見渡してみたら、他のママさんたちは、授乳中で寝てしまい起きない赤ちゃんや、抱っこでぐっすり眠る赤ちゃんばかり。
その時に気づきました。
私の子どもはねんねが嫌い?なのかなと。
先輩ママに聞くと「初めは大変だけど3~4か月くらいになったら寝てくれるから。」と教えてもらいました。
私は一日中寝ていた赤ちゃんだったので、母には「赤ちゃんなのに、寝ないね」といわれ、義理母には「寝ない赤ちゃんなんていない」といわれましたが、本当に寝ないんです。
寝る時間が少なすぎるんです。
オムツを替えても、授乳しても、ダメです。
何時間も抱っこして、私は腕が痺れて動かなくなり、サポーターや包帯で固定して抱っこしていました。
寝てくれるのは、お風呂上がりだけで、夜は、深夜2~3時にやっと寝てくれます。
しかし、1時間で起き授乳→ねんねを繰り返し、2時間まとまって寝てくれたのは1歳過ぎた頃です。
周囲に話す度に「おかしい」と言われ「おっぱいやめてミルクにしなさい」や「病院に連れて行ったら?」とも言われました。
私は赤ちゃんが生まれてから毎日、2時間まとまって寝られる日がなかったので頭痛に物忘れが凄かったです。
睡眠不足とは精神的にも響き、毎日がふわふわ宙に浮いてるような日々でした。
どうして寝ないんだろう。
どうして他の赤ちゃんとは違うんだろう。
《赤ちゃん寝てるときに家事をする》
《赤ちゃん寝てるときにママも休む》
が、私にはありませんでした。
だって寝てくれない…。
私は本屋にある育児書を読みあさり、赤ちゃんの睡眠について書いてある本を買って実践したり、赤ちゃんをおんぶしながらネットで調べ尽くしました。
主人は「仕事があるから」と言い、遊んではくれるけれど、寝かしつけはしてくれませんでした。
今日は何時に寝られるかな、と考えて、今日はどんな方法で寝かしつけをしようかなと私の毎日は「ねんね」で頭いっぱいでした。
子守歌を歌う→ずっと聞いていて目はパッチリ。
ユラユラ揺らす→キャッキャ喜ぶ。
お腹をポンポン→手を掴み、睨む。
背中をトントン→のけぞり、拒否。
抱っこ紐で歩く→両手足バタバタして喜ぶ。
おんぶ→左右に体を揺らせて遊ぶ。
お風呂を2回入らせ、温めすぐお布団→1時間で起きる。
体力が有り余ってるのかと思い、公園で遊ばせる→公園から帰ってきて、即寝!!
あ、公園遊ばせ作成大成功!かと思ったらお昼寝で寝てくれた分、夜は目がパッチリ。
公園遊ばせは寝てくれるけど、夜は逆に寝てくれない→深夜3時までずれ込む。
他にも、お風呂と晩ごはんの時間帯を色々変えてみて1番眠たい様子のゴールデンを見つけたらいいと教えてもらい、試みました。
寝る前の儀式の習慣付けや、朝早く起こし太陽光を浴びせるのも毎日しました。
ですが、絵本は1歳までは破ってしまい最後まで読めないし、
2歳になると絵本が楽しくて興奮して寝られなくなり、ずっとおしゃべりでした。
さすがに2歳になると健診でも
「そんなに寝ないの?」
と言われ、私も眠たくて眠たくて体力が限界でした。
そんな時に2人、私を救ってくれた人に出会いました。
1人目は、親子サークルで同じグループになったママさんです。
その時~育児で悩んでいること~をテーマに話をしていたのですが、
「うちの子、寝ないんです…」
と同じ悩み!
実は今までも、何人かいたんです。でも私の子どもに比べたら、皆寝てる方だなと思いながら話をしてました。
でも、このママの顔を見た時に「同志だ!」と思いました。
「朝起きてから、お昼寝は30分くらいで、夜は夜中の2時~3時。あ、4時の時もあります。何してもダメなんで、もう本人が眠たくなるまで遊びに付き合ってます。主人は仕事なんで、私が1人で毎日見てます。子どもはかわいいし、育児も楽しいけど、眠たくて辛いです。昨日は深夜2時にプラレール作って走ってるのを眺めてました。」
他のママさんは
「抱っこして背中トントンで寝るよ?」
「朝早く起こして、ずーっと公園遊ばせたら夜寝てくれるよ?」
「お風呂とか早くしたらいいんじゃない?」
など、色々アドバイスされてましたが
「できる限りはしたんです。でもムリなんです」
としか返答できないママ。
しばらく無言が続きました。
《寝ない子のママは、寝てくれるママの何十倍も眠たいのを堪えて頑張って寝かしつけをしてるんだよ!頑張って頑張って寝ない子をママひとりで悩んで(たぶん)色々な言葉で傷つきながらも一生懸命毎日、寝かすことだけで頭いっぱいなのよ!》
と、叫びたかったですが叫べませんでした。
変わりに「私の子も寝ないんです…」と伝えると
そのママは一筋涙を流していいました。
「あなた、私と一緒ですね。ありがとう」
たぶん、同じ空気を感じたんだと思います。
他のママさんは、かわいい髪形にメイク。
オシャレな服にネイルしてる人もいる中、私たち2人は頭ボサボサ。
手はガサガサ。顔はスッピン。
でも、子どもたちは親おかまいなく元気いっぱい!
「いつか寝てくれる日までお互い頑張りましょうね」
と約束をしました。
2人目は、公園のベンチで隣に座ったおばあさん。
寝てくれなくてお散歩にきたけれど、私は眠たくて眠たくて公園のベンチで一休みをしていました。
眠たいけれど、赤ちゃんが寝てないのにママが寝るわけにはいかない!
と、寝ないように自分をつねりながらベンチに座ってた時です。
「あら、かわいいねぇ」
おばあさんに声をかけられ、少し話したあとに
「この子、なかなか寝てくれないんですよ」
とホロっと出てしまった言葉。
いつもなら「あら、眠たくなったら寝るわよ」と言われ続けて嫌気がさして人に話すのをやめたのに、眠たさが本音をポロリ。
するとおばあさんが笑顔でこう言ってくれました。
「あぁ、この子はママと一緒に遊びたいんだね。ママの顔を見ていたいんだね。ママが大好きなのよ。ふふふ。」
おばあさんとサヨナラした後に、私は涙が止まりませんでした。
寝たかな?眠たくなったかな?
毎日赤ちゃんの顔をのぞいてた私。
いつも目が合っていた私たち。
そうなのか!ママの顔を見てたのか!
出産時に私は《ママといっぱい遊ぼうね!》と
思いながら生んだ。
そうだったんだ!遊びたいんだ!!
今までのモヤモヤが、頭痛が、眠気が、ぱーと晴れた瞬間でした。
寝ないなら、ずーっとママと遊ぼう。
2人との出会いにより私は変わりました。
悩んでいるのは私一人ではないこと。
寝ない子はママが大好な子。
ママ、頑張るからね!
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:いつも眠たいママ
※プロフィール情報は記事掲載時点の情報です。