娘の出産後、退院してからは実家にお世話になりました。
と言っても実家と我が家はすぐ近く。
夫は仕事帰りに毎日来て、夕飯を食べて、娘をかわいがってから帰る生活です。
そんな生活を送って10日ほどたった日です。
「かわいいねぇ!本当にかわいいねぇ!」と目尻を下げて娘のほっぺをツンツンする夫に、わたしが「うん」と気のない返事をしたのがきっかけでした。
「ねぇ、かわいさに飽きたの?」
こんなにかわいいのにねぇとでも言いたげに、そう言い放つ夫。
かわいさに、飽きた?
この一言にものすごくカチンときたわたし。
夫が娘を鑑賞物として「かわいい」と言っているように聞こえたからです。
わたしは生まれてから毎日24時間、娘のために、娘のペースでお世話をしています。
ちょっとオムツ替えのやり方に口を出しただけで「オムツ替え向いてないから、もうやらないわ」と言う選択肢がある人とは違うのです。夕飯を食べようとした瞬間に泣いて、皆が食べ終わった頃に冷めたご飯をかきこむわたしと、お客様扱いでゆっくりと夕飯を楽しむ人とは違うのです。
娘はとてもとても大切な存在です。
だからこそ、いっぱいいっぱいで、一生懸命で、怖くて、しんどくて。「かわいい」と思う暇もないくらいに。
そんなことを伝えても、夫は分かったような分からないような顔をしていました。
小さな命を預かる責任感に押し潰されそうなわたしと、かわいい鑑賞物を愛でる夫。
同じ「親」になったのに、こんなにもギャップがあるとは思いませんでした。
この日をきっかけに、友だちのように仲良く楽しく暮らしていた私たちは、何度もぶつかり、ケンカして、話し合って、2人で「親」になろうとしています。まだまだ、夫には不満はあるし、逆もまたしかりです。
父親はお腹で子どもを育てないから自覚を持ちにくいという話をたまに聞きますが「うるさい母親もじゃい!!」という気持ち。戸惑いながらも、目の前の命を守るために、色々と調べたり、試行錯誤しながらお世話をしたりしているんです。自覚がどうこう言っていたら、死ぬから。褒めてもらえないとやれないとか言っていたら、死ぬから。それだけです。
もし、もうすぐ父親になろうとする方がこれを読んでくださったら、「自覚」とかどうでも良いので、自分で調べて「知識」をつけて、何度も実践して試行錯誤して「技術」を身につけてください。
母親だって自覚なんてありません。寝不足な頭であれもこれも調べるのは結構大変です。24時間向き合った結果、身につけた技術を「やっぱりママがいいんだって」と切り捨てられるのはとても悲しいです。
赤ちゃんのことを考えて一緒に調べたり、試行錯誤したりしてくれる相手が近くにいると、とても助かります。よろしくお願いします。
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:あひる
年齢:アラサー
子どもの年齢:4歳と2歳
お喋りな姉妹に振り回されているお母さん。心配性で育児中もすぐに不安になるタイプです。おおらかでドーンとしているお母さんに憧れながら日々邁進中。
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