里帰り出産で次男を産んだ私。わりと3時間ずつきっちりと寝てくれる子で、実家にいるというお気楽さもあり、長男の時よりもずっとお気楽に育児を楽しめていました。
この状況にやはりどこか心の油断があったのでしょう。
なんと、まだ生後2か月の次男を落っことしてしまったのです。
それは、入浴中の出来事でした。
生後1か月過ぎから沐浴はやめて、次男は私と一緒にお風呂に入っていました。
次男のお風呂がすんだら母に迎えに来てもらい、先に次男をあげてもらって自分はその後ゆっくり、というスタイルです。
いつものように母に迎えに来てもらおうと次男を抱っこしたまま浴槽から洗い場に出たその瞬間!
急な立ちくらみで、私は抱っこしていた次男ごとひっくり返りました。
私はとっさに次男を守ろうと次男をかばうような形で洗い場に体を打ちつけました。しかし、それもむなしく抱いていた次男は洗い場に落ちてしまったのです。瞬間、火がついたように泣きだしました。
あわてて母を呼び、着替えてまだ泣きやまない次男を見ると、こめかみの上のあたりが少しだけへこんでいるように見えました。
とにかく泣きやませたい!と思った私はあわてて授乳をしました。するとぐびぐびおっぱいを飲む次男、そして飲むだけ飲んだら泣きやみました。ひとまずほっとする私。
「頭を打った時は泣かない方がまずい」と聞いたことがある。すぐ泣いたし、おっぱいを飲んだら泣きやんだから問題がなさそうには見えるけど・・・としばし悩みました。
ですが、頭のへこみがどうしても気になり、夜間受付をしている病院へタクシーで連れていくことにしました。
夜だというのに、病院は病気の子供たちでいっぱい。それでも順番を待って診てもらいました。
私「この子をさっきお風呂場で落としてしまったんです」
医「泣きましたか?」
私「はい、ものすごく泣きました」
医「そう、それなら大丈夫ですよ」
私「(えっそれだけ?)さっきまでここの部分がへこんでいたんですが」
そう、病院に到着して再度よく見たら、へこんでいたはずの部分が見当たりません。
医「頭を打って泣かないと心配ですが、すぐ泣いたなら。今はもう機嫌もよさそうだし心配ないですよ。どうしてもCT検査したいというなら、ここには設備がないのでまた違う病院に行ってもらうことになります。でも大きい検査は赤ちゃんの負担も大きいし・・・まあ私は問題ないと思いますよ」
という会話でした。
そういわれても心配はありましたし、できれば詳しく検査をしてもらいたいと思っていたのですが、どうもそういう空気ではないみたい。
お医者さんも、泣いたなら大丈夫、今機嫌がよさそうだから大丈夫と繰り返すので、納得をしてそのまま帰ることになりました。
「48時間は様子をよく見て、吐いたり機嫌が悪かったり、いつもと違う状態になったらすぐに受診してくださいね」とお医者さんに言われましたが、その後次男の様子に変化はなく、無事に48時間を迎えることができました。
もし次男の脳に大変な障害を負わせてしまっていたらと思うと今でも身ぶるいがします。きっとどこか自分の気持ちに油断があって、次男を落としてしまうなどというとんでもない事態を招いてしまったのでしょう。
残ったのは私の全身についたあざ。腕や背中や足、とにかく全身におびただしい数のあざができていました。最初赤かったあざは青くなり、茶色くなり、黄色くなり長い間私の体に残っていました。私はいくら傷ついてもいいから、とにかく次男を守りたいというとっさの思いで体をなげだした結果です。あざは私の勲章です。なんてかっこいいことをいいつつ、一瞬落としてしまってるのですが・・・。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:田中とまと
年齢:30歳
子どもの年齢:3歳と2歳
いたずらざかりの男の子を二人育てています。私がいなくても平気で、あちこち迷子になる長男。家の中では暴君なのに、外では慎重で私から決して離れようとしない次男。顔も性格も全く似ていない二人ですが、どちらもかわいい我が子です。ダブルオムツの時代は大変でしたが、最近は少しずつ自分の時間も持てるようになってきました。
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