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「肌つやのよい人、育児ブログ、すべてが妬みの対象だった!」“羨ましい”の奥にあったもの byイシゲスズコ

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こんにちは、イシゲスズコです。

 

年子の長男次男に手がかかって仕方なかった頃、外に出るのも苦しかった時期がありました。

スーパーで買い物をしている同世代の方を見ると「あの人は子供の世話をしなくていいんだろうな」と思ったり、夫婦らしい男女を見ると「一緒に買い物に来てくれる旦那さんなんだな、羨ましい」と思ったり、仲の良さそうな中年の母親とその娘らしい組み合わせを見ると「親子関係がうまくいっているんだろうなぁ、いいなぁ」と悲しくなったり。

夫が仕事の休日に子供を連れて公園に行けば父子づれが眩しく、児童館に行けばうちの子よりおとなしくしている子を連れた親御さんがとても誇らしげに見えて辛く、テレビをつければ同世代の出産を経験した女優さんの美しい姿に心が折れ、ネットを開いては子育てがうまくいっているように見えるブログや掲示板の書き込みに凹み…

四方八方どこを見回しても自分より恵まれている人ばかりいる、自分ばかり苦しんでいる、見えるものがどんどん自分に刺さって辛くなっていた時期がありました。

肌つやのよさそうなあの人は夜泣きで起きたりしないんだろうなぁ
ショートカットが素敵なあの人は美容院に行けないと嘆いたりしなくていいんだろうなぁ
ワンピースを着ている人は授乳しなくていいんだろうなぁ
レストランから出てくる車を見ては「ゆっくり食事ができていいなぁ…」

書き連ねてみたら本当にバカバカしいようなことを考えては、周りの人たちがうらやましく、いや妬ましく思えて仕方がありませんでした。

今になって冷静に考えればわかるのです。
夫婦揃って買い物をしているからといって家庭内が円満とは限らない。
いやそもそも夫婦かもわからない。

街ゆく人が自分よりたくさん睡眠を取れているのかも、子供が健康なのかも、いつもゆっくり食事をとっているのかも、わかるはずもないのです。

その、わかるはずもないことを勝手に読み取っては勝手に落ち込んでいた、おかしいですよね。


その当時の私は、夜泣きで睡眠時間もろくに確保できていませんでした。
食事も3食ゆっくりとる余裕もありませんでした。
夫の帰りはいつも遅く、ゆっくり話したり家事育児を頼ったりするような余裕もお互いにありませんでした。

人間、極度に疲れ果てるとそうやって周りを妬ましく思ってしまうのかもしれません。
その時に自分が持っているものには気づかずに。

当時の私は、妊娠や出産のトラブルもさほどなく2人の子供を授かることができ、経済的にも困窮しておらず、夫も人並みに働いていて、双方の実家を頼れないこともない状態で育児をしていました。
それだって十分恵まれていたことだけれど、そんなことを振り返る余裕すらなかった。

ある日ふと、あぁ私も、もしかしたら誰かからは羨まれるような人間だったのかもしれない、と思ったことがあります。
私は「育児疲れでヨレヨレです、寝てません!ご飯も立って食べました!しんどいです!夫は今日も残業です!」なんて言いながら歩いてたわけではありませんから。
そうだよね、みんなそうやって自分の事情なんか言いながら歩いてないよね、そう思ってなんだかおかしくなって笑ってしまって。

当時の私は髪がとても長くて、それは美容院に頻繁に行けないし結んでしまえばそれなりに見えるからだったのだけれど、友人から「いつも綺麗に手入れしてすごいなって思ってた」と言われたりもして。

あぁ、本当のところなんてわかんないのに自分のコンディション次第で自分の見たいように人を見てしまっていたんだなぁ。

私の場合は、家の中で夫を妬ましいと思ってしまったら黄色信号。
外で誰かを妬ましいと思ったら、赤信号。
睡眠時間は取れてるか、栄養は足りてるか、愚痴を吐き出したり気持ちのメンテナンスは足りてるか。
具体的な問題解決の前に、まずそこを見直してみると気持ちがすっと落ち着くかもしれません。

 

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著者:イシゲスズコ
年齢:38歳
子どもの年齢:中1・小6・小4・小1

九州の片田舎在住、ぼちぼち働く4児の母ブロガー。生活のなかで出会ういろんなことをあれこれ考え込んだブログ「スズコ、考える。」を運営。Twitterの男児育児あるあるをまとめた共著「#アホ男子母死亡かるた」(アスペクト)がある。

ブログ:「スズコ、考える。」

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