市の広報誌なんて今まではさらりと読み流すだけだったけれど、妊娠してからは、妊婦訪問指導の案内や妊婦向けの歯科指導の案内など、妊婦にウレシイ情報が掲載されていると知り、必ず目を通すようになった。
その中に『パパママ教室』というものがあった。妊婦とその家族を対象に、妊娠中のあれやこれやについて指導してもらえるらしい。
はっきり言って、初めての出産を控えて、私たち夫婦は希望もいっぱい、不安もいっぱい。
この教室では赤ちゃんの沐浴体験やオムツ替えの練習もさせてくれるそうだ。
「本物の赤ちゃん使うのかな?」
「イヤ人形だと思うよ。だって私だったら不慣れな手つきのプレママさん何人もに自分の赤ちゃん練習台に貸すの絶対こわいもん」
「確かに」
なんて会話をしつつ、その日のうちに申し込みをした。
市の総合会館での開催。当日はほとんどが夫婦での参加のようだった。
中には親世代と思われる女性が付き添っている人もいた。その様子からおそらくお姑さんなのじゃないかと予想、手を出す気まんまんなんだろうけどお姑さんに初めて育児介入されたら助かるかなーむしろ嫌なんじゃないかなーっと想像する私。
まずは妊娠中の健康管理や栄養指導などからはじまり、母子保険サービスや育児支援の説明などを受ける。
私は妊娠してから妊娠育児出産関連のハウツー本をめちゃくちゃ読みまくっていたので、正直このあたりはほぼ「あっこれ進研ゼミでやったとこだ!」状態だった。
それから、中学生の娘がいる義妹(夫の妹)が譲ってくれた15年前の育児書はやはりまったく役に立たないらしいことも再確認した。情報はどんどん更新されていってるのだなぁ。
そしてパパさん達の『妊婦体験』。うわさに聞いていた『妊婦体験スーツ』は…なんか…ダサかった。
別に着用して出歩くわけではないしあくまで擬似体験をするためだけのものなのだから、おしゃれである必要はないんだけど、それにしてもなんかもうちょっとこう…。
誰も「着てみたい」と申し出る人がいなかったので、「じゃあ8番のおとうさん」と指名されたのがうちの夫だった。目立つの苦手な人なので、思わず「い…いやです」と答えていたが結局着せられた。
「思ったより重いし動きにくかった」とのことだったので、妊婦体型の大変さがわかってもらえたならこの経験もよかったよかった。
その後別室に移動して、沐浴体験、着替え実習。
やはり人形が用意されていた。表情とか妙にリアルで重さも本物の赤ちゃんと同じくらいに作られているらしい。
赤ちゃんは人形だけど、ちゃんとベビーバスにお湯をはって実際に浸からせる。
人形とわかっていてもこの目がこっちをじっと見てるようで緊張する!
なんとか指導通りに体を拭き洗いして、なんだーなんだかんだでちゃんと出来たじゃん!と悦に入っていたが、最後の最後、お湯から上げた時、思わず赤ちゃんをブンッと振って『水切り』をしてしまった!
ひええ、これ本物の赤ちゃんでは絶対やっちゃダメなヤツー!
ゼクシィBaby WEB MAGAZINEの記事
著者:前川さなえ
年齢:35歳
子どもの年齢:9歳と6歳
2003年結婚と同時にフリーのイラストレーターに。 長男妊娠時、お腹が日々大きくなっていくのがうれしくて ブログを始め、現在も奮闘真っ只中の育児ネタを発信!
ブログ/ぷにんぷ妊婦~育児編~
書籍/ぷにんぷかあさん(マイナビ)、5歳だって女。(KADOKAWA)
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